文學界(2024年1月号)(創作 又吉直樹 / 村田沙耶香 対談 金原ひとみ×渡辺ペコ )
- 文藝春秋 (2023年12月7日発売)
- Amazon.co.jp ・雑誌 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 4910077070140
感想・レビュー・書評
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さすが新年1月号だけに、くやしいぐらい次号をじんわり楽しみにさせる又吉氏の連載あり、おなじみの金原ひとみ氏の連載もなんだか来るべきとこまできたって感じだし、DJ松永も復活…の中で、ロシア文学の教室だけが終わってしまったぁ。書籍版刊行を待つ。
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2024.2.26市立図書館
表紙一新。目当ては奈倉有里の連載「ロシア文学の教室(最終回)」と四方田犬彦の連載「零落の賦(第4回)」。
「ロシア文学の教室(最終回)」はレフ・トルストイ『復活』で春学期の授業もしめくくりという体裁、日頃の私のもやもやにこたえてくれるような講義内容だった。遠からず本になってからもう一度読み直すのがたのしみ。その前に、この連載でとりあげられてきた課題図書を何冊かでも読んでおいたほうがいいかな。
「零落の賦(第4回)」はプルースト「失われた時を求めて」の登場人物シャルリュスについて。プルーストの大作は敬遠していて読んだことなかったのだけど、シャルリュスを軸にしたあらすじをみるに、これを読めばすごく解像度が上がる世界があちこちに転がっているような気がした。導入部のラオスの王室の話もはじめて知ることばかりですごく興味深かった。来月も続く。
村田沙耶香の創作短編「無害ないきもの」(ドイツの文芸誌「Delf Magazin」の依頼で、「meat/fresh」をテーマにかかれたもの)、いろいろ考えながら読めてとてもおもしろかった。
金原ひとみ✕渡辺ペコの対談「正しさが移ろう時代を描く」もよかった。そう、ほんとにそう。
その勢いで金原ひとみの連載「YABUNONAKA」読んでみたらすごくおもしろいのだけど、すでに第15回。これは遠からず本になってからゆっくり読んだほうがよさそう。
円城塔の連載が終わり、次に楽しみにしていた奈倉有里の連載も終わってしまったが、四方田犬彦の他に、新連載の東畑開人「贅沢な悩み」と石田月美✕頭木弘樹✕畑中麻紀✕横道誠「ビブリオ・オープンダイアローグ」も興味深く読めたので、来月以降も引き続き借りよう。 -
又吉直樹さん『生きとるわ』
村田沙耶香さん『無害ないきもの』
金原ひとみさん『YABUNONAKA』
が特に印象に残り、面白かったです。 -
この手の本を初めて読んでみました。 大人の娯楽というか、週刊マンガを読んでいたようにさまざまな作家の言葉に触れることができるのは、新聞のように自分の知らない世界に触れることができる機会ですね。
とっつきにくい内容も多々ありますが、楽しみが増えました。
今回は又吉さん、村田さんの小説は楽しかった。
ジャニーズ問題は言葉にならないです。 -
ボラード病
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創作
ボラード病 吉村萬壱
八色の復讐 高樹のぶ子 ※未読
コネティカットの分譲霊園 井上荒野 ※未読
飛ぶ孔雀II 山尾悠子 ※未読
化野 藤沢周
花喰い 篠原勝之 ※未読
遥かなる大地ガーナから 中原昌也
連載小説
水声 第十一回 川上弘美 ※未読
離陸 第十九回 絲山秋子 ※未読
ニッポンの小説・第三部 第二十一回 高橋源一郎 ※未読
エセー
サイン 西村賢太
聖夜の星 岩城けい
「あ」 竹内政明
食べ物の虚実 畑中三応子
特集 回帰する柳田国男
【対談】先祖・遊動性・ラジオの話 柄谷行人 いとうせいこう
【評論】列島論──国家に抗する遊動社会 安藤礼二 ※未読
プルーストから三島へ──フランス作家の視点 エリック・ファイユ 吉川一義 訳
問いはどこにあるのか──長嶋有『問いのない答え』をめぐって 米光一成
著者インタビュー〈拡大版〉 長嶋有『問いのない答え』
みんな彗星を見ていた 第十二回 星野博美 ※未読
目めくり忘備録 第二十九回 鬼海弘雄 ※未読
連載評論
生きる哲学 第七回 感じる──神谷美恵子と天来の使者 若松英輔 ※未読
文學界図書室
大江健三郎『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』(加藤典洋)
田中慎弥『燃える家』(越川芳明)
井上荒野『ほろびぬ姫』(トミヤマユキコ)
藤野可織『おはなしして子ちゃん』(栗原裕一郎)
千葉雅也『動きすぎてはいけない──ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』(檜垣立哉)
コラム
も詩も詩 穂村弘
カーヴの隅の本棚 鴻巣友季子
ニッポンの名文 山口文憲
鳥の眼・虫の眼 相馬悠々
新人小説月評 清水良典 田中弥生
Author’s Eyes 私たちの映画と冒険 井口奈己
日本全国文学ガイド(12月7日~1月6日)
文學界新人賞応募規定
執筆者紹介
Animated Image 山村浩二
詩〈ウソツキ山にのぼったら――虚実論のために――〉 天沢退二郎