新装版 ロードス島戦記 3 火竜山の魔竜(上) (角川スニーカー文庫) [Kindle]
- KADOKAWA (2013年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (254ページ)
感想・レビュー・書評
-
■書名
書名:新装版 ロードス島戦記 3 火竜山の魔竜(上)
著者:水野 良
■概要
皇帝ベルド亡きあと、かつての勢いを失ったマーモ帝国。その騎士
アシュラムが、絶対的権力を与えるという太守の秘宝「支配の王錫」
を求めて旅を始めた。パーンはその野望を阻止すべく後を追うよう
にディードリットやスレインたちと冒険に出る。しかしその秘宝は
ロードス各地に棲む5匹の古竜のいずれかが守っているらしい。硬
く巨大な体躯を持ち、強力な魔術をも駆使する伝説の古竜にパーン
は立ち向かうが!?
(From amazon)
■感想
本作は、一巻に続いて、マーモ国(アシュラム)との対決の話となり
ます。一巻では、最後に名前が少し出てきただけなのですが、本作
では、非常に魅力のある悪役に仕上がっています。
その他に、本作では、ファンタジーの王道である、ドラゴンとの対
決の話となり、否が応でも盛り上がります。
ドラゴンとの戦いの描写も、非常にリアルで分かりやすく描かれて
います。
また、本作でも、新しい仲間が出来ます。
シーリスとオルソン(バーサーカー)ですが、いかんせんシーリスに
魅力がゼロでうっとおしいだけです。
初めての魅力の無い味方です。
この作者さん、こういう魅力が無いキャラクターを描くのも上手い
です。魅力が無いのは、恐らく人間性として薄いからでしょう。
表面的にしか生きていないように感じます。
4巻では少し変わっていくのかもしれないですけど、現状では、いら
ないキャラクターです。
本作はかなり中途半端な所で終わっているので、次の巻も楽しみです。
■気になった点
・魔法はその場の解決にはなっても、原因を根本から断ち切ること
はできませんからね
・「理屈じゃなく心で考えるのよ、オルソン。あの人たちを見て、
かわいそうだって思わない? そう思ったらなんとかしてやるべ
きだし、それがふつうの人間というものなのよ」
・世の中とは、かくも不思議が多い。だから、面白い
・それが何かは分からん。だが、ベルド陛下はつねづね口にしてお
られたよ。マーモの人間で野心を持たぬ者はおらん。裏切られる
ことを恐れていては、マーモの王など務まらん。自分が道をあや
まらず、前に進んでいるかぎり、つまらぬ裏切りなどにつまずく
ものではない。王道を進むということは、そういうものだそうだ
・あいつが本当に立派なのは、物事の真理を見抜いたうえで、表面
に見えることだけを大切に生きていくってことだとオレは思う。
レイリアの心の傷を理解したうえで、それがどうしました、と澄
まし顔で言うような奴なんだ
・可笑しいことがあれば笑えばいい。怒りたければ、怒ればいい。
ひとつの物事にこだわると、その他の物事が曇って見える。しかし、
たとえ物事の真理が見えたとしても、それにこだわるあまり物事
の表面に見えるものを見失うのは愚かなことだ。……ようするに、
美人で性格の悪い娘がいたとして、いかに性格が悪くて腹が立っ
ても、その娘が美人だってことだけは認めろってことかな詳細をみるコメント0件をすべて表示