- Amazon.co.jp ・電子書籍 (204ページ)
感想・レビュー・書評
-
実際に文章題が出て、やってみるので、自分の「わかったつもり」が露呈されて愕然とするのが良い。かと言って現実では誰かが正解を教えてくれるわけでもなく、正解すらないのだから、わかったつもり状態を打開するのは困難だなあ。物語から始めて、文章をゆっくり、意味を捉えるように読めるようになりたい。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
10年以上ぶりに再読。
「わかる」から「よりわかる」上で必要なのは「わかったつもり」を乗り越えることなのです。「わかったつもり」が、そこから先の探索活動を阻害するからです。(P.79)
思うに読んでいる文章が元々自分が持っているスキーマに合致した瞬間に安心して、そうだ、そうなのだと早合点してw「わかったつもり」になってしまう。
著者は大事なのは文章の整合性だという。
数式を解くように、計算した数式を検算するように読むという態度が「わかったつもりを乗り越える」に求められる態度なのかもしれない。 -
小学校の国語の教科書や大学試験の文章を用いて、いかに私たちが『文章』をわかったつもりになっているかについて考察する本でした。
わかったつもりになる主な原因は以下の3つだそうです。
①結果を知っているからこその先回りわかったつもり
②分からないところを勝手に補填して納得してしまうわかったつもり(整合性が妙にあっていたりすると余計勘違いが加速する)
③わかっている、というわかったつもり
一番私が面白かったのは③で、{人は「分からない」と思えばその先もわかろうとする努力をするが、「分からないところは特になかった」という思考が、その考察が浅かろうと間違っていようと、もうわかろうとする努力をさせなくする}という部分にしびびときました。
そしてこれってコミュニケーションにも言えるなあとも思いました。
「ああ、この人早合点してるなあ」「自分の持っていきたいオチに向かって話してるなあ」「なんだか分からないけど、決めつけでしゃべってるなあ」などなど。
・・私も気をつけたいものです・・。 -
「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」同時期に並行で読んだのも良かったと思う。「AI…」は飛ばし読みでわかったつもりになってしまっているが、実は読めていない。
こちらの「わかったつもり」は読んでいるのだが、きちんと読みきれていない。
かなり浅い理解だったり、自分で勝手に解釈を加えてしまい、書かれてもいないことを書いてあった気になってしまう‥というあたり、非常に面白かった。
「わからない」と思っていれば、誤読はないが、「わかったつもり」の恐ろしいのは、誤読をしているという認識が読み手に全くないので、そのまま通過してしまうということ。
この本には、なぜそのような「わかったつもり」が生まれてくるのかという説明と、それをしないようにすればどうすればいいのか?というのが、豊富な文章事例をもとに、とてもわかりやすく丁寧に書かれている本。
最後には、国語教育のあり方の話も出ていて、国語が苦手な人が読むと、なぜ自分は国語が苦手なのかよくわかり目からウロコとなることもありそう。 -
2022/5/23-25読了
-
どれだけ思い込みにとらわれているかに気づかせてくれる本。
-
まずは自身のメタ認知として、わかったつもりになっていることの把握をすることが、読解力をつける上での第一歩になる。また、文章を読む際に文脈を考慮すること、スキーマ(構造化された知識の集合)が働いていることも念頭に文章を読むことが、読解力をつけることにつながる。
-
「わかったつもり」という状態が「読み」を深めるための障害になる。この点については共感できる。
どのような状態のとき、わかったつもりになるのかを熟知しておく必要がある。おそらく一般的にはこうだろうとのきめつけや、以前読んだ本や、聞いた情報に左右されると思われる。また、その人の普段話す内容や聞く内容に左右されるのが大きい。反対に文章を書く際にも、読み手の状況を考えながら書いていく必要がある。 -
いままで読んた本の多くがわかったつもりなのかもしれない。
まず、わかっていないのではないかという前提で読むこと。
文と文での関連性を読み取っていくこと
新たな文と今までの文との矛盾、無関連にきがついて、今までとの関係を見出していくことで、よみを深めていく。
読んだ本をまとめていくといいという言葉がズバッと刺さった。いきなりうまく行かなくても、すこしずつ試してみたいと感じた。 -
かなり期待せずに読み始めた。予想外に、いきなりグイグイ引き込まれる構成。例示が多い、納得感が高い、我が身につまされる。心しよう。
センター入試の国語出題の解き方は、眼から鱗だな(受験テクにはある程度長けている、いた、と思っていたのだが)。