毒になる親 [Kindle]

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  • 大学時代四年間家庭教師と二年間塾の教師をしてわかったことがあった。「教育熱心を醸し出している母親」、「勉強しなさい」、「勉強するとよいことがあるよ」とよく言う父親、母親は、自身は全く学習をしていなかった。単なる自分の価値観を子供に押し付けていた。

    そのような両親を持った子供の成績は、あまり伸びなかった。また、ある時は良く、ある時は悪かった、本人の精神状態と同じく、不安定だった。どこか自信がなく、毎日を過ごしており、いつも両親の価値観に縛られているようだった。たぶん、心の底から勉強が嫌いになっていったと思う。見ているだけで、可哀想だった。

    もちろん、その生徒達の両親の中には、
    日頃から英語などの資格勉強をしている人もいるし、コロンビア大学院卒業だったり、大量の参考書を買って、子供に自身が全てをかけて教えたり、自己啓発本を大量に読んでそうで、異様なポジティブシンキングの方も結構いた。

    その方たちの子供達は、長期的には成績が上がらず、寧ろ平均すれば下がり、仮に受験に成功しても、全然うれしそうに見えなかった。両親もその子供達も心の底から勉強が嫌いで、受験勉強して良い中高大に入ることだけが目的なんだろうと思った。

    〇〇すれば、良いことがあるよという、
    功利的かつ短絡的な発想は、学習の面では何も意味がないばかりが、有害になることを知るべきだと思う。この考え方に陥ると、目に見える形での指標にこだわることになる、偏差値や、スコア、何位、段位なのである。これらの『価値観』にどっぷり使ったが最後、それらを創設した人だけが喜び、また儲ける仕組みが作動する。私達の人生の貴重な時間や気力、問題意識、主体的に生きたいという近代民主主義が達成した大事な価値観まで、ドブに捨てることになる。

    私の両親の良かったところは、本人達も全く勉強してこなかったので、私に対して、勉強しなさい、勉強すると良いことあるよ、早慶以上じゃないとオレみたいな人生歩むよ、なんてことは、一回も言わなかったことです。おかげで、自分がより良く生きられる上で、自分が学びたい内容を自分で考えることが出来て、つまり自分を一番知っているのは自分なんだから、どういう学習をすれば、豊かな人生を歩めるか、そのカリキュラムを自分で作成できるようになった。

    ただ、母親は毒親だった。
    毎日のように長男や長女、私に、
    私の父親が、いかにどうしようもない人間か、お前の親戚達、一族はキチガイかを、
    言い続けた。父親は、それに反論することもせず、ただ、現実逃避をしていた。私の父親の印象は、狂ったようにテレビをみるものだった。したがって、私はテレビを見るのが少ないのではなく、フラッシュバックして、見ることができない。直視すると、毎日、毎日、ただ、ぼっっとテレビを直視している父親を思い出すからだ。

    あとから分かったことは、父親はアダルトチルドレンだった。幼少期からアルチュウの父親に殴られていたのだ。なので父親は、全く自分の価値観を表せない人で、私達に話すことは、全く自分に関係ない、テレビ、新聞、週刊誌に書いてあることを、あたかも自分が考えたように言うだけだった。

    この著作のハイライトは、両親とどのように対峙するのか?それを積極的に促していることだろう。つまり闘えということだ。自分は何回と闘ったが、その内本当に成功したのは一回ぐらいだし、こちらの考えや主張を心がボロボロになるまで言い尽くしても、「そうではない」と否定されるケースがほとんどだった。ただ、戦わなかった長男は、ずっとおかしく、長女は、自死という形で私達と別れを告げた。その出来事で、12年ほど正月を4人で過ごせていない。私は、長女が自死したのは家族に問題があると考え、徹底的に家族と向きあい、話してきた。ただ、いつも、「それは違う」、「長女はだまされたんだ」、「私達の原因ではない」に終始した。私は、今の自分の状態を心の底から受容し幸せだが、両親そして長男は、暗く、ルサンチマンと化しているように感じる。

    経験からいうと、どんなに両親と対峙した所で彼らの価値観が変わることはない。人は人を変えることなど出来ない。
    ただ、勇気を振り絞って行った戦いは、自分にとって決して無駄にならない。ただ、勇気を振り絞って、問題と向き合うのは、命懸けということはわかってほしい。

