アーティスト [レンタル落ち]

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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013182660

感想・レビュー・書評

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  • 前情報なしに、古い映画かと思って見始めたら…最高だった。
    意図しているわけではないけれど、最近はなんだか、ショウビズ界の裏話的な映画をよく観てるな。

    大スターの栄光と没落、人生の苦悩と希望をきめ細やかに描いている。
    私が求めているのは、ストーリーではなく人間なんだと気づいた。この映画はあらゆる人間の姿や感情を美しく描いている。衣装も音楽も背景美術も美しい。

    ヒロインの無名時代のドレスと、ジョージと再会してからのドレスが好きだ。

  • 2011年と最近の作品であるのに、全編白黒の映画。
    そして、ほぼ無声映画。
    なのに、これがとても面白かったです。

    無声映画って多分初めて観ましたが、全てのセリフに字幕が出るわけじゃないんですね。
    大事なセリフにしか字幕がでない。
    もちろんモノローグもありません。
    だから、役者の表情やしぐさで気持ちを慮らなければならない。
    効果音がない分、オーケストラの音楽が場を盛り上げます。
    この映画は無音映画ではないので、音楽がとても効果的に使われています。

    サイレント映画のスター、ヴァレンティンに結構強引に近づいてくるペピーの気持ちが最初よくわかりませんでした。
    一緒に写っている写真が(多分)芸能新聞の一面に載ると、周りの人に見せびらかす。
    彼が不在の時に楽屋にこっそり忍び込む。
    憧れなのか、売名行為なのか。
    ちょっと不快ですらありました。

    けれどスターは鷹揚にこう言うのです。
    「特徴のない顔だから、付けぼくろをするといいよ」

    そして、付けぼくろのせいか、ペピーはとんとん拍子に売れっ子になっていきます。
    エキストラから脇役へ、脇役から主役へ。
    時代はサイレントからトーキーへ。
    わざとらしく誇張した演技ではなく、自然な、リアリティのある演技へ。

    ヴァレンティンにももちろんトーキー映画へのオファーが来ますが、彼は安っぽいドキュメンタリー風の映画より、芸術性の高いサイレント映画の方が価値が高いと、トーキー映画に背を向けたまま。
    映画会社との契約も解除になり、事務所の階段を下りていくヴァレンティン。
    そこに意気揚々と階段を駆け上ってくるペピー。
    「ようやくあなたと同じところまで登って来られたわ」

    階段で交差した二人は、その後もひとりは登り続け、ひとりは下り続けます。
    ヴァレンティンを慕ってついてくるのは、お抱え運転手と愛犬だけ。
    その運転手すら車ごとくびにしなければならないヴァレンティン。

    この先にもドラマは続きますが、サイレント、面白いです。
    台詞がない分、自分で補って観なければならない部分が多い。そこが面白い。
    どんな気持ちでこんなことをしたのか。
    この目つきの意味は何か。

    最初は不快に思って見ていたペピーの行動の一つ一つが徐々に可愛らしく愛おしくなってきて、最後は泣き笑いで観ていたような気がします。

    私、多分1920年代のアメリカが結構好きなんだと思います。
    街並みも、ファッションも、音楽もとても好き。
    ダンスのシーンなんか、目がハートになるくらい好き。
    ああ、これ、「デート~恋とはどんなものかしら」の世界なんだわ、と思ったことよ、巧くん。

    そして、犬!
    最優秀演技賞をさしあげたいくらい、けなげでお茶目でキュート。

    全く知らなかった映画。
    はっきり言ってジャケ借りでしたが、大正解でした。

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