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感想・レビュー・書評
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精神が純粋無垢ゆえにより恐ろしいファム・ファタールという解釈が面白かった。
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戯曲ならではの味わい
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他の解釈のバージョンは読んだことはないが、父が娘に「踊らせる」ことのいかがわしさは少しわかりにくかった(解説か何かで見てやっとわかった)。時代知識があればわかったのか…
解説類がかなり充実で、むしろそちらの方が長い
著者来歴みたいな部分がおもしろかった。 -
2023/7/14
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オスカー・ワイルド作、妖艶でおどろおどろしく踊るサロメのイメージでしたが、「無邪気で純真な女の子」として訳されています。訳者は平野啓一郎さんです。可愛い口調で、恐ろしいことを要求する。こちらも演劇用の訳なのですが、自分の知るオペラのイメージと違いびっくりです。非常に充実した解説を読んで納得しました。これは、別な現代語訳も読まないといけないですね。ということで、続けて、三好弘訳(グーテンベルク21)を読んでみます。(1893年)
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預言者ヨカナーンの首を欲しがる美しい少女の狂気の話。
面白いとは思ったが、期待していたほどではなかった。
舞台で観ればもっと面白いのかもしれない。
物語部分は意外と短く、物語半分・解説半分という構成だった。 -
本読みながらオペラ見るとわかりやすい。
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この歳で読んだからか、この訳で読んだからか、深く深く、独特の世界が染み入ってきました。
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初読
本屋でふと見かけて、
あれ、知らなかった、平野啓一郎訳なの?
と手に取り、まぁサロメなのだけど、
訳者あとがきが面白かったのでした。
ワイルドがサロメを書き上げた1891年には、
作品の舞台になってる古代オリエントという
ただひとつの"昔"しかなかった、
けれど時が経ち、19世紀末がもう一つの"昔"となり、
さらに福田恆存が訳した三つ目の"昔"が重なる。
その三つ目を更新するのが新訳である、ーと同時に
長らく更新されなかったが故の
海外文学の翻訳の停滞がもたらした現代作家の文体への影響、に言及していて
確かになぁと
ビアズリーの挿絵の印象の強さで
ファムファタール的なサロメのイメージだけど
ワイルドのサロメは少女の無垢が背負うバビロン的なるもの、
というのも印象的。
イギリスに愛想を尽かしかけていて、
やがてイギリスに抹殺されるワイルドが
英語ではなくフランス語で書いてるにもかかわらず、
これはやはりイギリス文学であるという解説に従って
イギリス文学のカテゴリーにポチ。 -
ヨハネ(ヨカナーン)が色白で黒髪で赤い唇の美しい男だなんて
さすがワイルドだわ。
ヨハネに色気と美貌をくっつけるなんて凡人には出来ん。
しかし。
なにゆえ本書を平野啓一郎に訳させたのかな、実際ワイルドの意思は無邪気で残酷な幼女の恋か、生まれながらの悪女の戯れかどっちなんだ?