    勇気がないと、ただ悪口だけを、
    自分がいかに不幸か、我慢しているかを自分自身に対して、おびただしい時間を使うようになる。これは、一種のカンフル剤で効果は一時期的で、生産性がないばかりか、精神疾患を発生させる行動とも感じる。

    今の日本を見れば、毒親でない親の方が、
    少ないなんじゃないだろうが。どの親も毒を持っている。その毒に、子供達は、どう立ち向かえばいいのか。世界で一番自信がなく、未来に希望もなく、勉強時間も短い日本の若者が、どうしたら、より良く生きられるか?私は、ずっと考えてきた。それは、戦うしかないと思う。戦わなくても、今はスマホがあるから、簡単に慰められる。見続ければ、見続けるほど、さらに自分の人生の主体性を失う。世の中、このような人間ばかりだが、彼らは、さらに人を傷つけることを主体的に行うことで、自身の人生の主体性をどうにか保っている。ただ、いずれは、破綻する。

  • 親子関係に苦しさを覚える全ての人へ。本書は、毒のように、子どもの心身を蝕んでゆく親の特徴や、その親と対峙する方法を説く。私は数日前、親について思い悩み、涙が止まらなくなって初めて、「自分は親のことが嫌いだと認めなければならない時が来たのだ」とはっきりと悟った。あまりの辛さから、親子関係についてきちんと学ぶために本書を手に取った。そこにはまさしく私の両親の特徴が載っており、私が受けた教育は歴とした虐待だったと理解した。本書を読み進めることは非常に辛く、何度も涙したが、必要な試練だったと思う。

  • 精神的虐待を受けてきた者です。
    家庭を説明する際はいつも「ちょっと虐待っぽい家庭で〜」とお茶を濁してきました。
    説明をすると「それって毒親じゃない?」と言われたこともあり、毒親関連のエッセイやコミックをとにかく読み漁ってきました。
    でも、私は金銭的搾取もないし、暴力はいつも逃げきれていたんです。「私のことは、たいしたことない」と思い、この本の存在は知りつつも、読むことはありませんでした。

    今回はAmazonの読み放題に登録されており、ちょっと目を通す程度で読み始めたら、読むのが止められなくなりました。さらには認識までがガラッと変わった気がします。
    私は昔から家族に激しく罵られるのは自分の不手際があった為だと思い込んでいました。
    でも、自尊心が折れるまで子どもに嫌味や罪悪感を与えなくてもよかったんです。あれは確かな精神的虐待だったと今ならハッキリと言える気がします。

    この本では毒親と「対決」し、自分にケジメをつけるところまでが書かれていますが、今の自分に出来るかと思うと全く自信がありません。
    自分に合うセラピストさんを見つけること自体がアメリカとは違い、この日本では難しそうですし、第三者が家庭の問題に積極的に入り込めないと思っています。

    今でこそ子どもの虐待は認知され、世間が敏感になり、介入が進められています。
    ですが、成人を超えた虐待被害者はどうでしょうか。
    私の場合だけでも、精神的虐待で病み福祉に繋がりこそしたものの、1番の問題である家族との関係には、親子両者の同意がないと介入出来ないそうです。

    もちろん、これからを生きる子ども達を救いだすことはとても大切なことです。
    しかし、これまで我慢を強いられてきた被虐待者を手助けするセーフティネットがもっと日本でも進められていければと思います。

    その意味ではこの本も毒親から解放される指南書として、とても貴重な方法論が書かれています。ただ、「この方法を実行すればほとんどの人が救われる!」という語感が強過ぎる傾向を感じたので、評価は星4にさせていただきました。

  • 正直長いけど‥

    毒親を持つ子ども(だった大人)、
    自分が毒親かもしれないと悩む親、
    周りに苦しんでいる人がいる人、
    読んで損はないと思う。

  • 2013年に紙の本で読んだ。この手の本にしては珍しく感動さえ覚えたので星五つに記録してある。再読前だが、星五つで前もって登録。再読後に感想が変わるかもしれないが、その理由もしるすつもり。

