マルドゥック・ヴェロシティ3 新装版 [Kindle]

著者 :
  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • 激化する戦闘の中で敵味方共に死亡していく。仲間の裏切りや強敵との闘いが繰り広げられる。その一方で、法律・制度面でも組織としての存続性が危ぶまれるような事態を迎える。放浪する主人公が都市そのものに抹殺されそうになるような描写。ほとんどの関係者の犠牲を経て宿敵との決着をつけ、ベロシティ時代の物語は終焉を迎える。前作で死亡している主人公のその後が描かれ、さらに次の物語へと繋がっていく。

  • 物語がスクランブルへ加速していくにつれ,死にゆく09の仲間たちへの淋しさが募っていく.それは読む前から分かっていたことだけど,一人また一人と消えていく過程を追うのは追うのは胸の痛む思いがする.

    ボイルドは,09法のため,ひいてはウフコックのために尽くした.この物語のなかには,ボイルドがウフコックの味方で在り続けたという救いがあった.
    「虚無と良心の訣別の物語」
    これは,ボイルドという虚無と,ウフコックという良心の関係を物語っていたのかと思い知らされる.

    本書を読んで,スクランブルの印象が大きく変わる.同時に,ボイルドがバロットへ託した言葉の重みが増す.
    良心は,より良い使い手に託されたのだという思いが,スクランブル・ヴェロシティを読み通しての救いであり,ボイルドの本懐なのかもしれない.

  • そう言うことかぁ、と感じつつスクランブルを読み返す3回目…

著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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