ミュージシャンM.I.A.が絵を描いていた頃に個展を開いた際、彼女の作品をすべて購入したのはジュード・ロウだった。
本作は前作『パリ恋人たちの2日間』の続編である。個人的にクリス・ロックは気になるコメディアン(ヒップホップ愛好家でもある)だったし『ビフォア・サンライズ』のジュリー・デルピー監督・脚本・主演作ということでわざわざ前作から観た。
主人公マリオンが売った魂を5000ドルで購入したのは「俳優・監督・詩人・ファッションモデル・バイクレーサー・レジェンドの」ヴィンセント・ギャロだった(自分の肩書きとしてレジェンドを名乗るなんてすごい)。「魂が存在するという考えはばかげているが、魂を売るというアイデアはそこまでばかげていない」という言い分には唸らされた。マリオンとギャロが魂をめぐって揉み合いになって最後には食べるまでして魂を返したくなかったギャロ。『バッファロー'66』のラストのように、偏屈でどこかかわいい。
ところで、前作でローズが露出狂だなんて設定あったかな。『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』で突然マーティーが「チキン」と言われて怒る設定が登場したときのように「え、そんなんあったかな」と思ったが、まあこれは些細なことだし、ちょっと嬉しいハプニングもあったりで設定としては無駄ではない。