    読了。毒になる親(毒親)の事例とその被害について、そしてその対処法まで書いてある良書。特に最後の部分の、毒親からの解放については、カウンセリングをする者にも、自分一人で毒親からの影響から解放されたい者にも役に立つ内容。ロールプレイはひとりではちょっと難しいが、手紙の手法や自分史を必ずハッピーエンドで終わるおとぎ話に作り込む手法はいつでもだれでもできる。たとえ相手がすでに死んでいる時にでもこの手法なら、自分自身を解放に向かわせられる。

    下記にハイライトした個所をコピペ:

    167
    黄色のハイライト | 位置: 180
    私たちはだれでも、子供の時に親から心に「感情の種」を植えられる。そしてその「種」は、本人が成長するとともに芽を出し成長して


    黄色のハイライト | 位置: 181
    それは、ある親子にとっては「愛情」、「他人を尊重する心」、「独立心」などに成長する「種」であるが、そうでない多くの家庭においては、「恐れる心」、「不安感」、「過剰で不必要な義務感」、「罪悪感」、「いくらやっても不十分な気分」などに成長する種で


    黄色のハイライト | 位置: 222
    いずれもほとんどの場合、その子供は成長してから驚くほど似たような症状を示す。どういう症状かといえば、「一人の人間として存在していることへの自信が傷つけられており、自己破壊的な傾向を示す」ということで


    黄色のハイライト | 位置: 224
    彼らはほとんど全員といっていいくらい、いずれも自分に価値を見いだすことが困難で、人から本当に愛される自信がなく、そして何をしても自分は不十分であるように感じているので


    黄色のハイライト | 位置: 231
    そのような子供は、「罪悪感(なんとなく後ろめたい感じ)」や「自分が不十分な感じ」を心の奥に抱えたまま育っているので、成長して大人になった時にポジティブで落ちついた自己像を持つことが非常に困難に


    黄色のハイライト | 位置: 297
    愛情豊かな親は、死んだ後も心のなかで私たちをあたたかく励ましてくれるが、その反対に、すでに死亡している「毒になる親」によって相変わらずコントロールされ続けている人もたくさんいる。その状態は、心理学的な幽霊につきまとわれているようなものだと言っても


    黄色のハイライト | 位置: 304
    けれども私と話しているうちに、彼女はそのように怒りを煽られているという事実こそ、いまだに心をコントロールされている証拠なのだということにしだいに気づきはじめた。彼女はそのようにして心の奥にたまった怒りにエネルギーを注ぐことによって、人生のほかの部分で必要としているエネルギーを失っていたの


    黄色のハイライト | 位置: 307
    「毒になる親」とはっきり向き合って対決することは、過去の亡霊や現在も生き続けている悪魔を追い払うための重要なワン・ステップではあるが、この女性の例でもわかるように、自分の心が怒りに支配されている状態ではけっして行うべきでは


    黄色のハイライト | 位置: 313
    自分を守るすべを知らない子供だった時に大人からされたことに対して、あなたに責任はない のである。幼い子供に対して親がしたことに関する限り、すべての責任はその親が負わなければなら


    黄色のハイライト | 位置: 391
    子供時代に親からしっかりとした愛情を与えられず、ひどく扱われてきた人間は、みな例外なく──仕事に有能で、成功している人ですら──内面には無力感と不安感を抱えて


    黄色のハイライト | 位置: 438
    心理学でいう「事実の否定」とは、自分にとって不都合なことや苦痛となる事実を、それほどのことでもないかのように、あるいはそんなことはそもそも存在していないかのように振る舞ったり、または自分をもそのように信じ込ませてしまうことを


    黄色のハイライト | 位置: 441
    本当は親に苦痛をしいられている(あるいは過去においてそうだった)子供が、自分の親は重要な存在で称賛に値する人間だと主張したり、自分でも本当にそう信じていたりするのもそのひとつだ。時には、親が立派な人間だと信じて いたい あまり、小さなころにどんなことをされたのかを忘れてしまっていることすら

    Note:心理学的に言う事実の否定の例。

    黄色のハイライト | 位置: 446
    心を圧力釜にたとえれば、「事実の否定」はその ふた のようなものだ。圧力釜のふたをいつまでもつけたままにしておけば、内部の圧力は高くなる一方で危険で


