図書館の神様 (ちくま文庫) [Kindle]

著者 :
  • 筑摩書房
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感想・レビュー・書評

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  • 「夜明けのすべて」を読んだあとだったからか、よい人ばかりが出てくるわけではないのかと思ってしまった。

    それぞれの心の痛みとの向き合い方が描かれていた。深い関係でない第三者に話す方がよいときってあると思った。

  • 不倫をしている女性教師が、垣内君と文芸部の活動を通して成長していく物語。不倫相手の浅見さんが嫌い。文学がきっかけで、主人公の目が覚めてくれて良かったと思う。それと、主人公の弟の拓実の思いやりに救われた。夏目漱石の『夢十夜』は今度読んでみたい。

  • タイトルには図書「館」とあるのですが、本文中の表現では図書「室」とあります。

    それに、神様って一体誰のことなのかなと不思議に思いました。

    読後感が清々しい、良書だと思いました!

  • 遠い昔には読んだ本なのですが、こんなバチバチに不倫してたっけと思うなど。笑
    基本的にはほのぼのしています。

    ドラえもんの主人公は果たして誰なのか、確かに難しい気がします。

  • 瀬尾まいこさんの作品ということで読んでみました。有名な文学作品が出てきて、YAに良いのでは?と思ったけれど、主人公が不倫しているので無理かなぁ。この主人公はきっと美人なんだろうなぁ、と思いました。あと、川端の短編は意外と面白いな!と思った高校時代を思い出しました。

  • 高校で非常勤講師として働く22歳の先生が、達観した文学好きの男子高校生垣内くんのみ所属する文芸部の顧問を勤める。

    主人公は不倫をしているけれど、本人も大学生の弟もさっぱりしていて、設定にしては全然ギトギトしていなく軽やかな文章だった。

    目的なく校庭を走り回ること、冬の図書館でサイダーを飲むワルいことをしたこと、卒業前の発表で垣内くんが原稿を畳みスピーチしたことがとても青春で読後が爽やかだった。

    詩集みたいな文章なのでサクッと読めて時間がない人にもおすすめ。

  • 読み始めは全く主人公が好きになれなくて、「どうしよう…」ってなりました。一人の学生に出会って、文学に触れてから、少しずつ変わっていく姿は良かったです。それでも、中盤以降も好きになれなかった(笑)
    読み終わって思うは、不倫はダメ。気安い関係とか楽だと思うけど、不義理はどうしても許せない。多分、そこが主人公を好きになれない要因なのかなって思います。相手の男性も個人的に「こいつ、最低なやつだ。」ってずっと登場してから出てくるたびに読みながらイライラしてました。
    最後のおまけのようなショートストーリーも最初流れを掴むのは大変でしたけど、思いのほかすっきりできます!

  • しみじみいい本。
    清も垣内君も本当は深く傷ついているのに、作者の傷の扱い方が大袈裟でなくていい。傷が静かにそこにあって、少しずつ癒されていくという感じがよかった。
    世界との繋がり方、正しいとは何か、本の素晴らしさ等テーマがとても深い。青春ぽいけれど、ただの青春小説ではない。垣内君が素敵。

  • 小学生、中学生、高校生みんな読んで。活字が苦手でもきっと読める。
    私たちは、タイムマシーンも持っていないし、ドラえもんの友達もいない。でも、その本を開いただけで、平安時代にも行けるし、江戸時代を歩くこともできる。パスポートを持っていなくても、見たこともない文化に触れることもできる。
    こんな簡単に自分の世界を広げられる読書の世界に飛び込んでみて!

  • 対象年齢低そうな割にまあまあ露骨な不倫の描写がありますが、正論で生きていく事に疲れた人が読むといろいろ共感出来るのかも?あと、かなりサクッと読める本なので、「文学とかよく分からん」みたいな人が暇つぶしに読んでみるとちょっと文学に興味が湧いてくるかも??

  • 垣内くんの言葉がどれもよかった

  • さっぱりとした文章でちょっと重たい話もさらっと読めた。
    中学受験注目の作家とのことだが、内容は小学生にはやや早い。

  • 終始、不倫の話だと嫌だなぁと思ったが、そうではなくそれぞれの心模様が面白かった。山本周五郎の「さぶ」を読みたくなった。

  • 清は高校の国語講師をしている。部員が一人しかいない文芸部の顧問に就任した。と言っても希望した訳ではない。国語科の教師だからということのようだ。文学など読んだことの無い教師が顧問だ。部員は垣内君一人。スポーツ向きの体をした垣内君だが、なぜか文芸部に所属する。そして毎日図書館で部活動をする。部活動といってもいつもひとりで本を読むのだが。清は顧問であるので、一応垣内君の側に座る。そしてこの高校での一年が始まった。

  • 文体や全体としての雰囲気は爽やかで読後感もすっきりする。
    ただ、子供が産まれるというときに不倫しているのが、ちょっとこのタイトルから想像していなかった要素だったので、うーーん。

    真面目で視野が狭すぎな厳しい人物だった昔の主人公との対比のためか、あえて鼻につくような言動がある。一方、垣内くんはとても魅力的なキャラクターで、そう、魅力的に描きすぎてちょっと出来すぎというか……だからこそ図書館の神様なんだけど。
    垣内くんが妙に大人びているだけだったら引っかからないんですけど、不倫相手に垣内くん、それに弟、あと熱血教師もそうで、主人公の成長にとって都合にいい男ばかりで。不倫相手は昔の主人公のダメだったところと似通った欠点を態々もっていたために、主人公とのふれあいや他の要素で何か心境の変化があるかと期待していたら何もなく。
    内面の変化の描写がほぼ主人公しかなかったのが少々残念。もっと多重的に成長が描かれると思っていた。
    ただ、主人公はふとこぼす、これは家庭で食べる味、一緒に生活している人がつくれない料理、など、物事の核をつくようなセリフも多々で面白かったです。
    最後の手紙のシーンはじんわりきました。

  • 垣内君がとにかくえらい。拓実君もえらい。

  • 読んでいてバレー部での青春時代を思い出した。読んでいて『夢十夜』をもう一度よみたくなって読んだ。

    「失敗が少なくて、手が込んで見えればいいのだ」。これは女性が男性に作る料理の真髄(コツ)。

    「サンドイッチなんていうものは朝食にしか食べないものだと思っていた」ところが、不倫相手は奥さんと夕食にサンドイッチを食うらしいことに驚く様子もいい。

    海のない町に育った主人公の姉と弟だが、弟は姉の住む町で知らない人の漁船に乗せてもらう。「知らない人の舟になんか乗るんじゃない」という姉に「知らない人の車に乗っちゃダメだっていうのは聞いたことあるけど、舟は知らなかった」。

    不倫相手と喧嘩するきっかけは漱石の『夢十夜』。そのことを弟に話すと「もっと詳しく」と言われる。「実は」と不倫相手のことを話そうとすると「そうじゃなくて漱石のことだよ!」と主張する弟。

    最後の「出会いと別れ」や「青年の主張」はずいぶんとむず痒くなる内容だったけれど、全編を紡ぐ言葉を楽しむことのできる小説だった。

  • 初めての瀬尾まいこ。
    初めてのkindle読み。軽く読めるものには向いていると思う、電子版。
    すいっと読めて、主人公が解放されて行くことにホッとする。
    知っている人の書く文章は心に沁みるというところにハッとし、納得。

    二話目のも面白かったよ。
    また読めそうだ、瀬尾まいこ。

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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