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- / ISBN・EAN: 4988142978523
感想・レビュー・書評
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ジョン・ヴォイトの、お人よしな優しさとエネルギッシュな強さが同居したような風貌がよい。
1964年の作品らしい。若干、前衛芸術的な映像表現があって、私にはそれが苦手。しかしそれは「若干」であり、80年代の映画とかにみられるような奇天烈で独特すぎる前衛表現に比べれば全然まろやかであり鑑賞に耐えうる。まったく気が付かなかったが、劇中に出てくる前衛芸術家たちのパーティーシーンは、アンディ・ウォーホルのパーティーを描いていたらしい。なるほど1964年のアメリカ作品であると納得。
爆笑問題の深夜ラジオのタイトルがカーボーイなのは、本作にちなんでいるらしく、なぜカウボーイではなくカーボーイなのか、ものすごくうっっすらとだけ気になっていたので、解決してなんだかスッキリ。また、本作のタイトルがカウボーイではなくカーボーイなのはなぜなのかも、他の方のレビューをみて知り、作品外のところでなんか色々つながって面白いなと思った作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
先日、午前十時の映画祭で「ダスティン・ホフマン」、「ジョン・ヴォイト」主演作品の『真夜中のカーボーイ(原題:MIDNIGHT COWBOY)/1969』を観ました。
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金持ち女の相手をして金を稼ごうと、テキサスの片田舎からニューヨークへやって来た「ジョー(ヴォイト)」。
だが現実の壁は厳しく、カウボーイを気取る彼の夢は遠のいていくばかり。
そんな「ジョー」が知り合ったのが「ラッツォ」と呼ばれる一人の男。
始終咳き込み足を引きずって歩くその小男と、「ジョー」。
大都会のはみだし者同士、次第に友情を深めていく二人だが、「ラッツォ」の病状は日増しに悪くなっていた。
「ジョー」は、フロリダへ行くという「ラッツォ」の夢を叶えようとするのだが……。
ふんだんに取り入れられた60年代末のアメリカの風俗描写の中、夢はあれどもそれをどう実現していくかが判らないまま、日々に押し流されていく孤独な男たちを、イギリスからやって来た「J・シュレシンジャー」が活写したアメリカン・ニュー・シネマの傑作。
そして「ジョー」、「ラッツォ」そのものといった「ヴォイト」、「ホフマン」の存在感の凄さ(オスカーは逃したものの、二人そろってアカデミー主演男優賞にノミネートされている)。
その題材と描写から、成人映画扱いのXレイトとなるが、アカデミー賞(作品・監督・脚色)を受けた後、レイティングは撤回された。
「ニルソン」の主題歌"噂の男"と、「J・バリー」の切ないメイン・テーマも秀逸。
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「ニルソン」の主題歌"噂の男"をバックに、「ジョー」がウェスタンスタイルに身を包み意気揚々とニューヨークに旅立つオープニングと、
「ジョン・バリー」の切ない音楽をバックに、「ラッツォ」の憧れの地、フロリダ到着直前に「ラッツォ」が息絶えるエンディング、
対照的なふたつのシーンが印象に残りました。
二人とも不幸な過去を持ち(「ラッツォ」の過去は断片的に語られるだけ、「ジョー」の過去はフラッシュバック的な映像で紹介されるだけなので、想像に頼る部分が多いのですが… )、夢を持ってニューヨークに出てきたものの、、、
結局、大都会の底辺で暮らさざるを得ず、同じ境遇の中で次第に絆が深まる… 哀しく、残酷な物語で、エンディングでも「ジョー」の人生に明かりは見えないのですが、なんだか感慨深い余韻の残る作品でした。
世間知らずで、お人好しの「ジョー」に、感情移入しちゃいましたね。
本作品のタイトルは本来ならば『真夜中のカーボーイ』ではなく『真夜中のカウボーイ』ですが、当時日本ユナイト映画の宣伝部長であった「水野晴郎」が「都会的な雰囲気を演出したかった(Car=自動車=都会の象徴)」ことを理由に『真夜中のカーボーイ』とネーミングしたんだそうです。
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監督: ジョン・シュレシンジャー
製作: ジェローム・ヘルマン
原作: ジェームズ・レオ・ハーリヒー
脚本: ウォルド・ソルト
撮影: アダム・ホレンダー
メイクアップ: ディック・スミス
美術: ジョン・ロバート・ロイド
衣装デザイン: アン・ロス
編集: ヒュー・A・ロバートソン
音楽: ジョン・バリー
舞台装置: フィリップ・スミス
出演:
ジョン・ヴォイト ジョー
ダスティン・ホフマン ラッツォ
シルヴィア・マイルズ キャス
ジョン・マッギーヴァー オダニエル
ブレンダ・ヴァッカロ シャーリー
ギル・ランキン ウッジー・ナイルズ
バーナード・ヒューズ タウニー
ルース・ホワイト サリー・バック
ジェニファー・ソルト アニー
ゲイリー・オーウェンズ リトル・ジョー
ジョーガン・ジョンソン
アンソニー・ホランド
ボブ・バラバン
ポール・ベンジャミン -
1969年の作品、良き時代のアメリカが垣間見れる。やはり名作である。
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ママ活しようと上京したカーボーイの話
ネズ公みてると辛くなる
後半少し予想できたけどやっぱ泣く
バスに乗った以降の出来事要素多すぎて感情が追いつかない -
麻薬パーティ(?)のシーンがとても印象的で、色合いが刺激的で気が狂ってるのが良く分かる。だからこそ現実の色合いがリアルに浮き出ているんじゃないかな。
ラストシーンまで汚くて綺麗