嫌われる勇気 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 電子書籍を購入。隙間時間に3週間かけて読んだ。

    特に勉強になったのは、自分のことを嫌う少数の人を見て、「この世界は敵ばかり」と判断してはいけないということ。
    どうでもいいはずの嫌いな人のことを考えるよりも、自分のことを大事に思ってくれる人のことだけを考えたいと思えた。


    今まで何冊か自己啓発本を読んだが、アドラー心理学をもとにした本は多いのかも。聞いたことのある内容がいくつかあった。この本だと対話形式でより深くまで書かれていて分かりやすかった。

    作者は岸見一郎先生の「アドラー心理学入門」と出会い、この本を執筆したらしい。(あとがきより)岸見先生の「アドラー心理学入門」、読んでみようかな。

    この本は定期的に読み返したい。


    以下、心に留めておきたいことをいくつか箇条書きにした。

    ・人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである。孤独を感じるにも他者を必要とする。

    ・「怒り」は捏造されるもので、出し入れ可能な「道具」である。

    ・今の生活に不満があったとしても、「このままのわたし」でいることのほうが楽だから、変われない。

    ・客観的な事実は変えられないが、主観的な事実はいくらでも変えられる。

    ・「わたしは正しい」と確信した瞬間、権力争いが始まる。自分が正しいと思うなら、他者の意見は関係なく、そこで完結すべき。

    ・「わたしは他者の希望を満たすために生きているのではない」また、「他者もわたしの希望を満たすために生きているのではない」。

    ・過去になにがあったとしても、今後の人生をどう生きるかについては何も影響がない。

    ・自分の課題と他者の課題を分離させるべき。他者の課題への介入は自己中心的。

    ・「嫌われたくない」と願うのはわたしの課題かもしれないが、「わたしを嫌われるかどうか」は他者の課題。

    ・「ほめる」という行為は上下関係をつくりだす。また、相手を操作する目的がある。

    ・人生とは、連続する刹那である。「いま、ここ」にしか生きることができない。

    ・「わたしの力は計り知れないほど大きい」。世界は「わたし」にしか変わりえない。

  • 今更手に取った。

    なんとなく読んだら心が軽くなることを想像して読み始めたが、実際はめちゃくちゃ重い、厳しい内容だった。根幹は結局「わたしがどう考えるか」に尽きるので、なにか突き放されたように感じているからだと思う。

    正直受け入れきれない部分が多い。けど魅力をめちゃくちゃ感じる。まずは、「いま、ここを真剣に生きること」「貢献感をもって行動すること」を胸に生きていこうと思う。またたまに読み返して、行動の指針にしたい。

    気になったところを箇条書きにする。
    ・トラウマの明確な否定
    ・目的論;原因によって感情が起こるのではなく、目的を達成するために感情を作り出している。(×トラウマがあって外に出られない 〇外に出たくないから恐怖という感情を作り出す)
    ・どう生きるかを決めるのは常に自分
    ・学歴、年収など権威を振りかざしている人は他者の価値観に生き、他人の人生を生きている
    ・誰とも競争せず、前を向いて生きていく
    ・愛を感じる時;「この人の前なら、とても自由にふるまえる」
    ・自分にしか関心がない人;他人を「自分に対し何をしてくれるのか」でしか考えていない
    ・より大きな共同体の声を聴け
    ・自己受容、他者信頼、他者貢献
    ・他者貢献のものさしは、主観で「自分が他者に貢献できている」と感じること
    ・存在のレベルで他者貢献している
    ・誰か一人とでも縦の関係を築いているなら、全ての人間と縦の関係を築いている
    ・ただ、「わたしがどうするか」のみを考えて、一切の条件をつけず他者を信頼する←他者を仲間とみなすことが目標だから
    ・何事も貢献感をもって仕事をする
    ・幸福とは、貢献感である
    ・「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てて、真剣に(not深刻に)ダンスする。未来も、過去も見えないくらいに
    ・「いま、ここ」を生きないことが人生最大の嘘

  • 対話形式でわかりやすい。最初の方に出てきた重要な語句が、後半の方でも繰り返し出てくるので、アドラー心理学を体系的に理解しやすい。

    個人的には、人は感謝の言葉を聞いたとき、自らが他者に貢献できたことを知る。ということに感銘を受けました。

  • また読み返したい。
    今、ここを強烈に真剣に生きる。
    過程を楽しむ。結果ではない。
    一歩ずつ。
    勇気。
    貢献してると自分が思えればいい。それが幸せ。
    1人では幸せになれないが、幸せと判断するのは自分でだけ。
    ちゃんと理解出来てないと思うので、再読したい。
    7つの習慣より、好みかも。

