深爪 (集英社文庫) [Kindle]

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  • 集英社
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感想・レビュー・書評

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  • 過激な描写もあるけれど
    様々な恋愛が描かれている。
    短編が3つで登場人物はほぼ同じ。
    それぞれの視点で語られ
    興味深い。

    *追記
    初めての作家さん。
    あまり恋愛小説は読まないのだけれど、
    何かのきっかけ(覚えていない)で
    2021年に購入していた。

    +深爪+
    翻訳家のなつめは、人妻で子供もいる吹雪と
    知り合い、恋に落ちてしまう。
    なつめの視点で物語が綴られる。
    女性同士というだけ?で
    夫に嫉妬をしたり、喧嘩になっても
    セックスをすればまた元に戻ったり、
    会えない時間が切なかったり、と
    普通?の不倫の話に思えた。

    +落花+
    吹雪はなつめと別れ、
    詩人でトラック運転手の笙子と出会う。
    吹雪の視点での物語。
    男役のような、カッコいい笙子に惹かれ
    吹雪は子供と夫を置いて家出してしまう。
    吹雪の言い分もあるだろうけど
    子供が可哀想、、と思ってしまった。

    +魔王+
    吹雪の夫、マツキヨの視点での物語。
    吹雪を嫌いになれず、息子、嵐の母代わりに
    なろうと奮闘するマツキヨ。
    吹雪のカーディガンを着て
    胸にパンストを入れ、母親のぬくもりを
    嵐に与えようとするマツキヨの姿に
    胸が痛くなった。

  • 不倫をする心理がわからなかったけど好きになってしまったら仕方ないものだし普通の恋愛と何も変わらないのだなと思った。
    一連の物事の流れを三者の視点から三つの短編物語として描かれていて表現方法が面白くて新鮮だった
    もう少し長さがあればより満足できた

  • もう少しボリュームがあれば星四つ
    ビアンの夫婦たちのリアルな日常が今の時代にあってる
    深夜ドラマでも2時間ドラマでもいいから実写化してほしい
    もう少しビアンの人の苦悩やあるあるを盛り込んでビアンがどれほど生きにくい日本なのかを語ってもよかったかな
    非常に読みやすく、この後の続編や、マツキヨのこれからの変化なども見てみたいな

  • 登場人物3人のそれぞれの視点で書かれた3編でできている。優しい旦那とかわいい息子がいながらも、女性に惹かれて恋愛をしている妻。なつめとの官能的な描写にドキドキした。最後別の人と一緒になるフラグになんかちょっと複雑。また既婚者?やめなよって。吹雪は自分勝手すぎてイラっとした。でも、禁断の果実の甘さを知ってしまうともう男性を受け入れられなくなっていく感じはなんとなく共感した。旦那・マツモトキヨシ、ただかわいそう。でも、女性同士の恋をファンタジーか何かと思ってるところはむかつく。女同士が都合良い時もあるけど、不倫とも思われないやるせなさもあると思う。2人の間にあるものが愛だと認められてないようで…。女の交わりは、愛がなければ成立せず愛があるゆえに成立し、少しの背徳感と共に快楽に溺れる。男女よりよっぽど濃厚で、体に肌に刻み込まれるのだろう。
    深爪の意味を書かないところが好き。

  • 同性での不倫行為がどんな風に描かれるのか、気になって読み始めたのに、寝取られた旦那さんの言葉遣いがあまりにも丁寧で衝撃を受けてたら読み終わっていた。

  • 女性作家の抒情的かつ官能的な恋愛小説はちょっと苦手と思うことが多いのだが、この人の本は本当に読みやすい。本作は綺麗な恋愛だけではなく、自分の本当のセクシュアリティに気づいてしまった人妻が家庭を崩壊させる話なので、つらい部分も多かったが、性別を超えた人間関係や愛情の描き方が良いと思った。「切った爪がおまえを恋しがる」

  • 20160106再読 前に読んだ記憶無し…

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著者プロフィール

1960年生まれ。早稲田大学卒。93年『猫背の王子』でデビュー。95年『天使の骨』で朝日新人文学賞、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞。著書多数。

「2022年 『感情教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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