象られた力 [Kindle]

著者 :
  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • SF短編集。1作目は音楽、表題作は言語によらない記号による伝達手段が主題。
    どちらも、小説という言葉による表現では難しいテーマだと思えるのだけど、実際に目に・耳にする以上ではないかというイメージが渦巻く。
    イメージを言葉で解体して、読者の頭の中に再構築する文章力がすごい。
    著者はもっと世界に知られていい作家だと思う。
    「零號琴」も音楽が主題とのことだから期待できそう。読まねば。

  • 美しい世界観、飛作品、好きです。

  • 短編集。
    「呪界のほとり」続きが読みたい。
    「象られた力」再読したがやっぱり面白い。魅力的な世界が綻びからわやになる。作者のお家芸の一作目。

  • 4つのそれぞれ独立した短編からなる
    一つ目の「デュオ」はSF的なアイデアを見事な形で小説に落とし込んでいると思う
    素材が最も活きる形の料理を味わうようななんとも言えない感じがある
    五感を刺激するスキのない構成は若い作者の天才のなせる業と思う
    「夜と泥の」は拡張感覚というのを見事な文章で表現しつつ、SF的幻想の世界に連れて行ってくれる
    「象られた力」はアイデアは面白いと思うけど、今読むとちょっとカルト的かなとも思う
    主人公にいまいち感情移入できかなったためかもしれないけど
    なんとなく新世界よりを思い出す

    メインの話ではないけど、人類の希釈化とか星間交流の困難さからくる没交渉性とかの問題は面白い提起と思うしここを扱った作品を見てみたい気がした

  • 中編が4つ。廃園の天使シリーズとは毛色の異なる作品も多い。
    しかし、どの作品も目の前に情景が浮かぶような描写で、読ませる力はどの作品でも高いと感じられた。

    「デュオ」
    音楽に関する描写が凄い。
    SF以外にこんな話もかけたのか、と唸るような作品。
    最終的にはホラーになるのかな?

    「呪界のほとり」
    「飛浩隆=エログロで陰湿なSF」というイメージと全く正反対なバディものスペースオペラ冒険譚、といった感じか。
    痛快な内容で軽く読めた。

    「夜と泥の」
    まず、舞台となる惑星の文化の描写が素晴らしい。中華っぽい雑多な雰囲気が読んでて目に浮かぶ。
    はじめはただ、森で生物観察をする話かと思ったが、中盤から完全にSFに切り替わる。

    「象られた力」
    これは飛浩隆の十八番とも言える、純粋なSF。「言葉・記号」といったテーマで書かれているように感じた。
    "いろんな物を取り込んだ球体"はグラン・ヴァカンスにも出てきただけど、これは作者が好きなモチーフなのかな?

  • 冒頭の『デュオ』がとにかく圧巻。
    幻想的だけどぞっとする話だった。視覚に訴えてくるクラシック音楽の描写がすごい。

    同じ宇宙を舞台にした『夜と泥の』と『象られた力』の2編も滅びの美学が漂っていてよかった。

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著者プロフィール

1960年島根県生まれ。島根大学卒。第1回三省堂SFストーリーコンテスト入選。『象られた力』で第26回日本SF大賞、『自生の夢』で第38回同賞を受賞。著書に『グラン・ヴァカンス』『ラギッド・ガール』。

「2019年 『自生の夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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