世界を読みとく数学入門 日常に隠された「数」をめぐる冒険 (角川ソフィア文庫) [Kindle]
- KADOKAWA (2013年10月15日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (291ページ)
感想・レビュー・書評
-
高校3年生の夏期講習。数学の先生が「テレビがなかった時代、数学を趣味にしている人はたくさんいたんですよ。家に帰ると、みんな数学の問題を解いていたんですよ」と言っていた。
この本を読んでいたら、37年前に聞いた、その言葉を思い出した。
数学は娯楽の一種であると考えると、この本はわくわくしながら読める。導入部の8進法の話で読者の心をつかみ、本書は「素数」「フェルマーの予想」「分数」「確率の久米宏のパラドックスの問題」「トンネル効果と複素数」「虚数」と展開し、最後は「RSA暗号対量子学」のトピックスで締める。
うかつにも全部理解してやろうと意気込んで読み始めたが、早い段階でつまづいてしまった。例えば「各位置における存在確率は、これら各複素数の『原点からの距離の2乗』を計算したものなることが知られている」とあるが、「知られている」と書かれても素人は恐縮するだけである。
内容をすべて理解することはできないと思う。救いなのは、パズルのコーナー。これはさほど難解ではない。コーヒーを飲みながら、紙と鉛筆を持って本書に挑戦したとき、何となく贅沢な時間を得たような気がした。
やはり、数学は娯楽である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・「3で割ると2余り、5で割ると1余り、7で割ると6余る」このような数字をどうすれば求めることができるか?
・ユークリッドの互除法
・食塩水の濃度の計算
・「久米宏のパラドックス」
・火星に生物がいる確率
・黄金比
などなど、数学にまつわる面白い話題が満載!
本書は特に確率に関することがらに多くのページを割いていて、「同じ異性に何度も遭遇する」という現象を確率的に説明しているところなどは数学の醍醐味を存分に味わうことができた。
ただ、第3章の無理数と第4章の虚数のところは正直難しすぎて意味わかんない…。
RSA暗号についても、丁寧に説明してくれているのだろうが僕にはサッパリだった(これは簡単に理解できるほうがおかしいのかもしれない)。 -
・12/28 読了.なんとなく言わんとしてることは分かったけど細かい数式になるとどうしても理解が追い付かない.いずれにしても他の化学分野と同じで仮定から真実を割り出すというやり方が高じて虚数などという存在しない定義のものを使って実在するものを証明するところが人間らしくて面白いと思う.内容が苦手分野だったにもかかわらず2日で読了したのにはびっくりした.
-
各部品の壊れるリスクを掛け算すれば、墜落リスクは不当に低く評価されることになる。
予算の変動要因が複数考えられる時、それらの要素を単純に掛け合わせることは好ましくありません。それぞれの要因に予算に影響する重みがあるはずで、その重みを考慮していないと、実際要した費用との乖離が生まれます。
それぞれの要因の重みを探るべく多変量解析を使っていますが、あまりうまくいっていません。変数の取り方が良くないのか、多変量解析が何たるかを理解できていないのか、未だに模索しています。
過去の情報さえあれば未来を正確に読み取れるわけではありません。ただ、未来の予想を尤もらしく述べるには、過去の情報を使わざるを得ません。
しばらくは、明細書ではなくエクセルとにらめっこの日々が続きそうです。 -
テレビもラジオも無い時代の庶民の娯楽は数学だったんですよね。今でもクイズ番組は主流ですから。最後の量子コンピュータの理論は面白かったです。私が死ぬまでに実現できるのでしょうか、すべての暗号が破られる時代がしたら、どうやってプライバシーを守るんでしょうね。
-
文系向けの数学入門書。
特に虚数のあたりの説明は分かりやすく面白かった。
前半の数学が役に立つ例えがなかなか強引というか、こんなの誰が使うんだ?という感じなのがまたいい味を出しています。
文系の人は読んでおいて損は無いと思います。 -
暗号関連