12 Years A Slave/それでも夜は明ける

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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 0024543881018

感想・レビュー・書評

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  • 歯切れの悪い終わりだった。
    それを感じた時に、この映画に対して良くない評価を抱きそうになった。

    とりあげられたテーマである奴隷制度自体
    歯切れの悪い問題であって
    それがスッキリ終わられてもそれはそれで嘘っぽい。

    奴隷制度是非の問題は、
    白黒、善悪で分けれる問題でもない。

    奴隷制度自体の是非、
    奴隷を買っていた人間の是非、
    それを現代に生きる僕たちが「評価」するのは
    違うと思う。

    映画の中のセリフでもあったけれど
    「そういう時代だからだ」というのが
    全てではないかと思う。

    現代において、個人主義という考え方や
    人権という概念が一般化してきてる世の中において
    現存する奴隷制度、人身売買は
    批判、非難の対象になる。
    でも、時代が違う当時のその制度自体、
    制度下の人間への評価はそれ自体が違うのではないか。

    この一点について、
    僕は恐怖を覚えるのだ。

    僕自身が現在、現時点で
    当たり前にやっていることが
    もしかしたら近い将来非難の対象になるかもしれないのだ。

    例えば
    犬や猫を殺すことは、虐待と評価をされるのに
    蚊を一匹殺すこと、ハエを殺虫剤で殺すことには
    なんの抵抗も覚えない。

    でも、犬も猫も、蚊もハエも
    一つの命であることに変わらないのに
    前者を殺すことは許され、後者を殺すことは許されることの
    区別の正当性は、よくよく考えるとどこにもないのだ。

    都合のいいように目の前に対象に対して
    解釈を変えているだけ。

    そして、その解釈は、時代や国などの環境によって変わる。

    では、何が正しくて、何が悪いのか。
    その評価は、時代が変わっていくことでしかわからない。

    大事なことは、現在から過去を見て
    間違っていたという評価をされるものに
    真摯に向き合うこと、関心を持つこと。

    無関心でいることが、何よりの罪だと最近思うのだ。

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