芸術新潮 2014年 01月号 [雑誌]

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  • 新潮社 (2013年12月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910033050148

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芸術新潮 2014年 01月号 [雑誌]の感想・レビュー・書評

  • 古本サイトでバックナンバーを数冊購入。これがダントツに面白かった。繰り返し眺める一冊になりそう。

    「つげ義春が好き」ってちょっと言いにくいような気がする。なんか通ぶってる感じがするっていうか。まあ、そんなことを思っていたのも一昔前のことで、気がつけばもう二十年以上新作は出ず、つげさんはまったく筆を執っていないのだという。作品の一覧を見ると、貸本時代のものを除いてほとんど読んでいるのがわかって、ちょっと驚いた。何度も読んですっかり覚えてるのもある。やっぱり好きなんだな。

    美術史家の山下裕二氏が「日本の美術史上で一番好きな作家がつげ義春」と書いていて、これはいたく新鮮だった。山下氏はつげ漫画を「絵」として見ていて、こんなにうまい人はいないと絶賛している。氏の選んだ原画が大きく掲載されているが(「沼」「海辺の叙景」「李さん一家」「ねじ式」など)、なるほどそう言われてみると、構図など素晴らしく、実に美しい絵なのである。つげ作品というと、「ねじ式」のシュールさや、旅ものなどに流れる独特の孤独感とかに目が向けられがちだと思うが、こういう見方もできるのだなあ。

    東村アキコさんがつげ作品への愛を熱く語っているのも読みごたえがあった。東村さんはまだ三十代で、つげ漫画に書かれるような時代も環境もまったく知らないが、その作品世界にどっぷり入り込んで、空気感まで疑似体験できるのだと言う。そんな風に読めるのはつげ作品だけだと。これはわかる気がする。それと、旅行でヒドイ旅館に当たっちゃった時、それも「つげ感」として自分の中で消化できると言ってるのが、いかにもつげファンらしくて可笑しい。「読んでない人は大変だなと思いますね」だって。あはは。

    わたしは「夢日記」系統の、「わざと下手に書かれた」一連のものはあまり好みではないが、これを読んでまた読み返してみたくなった。



    「ヒエロニムス・ボスの奇想天国」という特集の号も買ったのだけど、内容はさておき、ボス?え~、ボッシュでしょ?という違和感が…。そりゃ正しい発音なのかもしれないが、こういうのって変えないでほしいなあ。コナリーのだってボッシュじゃん。

  • つげ義春の特集。 本来はうまい人なのに、どんどん下手(?)な絵になっていくのがピカソみたいだ。 ピカソは死ぬまでアグレッシブであったと思うが、対してつげは、評価されだすと世の中に背を向ける。それがよい。彼の言葉を読んでいると生き方っていろいろあるんだと思う。対談相手の大学教授(有名らしいが私は知らない)と話がかみ合っていないように思える。教授は知識上の話で、つげさんは観念的な話をしてる。平行線。

  • つげ義春ページしか読んでないが、盛りだくさんでよかった。
    この人が何を思って描いてきたのかが本人によって語られていて、その内容が素敵すぎた。
    現実と非現実って結局表裏一体というか、どっちか、ていうものではないのよね。やけんそれがごちゃ混ぜになっとる作品に惹かれるんかもしれない。

    水木しげるとか手塚治虫とか、漫画家との関わりだけでなく、藤原マキとか、唐十郎とか佐野史郎なんかの絡みもちらっとあって面白かったなあ。

  • つげ義春特集。
    シュルレアリスムとリアリズムを自由に行き来する作家。

    現実も夢を無意味であり、
    意味がないと物事は関連性が失われ、
    すべては脈絡がなくなり断片化し、時間も消え、
    それがまさに夢の世界になる。

    自己否定をすること。
    自然の大きさを感じて自分がどんどんちっぽけになり、
    最後は消えてしまう境地になる。

    自己を忘れ無我になって主観を消すと、
    世界はあるがままに認識できる。
    自分の主観による意味づけを排して
    あるがままの現実に即して描いていたら、
    その作風が個性的だと評価された、とは本人の弁。
    実に不思議なものだ。

  • つげ義春特集なので図書館で借りた。原画が記載されていて、「紅い花」は一冊そのまま原画で読める。原画ではセリフが貼り付けされていて何箇所か訂正されているのもわかる。
    若い時の作品では主人公は普通に描かれているが、年を経るに従って主人公が汚らしく描かれいる。今回、初めて作者の写真を拝見して納得いった。

  • <閲覧スタッフより>
    代表作『ねじ式』や『無能の人』をはじめ、貧しく不穏な世界を開拓した孤高のマンガ家、つげ義春。今年、60周年を記念して編まれた特集号です。

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    所在記号:700||ケイ||芸術
    資料番号:91046461
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  • 原画で紹介された名場面がうれしい。 つげ義春ってこんなに画力のある人だったんだと再認識させられた。 山下裕二氏や東村アキコさんのこんなに大好き自慢も面白かった。 カラー原画で読む「夢」もすごく良いですね。

  • つげ先生目当て。

  • ロシアンアヴァンギャルド動員

  •  希有な漫画家、つげ義春。短編漫画が長編小説を越える域にあるのを実感したのは16歳。この時の感覚は今でも不変だ。これの双璧は「赤い花」だった。美少女サヨコはやっぱり藤圭子だったと今でも思う。どれもすごいが、「ねじ式」は空前絶後だな。

  • つげさん生きててよかった!

  •  『芸術新潮』は時々粋な特集をやるから目が離せない。
     今回は、つげ義春。東村アキコ(漫画家)のオマージュが楽しい。『長八の宿』の最後の場面での台詞の誤植を指摘までしていて、私も思わず書架から取り出して確認してしまう。
     成井昭人(作家)のエッセイも味がある。「つげ義春的」なものについて書いているが、成井氏本人がほとんど「つげ義春的」で、笑えてくる。
     つげ義春の4時間のロングインタビュー(明治学院大学教授の山下裕二氏による)がいい。特に、無意味性をめぐる発言は、あのシュールな作品群がどこから生まれたのかを示唆していて興味深い。
     「どんな芸術でも、最終的に意味を排除するのが目標だと思っているんですよ」
     「リアリズムは現実の事実に理想や幻想や主観など加えず<あるがまま>に直視することで、そこに何か意味を求めるものではないです。(中略)シュルレアリスムの画像が非現実的な夢のような趣きになるのは、現実の無意味性を徹底的に凝視し、それを直截に表現するからなのでしょう」
     「(夢のように)対象化できないとすべては意味もなく現前しているだけになり、その無意味性に直面し感応することによってリアリティが感得されるのではないかと思えるのです」
     つげ氏には、「意味を排除し、シュルレアリスムに徹した、夢の世界のような」マンガをもう一度描いて欲しいと願わずにはいられない。

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