First Love -15th Anniversary Edition- (期間限定生産盤)(DVD付)

アーティスト : 宇多田ヒカル 

• EMI Records Japan (2014年3月9日発売)

感想・レビュー・書評

[大野弘紀さんの感想 · 2018年12月13日]

宇多田ヒカルが気になる

そうして買ってみた、first love　つまり初恋
そして気になる前後で発売された新作の名前は「初恋」

好きなアルバムだけ買おうか、と思ったら
この共通項を無視できなくて買った、first。

当時１５歳

こうして聞くと、なんて早熟、そして焦燥。
早すぎるとも思った。
世の中が放っときはしないとも、思った。
でも、
もっと、時間をかけて作り込んでも、
よかったのではないかとも、思った。

上滑りする世界観
まるで窓ガラスをたたく雨
窓を閉め切った室内から聞く、雨音

そういう感じは、そうだ、
これは、悲哀だ。それは、孤独だ。

１５歳、若い、未来。
都会、果てしない、孤独。

立っている自分
勝手にめくられるカレンダ―
進んでいく車
すれ違う人たち

その中で揺れる歌詞は
まるで煙草の煙のような切なさと刹那な感情。

今の宇多田氏がこの曲たちを歌ったら
きっと、まるで違う曲解釈での表現になると思う。
あぁ、そういうのが、聞きたかったな、と思う。

非常にパーソナルな曲たち
だから、自然だし、入ってくるし、
「first love」がとても好き。

ブリグリで言うところの、there will be love
ユイで言うところの、feel my soul

この曲のために、捧げられたアルバムなのかとさえ、思う。

祈りを覆う、悲しみと
雨のような歌声
そして、雨雲と、風と、
寂しさと、

そして、優しさと。