雀蜂 (角川ホラー文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • Kindle Unlimitedで読了。

    貴志祐介さんの小説は、どの作品も説明描写が細かい。私は貴志さんの蘊蓄語り、大好きである。

    そして、この小説、なんかクスッと笑ってしまう場面が多い。ホラーなんだけどコメディタッチのホラー。蜂とバトルを繰り広げる主人公の行動がなんとなく可笑しい。

    最後もギャグマンガなどを思わせるような終わり方で、評価が割れてしまうのは頷けるかも。私はすごく楽しめた。

    雀蜂と胡蜂。この表記の違いは、分身(ダブル)を表すものなのかな?

    ちなみに、私の住む田舎のほうではカンバチという呼び名の蜂がいる。スズメバチの方言だと思うけど、よくわからない。
    小学生の頃に頭を3カ所も刺されているから私も気をつけないと。とにかくものすごく痛かったのは覚えている。
    蜂に刺されて九死に一生を得た人の話も聞いたことがある。その人は、心臓のあたりが黒くなってきていて、もうダメだなと思われたのだとか。

    数年前の猛暑の年に、我が家の軒下と山のポンプ小屋にカンバチが巣をかけていたことがあった。両方とも、夜になってからハチジェットを巣にたっぷりと噴射。自分は蜂に襲われないところで様子見。巣から一斉にハチが出てきて狂ったように飛び回ったあと、地面に落下していった。
    それほど巣が大きくならないうちだっから自分で駆除できたけど、慣れない人、巨大な巣、危険な蜂は業者に頼んでね。
    ちなみに猛暑だと、蚊は少ないらしい。

    そんな昔のことを思い返しながら読了しました。

  • 根本的に、ホラーとして考えずに若干コメディ色のある物語として読んでいた。
    というのも、スズメバチ・ハンドブックやハイパースズメバチブラストといった名前に思わず笑ってしまい、人間対昆虫のバトルという要素の認識で読んでいってしまったためだ。
    最終局面で、そんな感じ・・・?とはなったが、割と面白く読めた。悪の教典の人ということでおどおどしながら入ったが、読んでみてよかった。

  • とても読みやすく、一気に読み。
    雀蜂との攻防は臨場感があり、最後の真相も斬新で、貴志さんらしい作品だと思う。
    ほとんど1人の登場人物主観で描かれているので、他の登場人物が少しぼやっとしている。
    むしろ、それがこの作品の醍醐味ともいえるのか?

    そんなのあり?とちょっと思ったけどあ、これはこれでいい終わり方かと。

  • も~、気持ち悪さMAX!このしつこさが貴志裕介だと改めて。いや、つまり、好きなんです。
    今のところ、文庫本になっているのは読破しているハズ。もうね、夫や子供にも貴志裕介はおすすめ♪と教えているんだけど、私のいつも言う言葉が、「気持ち悪さMAX、尽き出てる!すごいよ。」とおすすめしてますわ。

  • 予想に反して小気味の良いコメディだった等とはよくある事。
    しかしまさか貴志祐介の、しかもホラーに同じ裏切りがあるとは誰が想像したでしょう!
    悔しい…けど面白い。
    誤解の無い様に言いますと本作は純粋にホラーです。
    が、敵は表題の通り雀蜂。言ってしまえば大の大人が昆虫に立ち向かっていく姿など、本人が真剣であればあるほど滑稽に見えてしまうのは仕方の無い事なのでしょう。
    恐らく作者もそれを承知の上で、敢えてそこに焦点を当てる事で読者と雀蜂を正対させる道を拓いたのではないでしょうか。
    にしても笑いと緊張感で変になりそうです。

著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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