群像 2014年 02月号 [雑誌]

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  • 講談社 (2014年1月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910032010242

群像 2014年 02月号 [雑誌]の感想・レビュー・書評

  • 岸本佐和子編『変愛小説集』のみ読了。よかったと思う作品いくつか。多和田葉子『韋駄天どこまでも』すっごい面白かった!恥ずかしながら多和田さん読んだことがありませんでしたが、もっと読んでみたい。村田沙耶香『トリプル』激しく内に潜り込む感じが気持ち悪い(褒めてます)吉田知子『ほくろ毛』変わらぬキレの良さ。「変愛」なら「箱の夫」にも一票!津島佑子『ニューヨーク、ニューヨーク』ちょっと古い感じが、私にはツボ。よかった。岸本さんの前口上には、爆笑しました。

    好みの問題かもしれないが、こうして並ぶと作家の力量に差が感じられてしまうのが、難点かな。どの方も岸本さんが好きな作家さんらしいので、私が難癖つけるのも、おこがましいのですが。

  • 実は評判の『変愛小説集』の方は気になっていたけど(二冊とも)未読で、日本版の特集があったのでいい機会なのでこちらから読んでみることにした。(特集短篇の感想のみです)
    「形見」川上弘美 工場で働く夫と子供たちに囲まれた平穏な日々、という描写から意外な話になる。さすがだなあ。
    「韋駄天どこまでも」多和田葉子 ちょっとした言葉遊びをフックに軽やかに疾走する感じの小説。
    「藁の夫」本谷有希子 タイトル通りの話(笑) この世界にはいろんなもので出来た夫がいるのかもしれないな。
    「トリプル」村田沙耶香 二人組ではない三人組による恋愛関係が若者に広まった世界の青春小説でその性と心理が鮮やかに描写されている。
    「ほくろ毛」吉田知子 今日も公園のカラスと目が合った。日常が少しずつ奇妙に揺らいでいく感じがいいなあ。
    「逆毛のトメ」深堀骨 人造美女の活躍するスチーム&スプラッターパンク。もちろん著者流だが。
    「天使たちの野合」木下古栗 飲み会の待ち合わせで女性に声かけられたが人違いであった。飲み会になっても、相変わらずその女性が誰かを待ってるのにきづいた。二作続いてなんじゃこりゃ(笑)。唖然呆然これも愛?
    「カウンターイルミネーション」安藤モモ子 未開の地で未知の部族を求める男の話。特集短篇の中では愛の対象は普通であるが、濃密な描写が素晴らしく読み応え十分。
    「梯子の上から世界は何度だって生まれ変わる」吉田篤弘 主人公は消えた電球をとりかえる<電球交換士>と不思議な女性とが出会う。これまた何とも表現しようがない作品だな。なんとなくオノヨーコのアートを連想。
    「男鹿」小池昌代 靴がモチーフになっている。そういえば童話をはじめ靴の登場するものは多くフェティッシュな素材として普遍的に訴えかけてくるものがあると思われ、本作でも十二分に生かされている。
    「クエルボ」星野智幸 退職後ぶらぶらと過ごす男性がカラスに餌を与えることを思いつく。これもカラスが出てくるけどまさかそこが終着点とは!
    「ニューヨーク、ニューヨーク」津島佑子 最後にこれを並べたのか。個性的な作品の並ぶ中で、居心地の悪そうな少年と彼の母親と話す中年男性というシチュエーションで大体その関係が見えてくるオーソドックスな作品をここで持ってくることによって、胸に迫るものがあった。やられた。
     どれも面白かった。これ書き下ろしなのね。編者と作家のコラボレーションの素晴らしさに酔わされました。