  • 一度は挫折し、改めて耳読書で読み非常に刺さった。自由になることとは、嫌われる可能性があると言うことだ。確かに。課題の分離をする、というのも改めて納得する。全ての悩みは人間関係に帰結する。まさに。。名著。

  • また読み直したいお気に入りの1冊。

  • 私は人に嫌われることが怖く、他者とよく比べる人間だと自負していたため、この「嫌われる勇気」という題名に強く惹かれました。

    今一周読み終わりましたが、深くまで理解できていないというのが正直な感想です。そして概ね言っていることは納得できましたが、明日から実行できるかは難しいと思っています。

    理解から実行に移すため、あと何周か自分の脳味噌に刻み込むよう読み返したいと思います。

  • 前読んだ時は、なんだ全然何言ってるか分からないしこれがみんなが言うお薦めな本だと言うのが分からない、と思い途中でやめてしまったが、今もう一度読み直すと、バイトの人間関係などで悩んでる自分にとってすごく心に響いたし勉強になった。青年が、最後の部分でもっと早く知れたら、というのに対し、哲人が、いや今あなたに響いているということは今があなたにとって知るタイミングだった、というのを聞いて、私にも今だからこそ響いたのだな、と思った。
    内容は少し難しく、完全に理解することはできなかったが、これからも何回も読み直し、自分でも少しずつ実践していけば、今のSNSの時代、人間関係に悩まされる時代でも、「幸せ」に暮らしていける気がしてきた。
    おすすめです、

  • フロイトやユングとも違うアドラー心理学を扱った本。青年と哲人の対話形式にしてわかりやすくしている。

    初めてアドラー心理学というものに接したので難解な部分があったものの刺激的だった。一般に知られているフロイトの心理学などとは正反対の考えなので、受け入れがたく反発を感じる部分もあったが、今の人生に行き詰まりを感じている場合は新しい考え方として受け入れるのも一つだと思った。ただ、受け入れるのにかなり時間はかかるとは思うが。

  • アドラー心理学を、哲人と青年の対話方式で描く1冊。
    第5夜に分けて、激しいディベートが繰り広げられる。

    アドラーは、20世紀初頭に、フロイトと並んで活躍した政界的心理学者。

    (第1夜)
    アドラーは、すべての悩みは「対人関係に起因する」とし、目的論を提唱します。

    例えば、引きこもりの人は、原因論では「不安という原因によって外に出ない」とするが、目的論は「外に出たくない」という目的によって、不安という感情を作り出すという考え方。
    フロイト心理学の原因論では、トラウマによって苦しむ、としているが、目的論では、今の目的にかなう経験を過去の記憶から探してトラウマにしていると考える。

    過去は変えられないが、今の目的は変えられる。この考え方によって、過去の経験や環境、自分の感情にも縛られなくなる。

    また、生まれつきの性格のことをアドラー心理学では、10歳頃に自分で選んだ「ライフスタイル」とし、自分で選んだものなので、もう一度選び直すことができるとしている。人間が代われないのは、過去の出来事や環境、正確などではなく、今のままの方が楽であり、変わるのは不安だから、だという。
    これまでの人生に何があったとしても、これからの生き方に何の影響もない、幸せになる勇気を持って、ライフスタイルを選びなおしなさいとしている。


    (第2夜)
    全ての悩みは対人関係。対人関係を誤りやすい人間の不変的な欲求が「優越性の追及」。この優越性の追及によって起きるのが「劣等感」。劣等感は必ずしも悪いものではなく、正しく使えば努力や成長を促進する。
    ところが、「学歴が低いから成功できない」や「見た目が悪いから結婚できない」などと、劣等感を言い訳に使うことを「劣等コンプレックス」といい、そうなると向上できなくなる。
    まら優越性の追及は、他人と比較してしまうと、他人を敵とみなすようになり、自分に悪口を言ったり、攻撃してくる人がいれば、その人は攻撃してくるようになり、仮に権力争いで勝っても、次は報復が待っている。
    他人との比較ではなく、自分の理想と比較して向上することが、対人関係の悩みを減らす。

    アドラー心理学では、人間の行動面(①自立すること②社会と調和して暮らせること)とそれを支える心理面のあり方(①私には能力がある、という意識②人々は私の仲間である、という意識)を掲げている。
    そして、これを達成する人生の3つのタスクとして、①仕事のタスク(仕事上の対人関係の形成と維持)、②交友のタスク(友人関係の形成と維持)、③愛のタスク(恋愛関係と親子関係の形成と維持)を示す。
    過去の経験や環境を言い訳として、これらのタスクから逃げることを「人生の嘘」と呼ぶ。嘘にすがるのは悪ではなく、勇気がないだけで、勇気を持ってこれらに取り組むよう教えるのがアドラー心理学である。