    黄色のハイライト | 位置: 452
    親は子供よりさらに大きな「否定」をする。例えば、過去の真実がどうであったかを解き明かそうとしても、親は「そんなにひどくはなかったよ」とか「そんなふうじゃなかったんだ」と言うだろうし、さらには「そんなことはまったくの嘘だ」とまで言い切るかもしれ


    黄色のハイライト | 位置: 529
    この図式は真理を驚くほど正確にあらわしている。それは「とかく人間は、ネガティブな感情を本来向けなければならない対象からそらせ、より容易なターゲットに向けてしまいやすい」ということなの


    黄色のハイライト | 位置: 554
    神様のような顔をしている「毒になる親」は天上から地上に引きずりおろし、彼らを自分と同じただの人間として現実的に見る勇気を持つことができた時、子供はひとりの人間として、はじめて親と対等な関係を持つための力を持つことができるので


    黄色のハイライト | 位置: 561
    子供はまた、していいことといけないことの違いを親から適切に教えられ、失敗を許され、しつけられることが必要だ。だがそこで大切なのは、〝しつける〟ことと肉体的あるいは精神的に〝傷つける〟ことは、まったく違うということで


    黄色のハイライト | 位置: 589
    子供の情緒が発達する決定的に大切な時期に親がモデルになり得ないと、その子供のアイデンティティーは常に安心することのできない混乱の海をさまよって


    黄色のハイライト | 位置: 641
    「罪悪感」と「過剰な義務感」は、子供時代に自分の意思に反して親子の精神的な役割が逆転させられた人間に典型的なもので


    黄色のハイライト | 位置: 766
    子供が親から受けるダメージが、親が何かひどいことを した ことによってではなく、何かを しなかった ことによって与えられた場合、その子供が大人になってから自分の人生に起きる問題と親との関連性を見抜くことは非常に難しくなる。また、そういう親を持った子供は、もともと自分の抱える問題と親との関連性を否定する傾向が特に強いので、その作業をいっそう難しく


    黄色のハイライト | 位置: 783
    このことが理解できれば、あなたは生まれてはじめて、もう自分にはないと思っていたエネルギーがわき起こってくるのを感じるだろ


    黄色のハイライト | 位置: 785
    それは、これまでの人生の大部分において親のために費やしてきたエネルギーであり、本来なら自分をもっと愛し、自分に対してもっと責任が取れるようになるために使うことができるエネルギーなので


    黄色のハイライト | 位置: 814
    コントロールしたがる親の多くは自分が必要とされなくなることを恐れているため、子供の心のなかに非力感を植え付け、それが永久に消えないようにと望む。表面的に見れば、それは子供を自分に依存したままにさせておこうとする行為だが、実は自分が子供に依存していることの裏返しなの


    ピンク色のハイライト | 位置: 999
    「毒になる親」のコントロールに対する子供の反応は二種類しかない。いやいやながらも従うか、反抗するかで


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,020
    こうして彼は、支配しようとする母の望みをすべて拒否してきたために、自分が望むことまで無視する結果になってしまったので


    黄色のハイライト | 位置: 1,073
    この章に登場したすべての「毒になる親」に共通している点は、彼らの行動の根源には自分自身の人生に対する根深い「不満」と、自分が見捨てられることへの強い「不安」があるということで


    黄色のハイライト | 位置: 1,077
    親がこういう状態であると、子供は成人後も自分が何者であるのかというアイデンティティーがぼやけたままはっきりしない。それは、自分と親とは独立した異なる人間であることを実感しにくいからで


    黄色のハイライト | 位置: 1,079
    そのため、自分が望んでいると思っていることが、いったい本当に自分の望むことなのか、それとも親が望むことなのかよくわからない。無力感に襲われるのは、そのためで


    黄色のハイライト | 位置: 1,083
    ところが「毒になる親」の家庭では、この時期に行われるべき健康な親子の精神的分離が行われず、何年も遅れるか、または永久に行われない場合もある。そういう場合には、大きくなった子供が自分の意思で自分の人生を取り戻そうと行動を起こす以外に道は


    黄色のハイライト | 位置: 1,097
     彼の過剰な責任感、父を救わなくてはいられない気持ち、その一方で自信のない性格、抑圧された怒り……、これらはアルコール中毒の親を持った子供が成長してから示す典型的な症状で