  • 川上弘美「形見」
    本谷有希子「藁の夫」
    村田沙耶香「トリプル」
    木下古栗「天使たちの野合」

  • 「変愛小説集」
    川上弘美「形見」本谷有希子「藁の夫」

  • 変愛小説集の国内作家書き下ろしバージョンと聞いて拝読。
    『形見』川上弘美
    『韋駄天どこまでも』多和田葉子
    『藁の夫』本谷有希子
    『トリプル』村田沙耶香
    『ほくろ毛』吉田知子
    『逆毛のトメ』深堀骨
    『天使たちの野合』木下古栗
    「カウンターイルミネーション』安藤モモ子
    『梯子の上から世界は何度だって生まれ変わる』吉田篤弘
    『男鹿』小池昌代
    『クルエボ』星野智幸
    『ニューヨーク、ニューヨーク』津島佑子

  • 〈特集 岸本佐知子編「変愛小説集」〉 ★かなりよい特集に。
    形見 川上弘美 ★
    韋駄天どこまでも 多和田葉子 ★凄まじい言語実験。
    藁の夫 本谷有希子 ★
    トリプル 村田沙耶香
    ほくろ毛 吉田知子 ★不思議な味。
    逆毛のトメ 深堀骨 ★ぐちゃぐちゃ。
    天使たちの野合 木下古栗 ★決め台詞が。
    カウンターイルミネーション 安藤モモ子
    梯子の上から世界は何度だって生まれ変わる 吉田篤弘
    男鹿 小池昌代
    クエルボ 星野智幸
    ニューヨーク、ニューヨーク 津島佑子

    〈対談〉
    終わりなき「自意識」との闘い  西加奈子×古市憲寿

    〈連作評論 完結〉
    安藤礼二 折口信夫の宇宙 ※未読

    〈連載小説〉
    ビビビ・ビ・バップ〔2〕 奥泉光 ※未読
    時穴みみか〔5〕 藤野千夜 ※未読
    死に支度〔7〕 瀬戸内寂聴 ※未読
    パノララ〔11〕 柴崎友香 ※未読
    地上生活者 第五部 邂逅と思索〔24〕 李恢成 ※未読

    〈連載評論〉
    鬼子の歌 近現代日本音楽名作手帖〔2〕 片山杜秀
    皇后考〔17〕 原武史 ※未読
    〈世界史〉の哲学〔58〕 大澤真幸 ※未読

    〈連載〉
    現代短歌ノート〔47〕 穂村弘
    映画時評〔62〕 蓮實重彦 ※未読

    〈随筆〉
    物言い 竹西寛子
    漂流通訳 青山七恵
    見捨てられた場所から見えた景色は 山田航
    この社会の「体力」 白井聡

    〈私のベスト3〉
    未だに夢か現実かわからない光景 鴻巣友季子
    進化にかんする誤解 更科功
    身近においてながめたい虫 増井元

    〈書評〉
    舞台を降りたとき人は(『舞台』西 加奈子) 瀧井朝世
    アイロニーのなかの英雄(『Deluxe Edition』阿部和重) 池田雄一
    ウロボロスとしての「私」(『私のなかの彼女』角田光代) 富岡幸一郎

    〈創作合評〉
    稲葉真弓+苅部直+藤野可織
    「ボラード病」吉村萬壱(文學界2014年1月号) ※未読
    「どろにやいと」戌井昭人(群像2014年1月号)
    「夏、そして冬」三木卓(群像2014年1月号)

  • 恋愛至上主義への意趣返しに端を発した印象さまざまな“変愛”小説。面白かった! 各話みじかいのが残念なくらい。こうしてみると、海外の作家が書いたものの方がどこか可愛らしい感じがする。ニホンの作家さんは意外とどす黒いというか、ねちっとした感触。吉田知子の、古さを感じない、寧ろいまどきな言葉遣いに違和感がないんだ、と思ったことに気づいて、もう一度かるく読み返してみたら、どこでそう感じたのか分からないという不思議。多和田葉子、久しぶりの木下古栗、他に知らなかった作家さんのものまで楽しめましたが、ヘンに印象に残ったのは村田沙耶香「トリプル」。とても気になる、なっていた表層テーマ(?)だっただけに「やられた!」と思った。

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