どんな本でも大量に読める「速読」の本 【電子書籍版 特典付】 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • いつも思うのですが、「速読」の定義があいまいだと思います。
    一般の人は、速読に憧れもあり、通常の読み方の数十倍の速さで読めて、内容も理解できることと思っているはずです。
    つまり、一回読んで内容も記憶できるというスーパー速読を期待しております。
    実際は、一回読んで記憶できる人なんていないので、速読法と記憶法を分ける必要があり、とある大御所先生もそうおっしゃっています。
    なので、いわゆる一般人が期待する「速読」を分解すると
    ・通常の数十倍速く読める
    ・内容を理解できる
    ・内容を記憶できる(これは速読法ではなく記憶法に分類すべきかも)
    になると思います。
    私は、これが全てできることを「速読」と呼びたいのですが、そんな先生はまずいません。
    しかし、「速読」ができると本を書いている自称「先生」は不思議とたくさんいます。
    しかも、笑っちゃうことに、速読の本を書いているくせに、上記のことをデキる人はF1レーサーなので普通のドライバーの人は諦めましょうとか、自分ができないのを露呈しているくせに、なぜか「速読」の本を書いています。

    この先生は、ネットでの対談を見たことがあるのですが、人柄もよく、一般人が本を吸収するにはどうするかを述べており、良心的だと思います。
    が、私の定義する「速読」ではありません。
    この先生が提唱するのは、「速く、繰り返し読め」と言うことです。
    つまり、「速読法」ではなく、「学習法」について述べているのです。

    学習法としては、私も大賛成で、凡人はこうするしかありませんし、東大に入った人も、同じ本を7回読みましょうなどという本を書いています。(ま、この著者も東大卒ですが・・・)

    簡単に言うと、自分の中にストック(知識)がなければ、速く読めないし理解もできないということです。

    でもですね、資格を取りたいという人などを除外すると、一般人が期待する「速読法」とは、何枚もある企画書や、新聞記事とか、すでに知識がある内容のものだけど、量が多いので速く読みたいということだと思うんです。

    で、この本は「速読法」ではなく、「学習法」なので、上記を期待していると、それに関しては何も書いていないので裏切られます。

    ということで、分からないところを飛ばして読むことができないので成績が悪いことに気が付かない、まじめな学生さんなどにおすすめできる本だと思います。

  • 速読力=速読技術×(知識・情報・経験などの)ストック

    「速読技術」:音にしないで見る+わかろうとしないで見る

    齋藤孝・明治大教授「読書は『知能指数』でするものではない。むしろ、本を読んだ蓄積でするものだ」『読書力』

    速読法の祖・韓国のパク・ファーヨップ『速読の科学』

    「高速大量回転法」:
    コロンブスの卵のような発想の転換→「繰り返し読む」同じ本を繰り返し読んで、その本に関するストックを蓄えながら、そのストックを使って速読する。

    「速読の複利効果」
    アインシュタイン、複利について「宇宙でもっとも強力な力」
    豊臣秀吉とその家臣の曾呂利新左衛門の逸話。

    ①速く読むからストックが蓄えられる
    ②ストックが蓄えられるからさらに速く読める
    ③速く読むからストックが蓄えられる

    「高速大量回転法」の具体的なメソッド
    ①目次、まえがき、あとがきなど、本の内容が要約された情報に範囲を絞って読む
    ②見出し、キーワードなどに対象を絞って拾い読み、飛ばし読みをする

    <原則>
    ①速く読むから理解できる
    ②1回目よりも2回目のほうが速く読める
    Cf. 擬似速読訓練
    →「高速」と「大量回転」の相乗効果

    「高速大量回転法」で、最初に目次やまえがき・あとがきに絞って読んだり、わからなくても本文を「高速」で読むというのは、適当な読み方のようで、全体構造を把握し「木ばかりではなく森を見る」という効果があります。

    筆者の公開実験、一ヶ月でCFP(上級ファイナンシャルプランナー)に合格。

    【30分で本を速読するメソッド】
    ①最初の2~3分で目次を5~10回転
    ②まえがき・あとがきを5~6分で10回転(この時点で本の要約ができる)
    ③本文は見出しの拾い読みから5~6分で3回転
    ④残りの15分で自分の気になった言葉・箇所を中心に回転読みする

    ノンフィクション作家佐野眞一「本当にいい本には、実は解答はありません。そのかわり、読者を考えこませます。本に解答はない。思い切った言い方をすれば、そうなります。解答がない本が一番いい本です。設問がたくさんある、問題が山ほど詰まっている、これはどうだろう、あれはどうだろうと思わせてくれる本が、実は一番いい本です」『だれが「本」を殺すのか 延長線』

    読書とは知識や情報の「ダウンロード」ではない。
    本に書かれた内容はそのまま脳にダウンロードされるのではなく、読み手が持つストックと反応します。

    東大で脳の研究をする池谷裕二博士によれば、脳科学の知見からいえるのは「記憶とは『失敗』と『繰り返し』によって形成され強化されるもの」『記憶力を強くする』

    「新しい情報を得るという意味では役に立たないかもしれないが、情報を見る眼の構造を変え、情報の受け取り方、何がそもそも有益な情報か、有益なるものの考え方、求め方を―生き方も含めて―変える。変えるといって悪ければ新しくする。新奇な情報は得られなくても、古くから知っていたはずのことがにわかに新鮮な風景として身を囲み、せまってくる、というような『読み』があるわけです」『読書と社会科学』

    「若い女性と老婆」のだまし絵。
    https://twitter.com/_ryh/status/410716087643156480
    これを読書に置き換えると...
    ①プリプロセッシング(事前処理)として『老婆』の姿を見つける
    ②『若い女性』の姿を見つける。
    ③『老婆』と『若い女性』の図柄をともに意識しつつ読む
    『ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方』

    《ブログ》
    だれでもできる! 速読勉強術 - Ameba
    http://ameblo.jp/kosoku-tairyokaiten-ho/

著者プロフィール

宇都出雅巳(うつで・まさみ)

速読×記憶術の専門家。トレスペクト教育研究所代表。

1967年生まれ。東京大学経済学部卒。出版社、コンサルティング会社勤務後、ニューヨーク大学に留学(MBA)。外資系銀行を経て、2002年に独立し、トレスペクト経営教育研究所(現・トレスペクト教育研究所)を設立。35年以上にわたり、記憶術と速読を実践研究し、脳科学や心理学、認知科学の知見も積極的に取り入れた独自の勉強法を確立。その勉強法を使って自らも資格試験に継続してチャレンジしている。TOEIC990点を獲得したほか、難関とされるCFP試験に一発合格。2021年には公認会計士試験にも合格した。そのほか、受験生・ビジネスマン向けの講座・個別指導、企業研修や予備校講師の指導も行う。NHK・Eテレなどメディア出演も多数。現在は監査法人に勤務。

「2022年 『2倍速で読めて、忘れない 速読日本史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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