    黄色のハイライト | 位置: 1,106
    そういう家庭においては、「嘘」、「言い訳」、「秘密」が空気のように当たり前のことになっており、それが一緒に暮らしている子供に計り知れない情緒の混乱を引き起こす。  親がアルコール中毒の家庭における、家族の情緒的および心理学的な状態は、親が薬物中毒(非合法のドラッグか医師の処方による合法的な薬物の依存症かにかかわらず)の家庭と基本的には同じで


    黄色のハイライト | 位置: 1,118
    彼はごく幼いうちから、父親の飲酒は一家にとって大きな秘密であることを感じ取っていた。母親から〝お父さんの問題〟について人にしゃべってはいけないと釘をさされるよりもずっと前から、すでにそうしてい


    黄色のハイライト | 位置: 1,134
    なぜなら、子供は生まれつき自然なので、家のことについては当然疑問がわくが、そういう自分の感覚を無理やり否定しなければならないからだ。自分が感じたり考えたりしていることと違うことを絶えず自分や他人に言っていなくてはならない状態では、自分に対する信頼感を育て、自信ある人間となることは不可能である。その子供の内面には無意識のうちに罪悪感が生まれ、自分が人から信用されるかどうかの自信が持てない。その感じは成長するとともに続き、その結果、自分のことを積極的に人に話したり、自分の意見を自由に述べたりすることを尻込みしがちな人間になる。アルコール中毒の親を持つ子供の多くは、外見はともかく、内面は悲痛なほど内気で


    黄色のハイライト | 位置: 1,145
    こうして親との密着度が増し、親に無批判に忠実であることがその子供の習い性となっていく。そのことは、大人になってから破滅的な人生を生きる要因となり


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,162
    本書の全編を通じて登場することでもわかるように、このような「親子の役割の逆転」は、アルコール中毒の親に限らずほとんどすべての「毒になる親」のいる家庭で起きて


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,178
    多くの人は、親がアル中であるような救いようのない境遇に育った人間がまた似たようなトラウマのなかを生きるようになる事実に驚くかもしれない。だが、たとえ苦痛に満ちた感触であろうが、滅んでいく感触であろうが、慣れ親しんだ感触のパターンを再びくり返したいという衝動は無意識的であり、実はだれにでもあるのである。それが「慣れ親しんだ世界」のもつ魔力で


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,191
    約束を反古にするのはアルコール中毒者によくみられる特有の問題のひとつで


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,220
    また、たとえ親から積極的に飲酒に誘われなくても、アル中の親を持つ子供が将来アル中になる確率はやはり高い。それはなぜなのか? 中毒しやすい体質に遺伝的傾向があるのか、または生化学的な異常なのか、などといったことはいまのところまだわかっていない。だが私は、人間の行動や信条の多くは、親を模倣することによって身につくという大きな要素が存在すると


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,262
    頭痛には、心の奥にたまっている抑圧された怒りが原因になっていることが


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,336
    すべての種類の「毒になる親」を持った多くの子供たちと同様、人をコントロールしたがる彼の性格は、相手からの「拒否」という、自分がもっとも恐れている結果を招くだけだったの


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,341
    以前はあまり注目されていなかったことだが、最近の研究では、そういう家庭環境におけるアルコール中毒ではないほうの親の果たしている役割についてよくわかってきている。その親は、アル中の親の〝協力者〟であり、〝共依存〟(訳注:二章参照)の関係にあるので


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,360
    共依存者が〝ダメ人間〟をパートナーにするのは、自分が〝ダメ人間〟であることを自覚してのことばかりではなく、相手と比較して自分のほうがすぐれていると感じることができるためのことも


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,376
    もしあなたがアル中の親の子供だったら、自分の人生を自分の手に取り戻すためのカギは、そのような親を変えなくても あなたは 変わることができるのだと自覚すること


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,388
    肉体的な暴力でなければ暴力ではないと考える人は多いが、それは正しくない。言葉による暴力はそれと同じくらい、時にはそれ以上に人を傷つける力を持って


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,397
     どんな親でも、時には口汚い言葉を子供に浴びせることもあるかもしれないが、それだけでは必ずしも言葉による虐待ということにはならない。だが、子供の「身体的特徴」、「知能」、「能力」、「人間としての価値」などについて、 日常的かつ執拗 に、ひどい言葉で攻撃を加えるのは虐待で


