少年H DVD(2枚組)

監督 : 降旗康男 
出演 : 水谷豊  伊藤 蘭  吉岡竜輝  花田優里音  小栗 旬  早乙女太一  原田泰造  佐々木蔵之介  國村 隼  岸部一徳 
  • 東宝
3.53
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本棚登録 : 253
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104082954

感想・レビュー・書評

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  • 原作をむかーし(高校生だったかな?)読んで、これは手元に持っておきたい、また読みたいと思った。映画を観てもその感覚になった。

    戦争やそれを奨励する大人への、違和感、理不尽さを、少年目線でよくあぶり出している。
    この映画ではさらに、その真実を見つめる目を育てた父親の息子への話もすばらしい。事あるごとに、大事なことは何か、真実を話してくれる。

    終戦直後に叫ぶ、「この戦争は一体なんやったんや!」が頭に残っている。
    結局たくさんの人の命や平穏な生活を奪い尽くしただけで、何にも得たものなんてないやないか、と(言っているような気がした)。
    それから、大人のことを「わかめ」と言ったのも。たくさんのわかめが潮の流れに乗って右へ左へゆらゆら揺れる、これと同じだと。確かに、数日前までピッチャーを投手と呼ばされてたのに、急にアメリカかっこいいになったら、信念持てよ!って怒るのもわかる。

    漂っていた不穏な空気からじわじわと、戦争が日常に入ってくるところ。今の情勢と似ているような気がして本当に怖い。本当の情報を知らされないままずるずると戦争は進み、戻れないところまできて、「ここに爆撃機なんか来るわけない」って思っていた日常に爆撃機が本当に来てしまう。
    新聞に戦争体験者が「今は戦前の感じによく似ている」と投稿していたのを思い出した。
    今、観る価値のある映画。

  • 昨夜のTVロードショーにて。

    「勝ち」と「負け」にばかり拘って、
    人の命が軽視されていた戦争の真っ只中にいても、
    大事なものを見失わず、
    決して離す事のなかった少年Hの存在が
    明るい火の玉の様に思えた。
    その元気な火が最後まで消えなかったのは、
    彼を見守る
    家族の存在があったからこそ、なんだろうなぁ。

  • ロードショーで観ました。
    右京さんファンな私ですが、これも凄くよかったです。

    少年Hの心の葛藤が凄く共感できました。
    彼のお母さんのアメリカかぶれっぷりは痛いところを感じましたが…実家がお寺だからその反動?なんて分析もしちゃいましたが…。

    右京さんの演技は最高でした。
    凛とした態度と物言い。
    こういうお父さんすばらしいなって感じました。
    私の祖父の紳士服の仕立て屋なので、色々とミシンなどの道具がとても懐かしく私の目には映りました。
    とても素敵な空気を持った映画です。

    時代の日常風景の見せ方としては、三丁目の夕日とかああいうのよりも断然いいと思います。

    それにしても右京さんのセリフは名言だらけでした。

  • 映画館での鑑賞を都合で諦め昨夜デレビで観た。
    少年H の年齢設定は私の父親の1歳年下なのが面白い。

    映画を観ながらアメリカ留学経験者である我が祖父と
    キリスト教である我が家をシンクロさせた箇所多々。

    無計画な戦争ほど不幸な話しは無い、戦後”憲兵”の
    豹変には呆れたよ! との親父の言葉を思い出した。

  • これは、また観たい作品。

  • 原作も読んでいたのですが映画もやはり素晴らしい。少年Hとお父さんがものすごくイケメン。15歳の子がこんなに立派なのに30手前にもなってなにやってるんだろう、と反省させられます。。

  • あらすじ: 昭和初期の神戸。洋服仕立て職人の父・盛夫(水谷豊)とキリスト教徒の母・敏子(伊藤蘭)の間に生まれた肇(吉岡竜輝)は、胸にイニシャル「H」が入ったセーターを着ていることからエッチというあだ名が付いていた。好奇心旺盛で曲がったことが嫌いな肇だったが、オペラ音楽について指南してくれた近所の青年が特別高等警察に逮捕されるなど、第2次世界大戦の開戦を機にその生活は暗い影を帯びていく。やがて、彼は盛夫に対するスパイ容疑、学校で行われる軍事教練、妹の疎開といった出来事に直面し……。(シネマトゥディ)

    すごい時代だったなぁと思う。少年の見た戦前・戦後。水谷夫妻の雰囲気がとてもよかったです。子供たちももちろん。原作を読んではいたけど、映画でまた新鮮に考えさせられました。

  • 降旗康男監督 古沢良太脚本
    水谷豊 父親 伊藤蘭 母親。
    夫婦で 夫婦を 演じる。
    二人の間の 柔らかな 理解が じわりと生まれていた。
    それにしても、伊藤蘭が 最初は フケ顔すぎて
    ちょっと驚いていた。

    神戸の 洋服屋 という職業だからこそ
    違った世界観を 持つこともできた 両親。
    その 両親を見ながら 少年H は 育っていく。

    アカであった うどん屋のお兄ちゃんが逮捕される理不尽さ。
    エンパイアステイトビルの 絵はがきで スパイ容疑にされる。
    キリスト教であることで まわりから白い目で見られる。

    理不尽な ことに対して 少年Hは ピュアーな目で
    しっかりと とらえる。
    歴史とは 少年Hの目の中に 深く根ざしていた。
    そのなかで お父さんは 
    きちんとした 見方を持っていた。
    少年Hからみても、凛々しい 父親だった。

    こういうことが,語られることが、
    歴史を つないでいくことになるのだろう。

    敗戦することで 大人たちは 天皇陛下のためにと言っていたが
    民主主義だといいはじめる。
    そして,アメリカ人にこびたりする。
    少年H は いいようのない 怒りに 全身をふるわす。

    こういう 映画が 今の時代には 必要なんですね。
    戦争の持つ 理不尽さを 静かに語る。

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