冬のフロスト 下 (創元推理文庫) [Kindle]

  • 東京創元社
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感想・レビュー・書評

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  • 安定の面白さ。
    フロストが使えない部下に窮地に陥れられながらも彼を必死ですくい上げようとしているところがいい。
    フロストも丸くなったものだ。
    なんだかんだ言って捜査熱心だし部下思いだし上に諂わないし、いいやつなんだよな、フロスト。
    下品だけどw

    しかしこれで残り一作か。
    早く読みたいような、ずっと待っていたいような…。

  • 2017/10/13

  • 「冬のフロスト」(R・D・ウイングフィールド:芹澤 恵 訳)を読んだ。たて続けにフロストばかり読んだけど、飽きることがなかった。シリーズを通して沈鬱な事件が多いけど、それを補って余りあるフロストのキャラクターの立ちっぷりである。とりあえず今現在出てるフロストは全部読んでしまった。

  • フロストのきわどいジョークが注目されるが、病院の用務員のうまい切り返しには思わずニヤリとさせられた。その後のフロストの仕返しも非情だが。もっとも秀逸だったのは後半の甘い夜を台無しにされ訴えると息巻く男とのやり取り。フロストが「くそっ」と吐くと、それを受けて「その言葉通りのものに頭から飛び込んじまったのはあんただろ」と返し、立場の逆転の後、今度は男が「このくそ野郎」と毒づくとフロストは「意見の一致をみてよかった。それじゃあ、見送りは結構」と引き取る。こうしたやり取りが大きな魅力なんだよなと改めて思った。

    肝心の捜査過程は、今回も行き当たりばったりで、フロスト自身が「どでかいつき」を待ち望むほど、読者もやきもきさせられっぱなしだった。最後の幼女誘拐事件の決着は、あぁなるほどと膝を叩いた後で、待てよそんなことも調べてなかったのか、トランクといい見逃しが多くないかと疑問も芽生えた。

    明かされないガリデブの犯行動機なんかを勝手に想像してると、コージーなユーモア小説を期待する読者には刺激が強すぎるほどサイコ的だ。考えてみると、それぞれの事件の中心には女性がいて、その決然とした態度や伺い知れない心情を思うと、寓話的かと思っていた作品が生々しく現実的になる。

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