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,422
    健康的なユーモアは人間生活にうるおいをもたらせ、家庭では家族のメンバーの結びつきを強める貴重な手段となるが、だれかをこき下ろすことによって残りの人間を笑わせようとする冗談は、とてもユーモアと呼ぶことはでき


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,455
    自信を育てなければならない大切な時期に、励まされるのではなくけなされるのでは、自信の芽は摘まれてしまうのである。だが親は、「わからせてやるため」という理由をつける。  こういう親は、実は 自分に能力がない ことに対してフラストレーションを抱えて


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,460
    だが「毒になる親」は、そんな子供の気持ちより自分の気持ちのほうが常に大事で


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,466
    心の健康な親にとっては、子供が成長してさまざまなことができるようになってくるのは、喜び以外のなにものでもない。だが心の不健康な親は、自分から何かが奪われていくような気分になり、子供に「かなわなくなってくる」ように感じる。だが、子供に対抗しようとする親のほとんどは、なぜ自分がそういう気持ちになるのかに気づいてい


    青色のハイライト | 位置: 1,475
    何事も競いたがる親は、子供時代に物が不足していたり、彼ら自身の親がやはりそのような人間だったために愛情を与えられなかった犠牲者であることが


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,477
    その結果彼らは、物でも愛情でも、自分にとって必要なものがいつも不足している気分がして あえいで


    青色のハイライト | 位置: 1,545
    そういう親は子供が守らなくてはいけないルールを作るのが大好きだが、それは自分の都合でいつも変わってばかりいる。  子供が親から与えられることを必要としているのは、「自分は愛され守ってもらっている」という「安心感」なのに、これでは逆である。子供はいつも何かに追いかけられているような気分と不安感から逃れることができ


    青色のハイライト | 位置: 1,644
    このようにして内面化され、自分で自分を苦しめる もと になっているネガティブな自己像を、再び表面に引き出すことによって打ち破っていく方法については、第二部で細かく述べたいと


    青色のハイライト | 位置: 1,693
     子育てをしたことのある親なら、そのほとんどが一度や二度は子供を叩きたいという衝動にかられたことはあるに違いない。特に子供が泣きやまなかったり、わけのわからぬことを言ってダダをこねたり、反抗した時などには、そういう気持ちになることがあっても無理はない。だが、それは子供がそういう行動をしたからというより、その時の親自身の精神状態、例えば、疲れている、ストレスがたまっている、不安や心配事がある、または自分が幸福な人生を生きていない、などが原因であることのほうが多いので


    黄色のハイライト | 位置: 1,740
    だがその反対に、子供時代に常に緊張と不安にさらされ、苦しみを強いられてきた人間は、成長するとともに、自分を防衛するために常に心身を硬くこわばらせた人間になっていく。それは精神的な鎧をまとっているようなもの


    黄色のハイライト | 位置: 1,749
    子供がターゲットにされる理由は簡単だ。弱い存在だから逆襲することもできず、簡単に沈黙させることができるからで


    黄色のハイライト | 位置: 1,764
    だが近年の研究によれば、体罰によって実際に子供が特に強くたくましく育つということはなく、好ましくない行為をした時の罰としても役にはたたないことが示されている。体罰は一時的に押さえつける効果があるだけで、子供の心には強い怒りや復讐心、自己嫌悪、大人に対する不信感などを生じさせ、むしろ障害になるというのが事実なの


    青色のハイライト | 位置: 1,775
    その親は、ただおろおろすることで、自分の沈黙が夫(妻)の暴力に間接的に荷担しているという事実を否定することができるからである。一方、子供のほうは、沈黙している親をかばったり正当化したりすることで、自分の親が 両方とも失格者 であるという事実を否定することが


    青色のハイライト | 位置: 1,783
    どちらの親が暴力を振るうにせよパターンは同じで、子供は助けてくれないほうの親を自分と同じような被害者だと感じてしまうことが


