道徳の系譜学 (光文社古典新訳文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ツァラトゥストラのほうがなれると彼の言うところを読み取りやすいかもしれない。

    簡単な例えで、彼の言葉を代弁してみたい。
    例えば、ハリウッド映画とキリスト教、どちらがマシだろうか?キリスト教は、貧しいもののための天国を説く。彼らの天国に行くと貧者や奴隷だけがいるらしい。ハリウッド映画は恐ろしく単純で、最後は正義が力をふるい、悪を倒す。キリスト教は彼らの敵に破れ、泣きながら行進する。ハリウッド映画は正義が最も力を持つ。どちらがマシだろうか?ハリウッド映画の主人公達は強く正しいからこそ、単純なのだ。

    力あるものにとっては、争い、戦いもそれらを生かす環境条件。

    p60.
    (騎士的な、貴族的な人々は)能動的な人間だったから、幸福と行動を区別する必要もなかったのである。...行動することを幸福であることの一つとしてみなした...
    (対して)無力なもの、抑圧されたもの、...における幸福は...休息、平和、「安息日」...受動的なものとして訪れる。

  • ユダヤの民の道徳的な価値観を引き継いだ、キリスト教的な価値の転倒を狙っている本。人が当たり前に持っている、弱さの裏に隠れた真実の追求をしている。洞察が深くて読んでいる途中気持ち悪くなる。

    詳細は下記。
    https://note.com/t06901ky/n/n2f0a5ba1df32

  •  「良心」、善いものとされているそれを疑ったことがあるだろうか。神からの脅迫が為させるモノにすぎないのかもしれない。
     また、私たち世界をつくる学問、カント以来の近代そして科学までもが、実は一神教的思考をそのまま引き継いでいるという、足元がグラグラするような批判を展開する。
     この書こそコペルニクス的転回を起こさせるように思う。

著者プロフィール

フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche)
1844年10月15日 - 1900年8月25日
ドイツの哲学者、古典文献学者。近代がはらむ問題を一新に受け止め、古代以来の哲学との対決に挑み、実存主義の先駆者、生の哲学の哲学者として知られる。その思想は20世紀に続く様々な思想に衝撃と影響を与えた。
代表作に『悲劇の誕生』『道徳の系譜』『ツァラトゥストラはこう言った』『善悪の彼岸』など。

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