    (第3夜)
    あらゆる対人関係のトラブルを解消し、人間関係を断ち切れないまま自由に生きる方法は、学校や会社などの組織から開放されることではなく、自分1人が変わればできる。それが「承認欲求の否定」である。人は、他人から嫌われないように、他人の期待に応えようとするから不自由になる。しかし、私たちは他人の期待を満たすために生きているのではなく、人から嫌われる勇気を持つことにより、自由に生きられる。
    他人の期待に縛られなくても孤立しないためには「課題の分離」が必要になる。

    「課題の分離」とは、他人の課題と自分の課題を分離し、相互に介入しないこと。
    ①他人の課題に介入しない(子どもに無理に勉強させようとすると反発し、いやいや勉強しても身につかない。できることは勉強するように勇気付けること。勉強するかどうかは子どもの課題で、自分の課題は子どもを信じ、勇気付けること)
    ②自分の課題に介入させない(上司が理不尽で、努力も認めてくれず、精神的なストレスで仕事ができないとき、「上司の聖で仕事ができない」のは人生の嘘で、「仕事ができないのを上司のせいにしている」。課題の分離をすると、上司の部下への接し方は上司の課題であり、自分の課題は仕事で結果を出すことである)

    ある課題が、誰の課題なのかというと、その選択によってもたらされる結末を受け入れる人。あらゆる対人関係のトラブルは、自分の課題に踏み込まれたり、他人の課題に踏み込むことによって起きると考え、他者の課題にも介入せず、自分の課題にも介入させない。
    他人を変えることはできないので、自分が変わる。それに伴って、他人も変わることがある、これが対人関係のスタート。


    (第四夜)
    課題の分離に始まる対人関係のゴールは「共同体感覚」。「共同体感覚」とは、他人を仲間とみなし、そこに自分の居場所があると感じられることです。
    課題の分離ができていないときは、自分が他人からどう見られているかばかりと気にかける生き方は、自分にしか感心を持たない自己中心的なライフスタイルだが、「わたしは相手に何をやって与えられるか」と考えて、共同体感覚に切り替えていく。

    課題の分離から共同体感覚に至るには、縦の関係ではなく、横の関係を築くこと。
    ほめたり叱ったりするのは、能力がある人がない人への評価であり、縦の関係。これは劣等感や他人の課題への介入を生み出してしまう。
    アドラー心理学では、縦の関係を否定し、全ての人間関係を「同じではないけど対等」という横の関係にするよう提唱する。ほめるので把握、自分で解決する援助をする。これを「勇気づけ」と言い、横の関係から出てくるのは評価ではなく、「ありがとう」という感謝や尊敬、喜び。感謝の言葉を聞いたとき、自分は共同体に貢献できたと知り、自らの価値を実感でき、勇気が持てる。


    (第5夜)
    共同体感覚の向こうに幸福があるが、自己中心的に自分ばかり気になってしまうのを、他人に何を与えられるのかを考え、共同体感覚を得ることは難しいこと。
    共同体感覚を得るには、①自己受容(できもしないのに「私はできる」と暗示をかける「自己肯定」とは異なり、あるがままのできない自分を受け入れ、できるように進んでいくこと。肯定的なあきらめ。何が与えられているかではなく、与えられたものをどう使うか。何かが足りないとすれば、それは能力ではなく、変えられることを変える勇気)②他社信頼(信用ではなく、信頼。他者は敵ではなく、仲間になり、「ここにいてもいいんだ」という所属感が生まれる)③他者貢献(仲間に貢献しようとすること。仕事・家事、これらは自己犠牲ではなく、他社貢献。)の3つが必要。

    幸福になるには、目に見える貢献でなくても、「貢献感」がもてればよい。『嫌われる勇気』における幸福の定義は「貢献感」。承認欲求を通じて得られた貢献感には自由がないので、他者からの承認はいらない。共同体感覚があれば、承認欲求にとらわれず、私は誰かの役に立っていると実感ができる。

    人生は「いま」という刹那の連続。
    われわれは「いま、ここ」にしか生きることができない。人生に目的地は存在せず、「いま、ここ」が充実していれば、それでいい。
    原因論を否定することによって過去を見ず、目的地を否定して未来予測も不可能とし、今を真剣に生きる以外になく、過去や未来を考えることを人生最大の嘘と断言する。
    仮に戦火や天才と隣り合わせの不条理な人生に、生きる意味はないとする。
    その中で、他者貢献を導きの星としていききったときにこそ、自分にとっての生きる意味が明らかになるだろう。



    続編の『幸せになる勇気』も読まなくてはいけませんね。

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著者プロフィール

1956年生まれ。共著書に『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)、訳書にプラトン『ティマイオス/クリティアス』(白澤社)ほか。

「2020年 『自然と精神/出会いと決断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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