ラギッド・ガール 廃園の天使Ⅱ [Kindle]

著者 :
  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • イメージをどんどん膨らませる著者独特の言葉の選び方は本書でも遺憾なく発揮されている。センス・オブ・ワンダーの塊のような作品。

  • マトリックスな世界を描いた作品。短編集で、それぞれの世界は共通の背景を持つ。とても興味深いAIへのアプローチが印象的。上手く言えないけど、新しいアプローチだと思った。ピカソの抽象画みたいな。

  • 飛浩隆が好きです。

  • 「夏の硝視体」★★★
    「ラギッド・ガール」★★★
    「クローゼット」★★★
    「魔述師」★★★
    「蜘蛛の王」★★★

  • 夏の区界はどうして生まれたのか、「大途絶」は何故起こったのか。
    バーチャル世界の外、開発者側のことが語られる今巻。

    「科学的根拠を伴った悪霊」とでも言うべき『クローゼット』のアンナ・カスキの挙動は、ただただ恐ろしい。
    簡単に逃げられない論理的な理由があるぶん、下手なホラーより怖い。

    『魔述師』のラストが、頭にこびりついて離れない。
    いちばん晴れやかで綺麗な瞬間に起こる大途絶、という残酷さ……。

  • ラギッド・ガール 廃園の天使?

  • 廃園の天使シリーズの2作目。
    グラン・ヴァカンスの舞台であった”夏の区界”以外の”数値海岸”内の区界におけるエピソードや、数値海岸の外である現実世界でのエピソードが語られている。
    どのようにして数値海岸が出来上がったのか、なぜ夏の区界のAIの深層心理には苦痛が刻まれていたのか等のバックグラウンドが語られる。
    また、グラン・ヴァカンスでは完全に悪役として描かれたランゴーニの誕生秘話的なエピソードも描かれている。数値海岸というシステムを使えば、どんな設定の世界でも描写することが可能で、無限にお話を作っていけるのではないかと思うくらいに各区界はそれぞれに個性的で魅力的に感じられた。
    各区界それぞれで全く違う物語を描ける飛浩隆の筆力は圧倒的だと感心した。

    できることなら、もう少しシリーズの刊行スピードが早ければ良いんだが…

  • 短編集です。
    前作の続き……というか、時間軸的には続きではないのですが、
    「夏の区界」以外の仮想空間のお話や、現実世界のお話が語られて、
    「数値海岸」がどうして出来たのかとか、「大途絶」とはなんだったのか、などなど、
    前作で謎として提示されていたものが、解明したりします。
    「ランゴーニ」の正体(?)とかね。
    でも、まだまだ謎はすべて解かれていないので、
    次作が待ち遠しい限りです。はい。

    前作同様に、作者の美学というか美意識的なものが如何なく発揮されておりました。
    グロいんだけど、なんか目が離せなくなる……という。
    他の作品も読んでみたいです。

  • 前作「グラン・ヴァカンス」は仮想リゾートとそこで暮らすAIたちが主人公だったけど、今回はその世界の外側にある現実が舞台の短編集。
    色々な謎が解けて「廃園の天使」ワールドの密度がますます上がる。

    詩的な風景描写、抑制された感情、SFらしい理知的なストーリー。
    その合間に挟まれる、目を背けずに見つめていたくなるような残酷なシーン。
    飛浩隆の本のバランスは癖になる。

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著者プロフィール

1960年島根県生まれ。島根大学卒。第1回三省堂SFストーリーコンテスト入選。『象られた力』で第26回日本SF大賞、『自生の夢』で第38回同賞を受賞。著書に『グラン・ヴァカンス』『ラギッド・ガール』。

「2019年 『自生の夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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