- Amazon.co.jp ・電子書籍 (353ページ)
感想・レビュー・書評
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SF短編集。1作目は音楽、表題作は言語によらない記号による伝達手段が主題。
どちらも、小説という言葉による表現では難しいテーマだと思えるのだけど、実際に目に・耳にする以上ではないかというイメージが渦巻く。
イメージを言葉で解体して、読者の頭の中に再構築する文章力がすごい。
著者はもっと世界に知られていい作家だと思う。
「零號琴」も音楽が主題とのことだから期待できそう。読まねば。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
美しい世界観、飛作品、好きです。
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短編集。
「呪界のほとり」続きが読みたい。
「象られた力」再読したがやっぱり面白い。魅力的な世界が綻びからわやになる。作者のお家芸の一作目。 -
4つのそれぞれ独立した短編からなる
一つ目の「デュオ」はSF的なアイデアを見事な形で小説に落とし込んでいると思う
素材が最も活きる形の料理を味わうようななんとも言えない感じがある
五感を刺激するスキのない構成は若い作者の天才のなせる業と思う
「夜と泥の」は拡張感覚というのを見事な文章で表現しつつ、SF的幻想の世界に連れて行ってくれる
「象られた力」はアイデアは面白いと思うけど、今読むとちょっとカルト的かなとも思う
主人公にいまいち感情移入できかなったためかもしれないけど
なんとなく新世界よりを思い出す
メインの話ではないけど、人類の希釈化とか星間交流の困難さからくる没交渉性とかの問題は面白い提起と思うしここを扱った作品を見てみたい気がした -
冒頭の『デュオ』がとにかく圧巻。
幻想的だけどぞっとする話だった。視覚に訴えてくるクラシック音楽の描写がすごい。
同じ宇宙を舞台にした『夜と泥の』と『象られた力』の2編も滅びの美学が漂っていてよかった。