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- / ISBN・EAN: 4988142966025
感想・レビュー・書評
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おすすめ度:90点
ものすごい物語で惹き込まれる。「驚異の映像」ではなく「物語の驚異」である。
主人公の少年パイのキャラクターを語るエピソードだけで前半はゆるゆると進む。だからこそ救命ボートにベンカルトラとともに漂流する冒険が信じられるものになる。
3Dであることを忘れさせる映像も見事である。トラが吠えるたびに驚きと恐怖でこちらの身を引いた場面が何度かあった。幻想的な場面も主人公のその心理を見事に表現している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文学的なんだけど退屈さは全く感じられなくて、味わい深い。大学の講義でいちいち説明されながら鑑賞したい映画No.1です。
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人間にとって癒してくれる存在が自然ならば、敵ともなりうる存在も自然である。
人間にとって癒してくれる存在が自然ならば最大の敵になりうる存在も自然である。
本当に恐ろしい自然の脅威にさらされたときに、武器になりうるものは「生への執念」。
この物語のパイの物語は、なんらかの宗教のバイブルにもなりうる人間の神髄に着目したものなのだろう。
本当の局面に達した者にしかわからない究極の修行。
生と死の狭間で初めてむき出しになる己の倫理観、信仰心。
きれいな言葉で締めくくることができない。「生のむき出し」に人間も自然界の動物の一員でしかないことを思い知らされました。
「生きることは失うこと。」
パイだからこそ発することのできるこの言葉の重みを感じながらもう一回観たい。
映像の鮮やかさ、美しさ。
ブルーレイで観ることを必ずお勧めします。 -
ストーリー自体はフィクションですが映像の美しさ、特に嵐のシーンの迫力と漂流が始まった後の海の美しさは凄い。
実際にはトラと227日も漂流するのは難しいでしょうがそこが映画。
次第に痩せて行くトラもリアル。
冒頭のインドの風景も美しい。
主人公の生い立ちから描いているので困難に直面した時、「神よ」というキリスト一辺倒にならない(かといってヒンドゥー教徒がどうなろうとキリスト教徒には興味がないでしょう。この辺の伏線が上手い)
動物ごと船が難破するとか島を埋めつくすミーアキャットなどディズニー的、牧歌的なあり得ない自然も出てきますが…