わかったつもり~読解力がつかない本当の原因~ (光文社新書) [Kindle]

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著者 : 西林克彦
  • 光文社 (2005年9月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍

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わかったつもり~読解力がつかない本当の原因~ (光文社新書)の感想・レビュー・書評

  • 文章を理解できないのは、その文章が「わからない」からではなく「わかったつもり」になっているからという。「わからない」ならわかるための努力が続きうるが、「わかったつもり」になった瞬間そこで追求をやめてしまう。この「わかったつもり」こそが深い読みの敵だと。
    著者は、人が文章を読み理解する仕組みのなかで、とくに「文脈」や「スキーマ」を重視する。文脈がない限り文章は「わからない」ままだが、それと同時に文脈が強力に働きすぎることが「わかったつもり」を誘発してしまう。だから、新たな文脈を意識的に導入することで、「わかったつもり」から脱却する必要がある。
    わかる/わからないのメカニズムから解き明かしているので、単に読み手としての読解だけでなく、理解される文章をいかに書くかという書き手側にも効くと思う。

    本書の守備範囲からは離れるが、先行研究のレビューってのはまさにこの「文脈」の事前準備なんだなと。研究対象に関するこれまでの蓄積を整理し、分析するための道具立てとしての構成概念やフレームワークを得る。適切な「文脈」を理解し、それに適合する「スキーマ」を発動させること、これが先行研究の意義なんじゃないか。
    まあ、どんなにレビューしたところで「わからない」ままなので、「わかったつもり」になる余地はないのだけど。

  • ここで述べられていることが「読解力」なのかは疑問。
    物語やエッセイに対してここまで深読みする必要があるのかは大きな疑問。
    読解力が必要な文章は悪文ではないのか?

  • 自分が何を分かっていないのかを分かるというのが難しい。だから人は容易に誤読する。だからと言ってタイトルだけでコメントするのは許さないが。

    結局のところ、この手の問題を解決するには要約を書いてみるのが一番なのだろう。だから俺は読み終えた後にレビューを書いている。

  • メモ。

    1章
    ---

    * 「わからない」という状態は、文章や文において、その部分間に関連がつかない時に生じる
    * 「わかった」という状態は、部分間に関連がつくと生じる

    私は、「わかろうとする」ことは、なんらかの手段を用いて、その部分間に関連をつけようとすることなのだと思う。そのために大切なのが「文脈」なのではないだろうか。

    2章
    ---

    * 「わからない」という状態は、その文脈の理解に依存する
    * 文脈がわかると、「スキーマ(ある事柄に関するひとまとまりの知識)」を発動させることができる
    * 文脈が異なると、同じ文でも、引き出される意味が異ってしまう。

    「勘違い」や「誤解」という状態は、きっと、文脈の果たす役割によるものだろう。人が違えば文脈も変わるのだから、そこから引き出される意味も変わってくる。解釈の相違とも言えるだろう。

    3章
    ---

    * 「わかったつもり」は、文章の構成によって、読者が惑わされる形で生じることがある
    * 文章全体の雰囲気が、部分を大雑把に読ませ、読み違えさせてしまう
    * 「善きもの」や「無難」といった、読み手の既存のスキーマ

    既存のスキーマは有用であるが、「きっとこうだろう」という思い込みも作りやすいのだろう。ステレオタイプ、固定観念、似たような言い回しがいくつかある。「こうあってほしい」という、願望もあるかもしれない(それもスキーマなのだろうか)。

    4章
    ---

    「わかったつもり」から読みを進展させるときのプロセス。

    1. 「わかったつもり」の状態
    2. 新たな文脈による、部分からの新しい意味の引き出し
    3. 引き出された意味による矛盾・無関連による「わからない」状態
    4. 新たな無矛盾の関連づけによる「よりわかった」状態

    「新たな文脈」は、視点とも呼べそうだ。角度を変えて見ると、別な解釈に至ることもある。それにより、文から新しい意味を見出し、「よりわかった」状態に進展させることができる。

    5章
    ---

    * 整合的だからといって、それが唯一正しい解釈であるとは限らない。
    *解釈が不整合である場合には、破棄されなければならない

    「読み」を深めるには、読み手が「想像・仮定」を構築する必要がある。「わかったつもり」で満足してしまうと、それ以上の意味の引き出しを止めてしまうのではないか。

  • 知識としてはあったものが強化された。文脈の力、スキーマの力など。わかりやすく解説されている。

  • 本書の冒頭でPISA型の読解力低下を問題にしているが、本書で語られる読解力は、PISA型の読解力とは全く別物である。

    本書では、テクストをより「よくわかる」ためには、多様な文脈をテクストに適用して新しい意味を引き出し、整合性の取れている範囲で多様な解釈をすべきとしている。つまり単一のテクストに対して、多様で詳細な解釈ができることを読解力と言っているのである。このスキルって、文学研究者と法律家以外に必要?

    PISA型の読解力=現代社会が要請するような読解力、すなわち本書の読者が本当に必要と感じているスキルを求めるなら、"PISA"、"読解力"をキーにググった方が、よりその要求に近い回答が得られる。具体的には、クリティカル・リーディングだったり、パラグラフ・ライティングだったりのスキルのことで、それらのスキルを伸張することが、PISA型の読解力を向上させる手段なのではないかと考える。

    全体的には、ずっと上記のような違和感を感じながら読んでいたのだが、一番最後の国語の試験問題に対する提言だけは、すごく良かった。受験生の時に、こんな風に考えられたら、「設問がおかしいだろ!」とストレスが溜まらなかったのにと。

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