    青色のハイライト | 位置: 1,786
    だが多くの場合、子供はそういう母親を守ろうとさえする。これは明確な「役割の逆転」で


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,811
    言葉の暴力で痛めつけられた子供と同様、肉体的暴力で痛めつけられた子供もまた、親がそのようなことをするのは自分が何かいけないことをしたからなのだろうと感じている。こうして、自分を責める性格はやはり幼いころにその種を植えつけられてしまうわけ


    黄色のハイライト | 位置: 1,834
    痛めつけられた子供は、そんな親のなかにも〝親の愛〟を見いだそうとして子供時代を送り、その心理状態は大人になっても消えることが


    黄色のハイライト | 位置: 1,849
    親に痛めつけられて育った子供は、煮え立つような怒りを内面に抱えて


    黄色のハイライト | 位置: 1,851
    だが子供はその怒りの正当性をはっきりと自覚することができず、また怒りを表にあらわす方法を知らない。大人になってから押さえられた怒りがほとばしり出るようになるのも不思議では


    黄色のハイライト | 位置: 1,864
    全国の刑務所は、子供時代に親から暴力を振るわれて育ち、内面にたまった怒りを適切な形で表現する方法を教えられなかった人間たちでいっぱい


    青色のハイライト | 位置: 1,876
    これまで長い間、親に暴力を振るわれて育った子供はそのほとんどが自分も子供に暴力を振るう親になると一般に信じられてきたが、近年の調査によると、多くの場合そのようなことはなく、それどころか体罰はおろか普通に叱ることもろくにできないケースすらあることがわかってき


    オレンジ色のハイライト | 位置: 1,879
    彼らは自分が親からされたことへの反動で、子供をしつけることができないので


    黄色のハイライト | 位置: 1,963
    カウンセラーとしての私の経験では、そこには常に存在するひとつの要素がある。それは、事件が起こりやすい家というのは、人と心を通わせようとしない、とかくなんでも隠したがる、依存心が強い、ストレスが高い、人間の尊厳を尊重しない、などの特徴がある家だということだ。その反対に、開放的であたたかく、人とコミュニケーションをとることが好きな家では、そのような事件は起き

    Note:近親相関的行為のある家庭の特徴。

    黄色のハイライト | 位置: 2,027
    残酷な言葉や暴力で傷つけられて人格を踏みにじられた子供と同じように、近親相姦(的行為)の被害に遭った子供も、罪悪感を「内面化」する。だが、ひとつだけ違う点は、そこに羞恥心が加わることによって問題が複雑になっているということだ。そして「自分は悪いことをした」と思う気持ちは他のどのような場合よりも強くなり、これが自己嫌悪と羞恥心をさらに強める結果と


    黄色のハイライト | 位置: 2,033
    だが子供というのは、どんなことをされたとしても、自分の親が悪人であるとはなかなか考えることはできないものなの


    黄色のハイライト | 位置: 2,082
    彼女が神経症の発作を起こす寸前にまでなっていたのは、忌まわしい記憶をなんとかして心の奥に押さえ込もうとしていたためだ。だが、心の回復のためには、その記憶が大きな苦しみをもたらすものであればあるほど、押さえ込もうとせず意識の上に出してやらなければなら


    黄色のハイライト | 位置: 2,089
    それは時として二重人格的な人間になることを意味する。概して外で友人などと一緒の時は社交的で快活に振る舞っているが、家に帰ったとたんに別人のように無口になり、ひとりだけの世界に入ってしまう。そして、家族そろって出かけたり、家族と一緒に外部の人たちと時間を過ごすことを極度に嫌がる。なぜなら、外部の人たちに対してノーマルでまともな家族のように演技することは死ぬほど苦痛だからだ。そのため、時として非常に強い無力感に襲われ、自分にはもうエネルギーが残っていないような気分になることが

    Note:二重生活の心労がエネルギーを消耗させる。無力感とは概してこれかも?

    黄色のハイライト | 位置: 2,116
    子供の時に大人からいたずらなどの性的な行為をされた人間は、例外なく「自分に自信がない」「自分に価値を見いだせない」、「自己邪悪視」などのネガティブな感覚を引きずって成長


    黄色のハイライト | 位置: 2,126
    大人になってから異性との愛情関係がうまくいかなくなるのは、子供の時の体験が不健康で歪んだものだったためで


    黄色のハイライト | 位置: 2,129
    そのため、被害者は成長後、歪んだ異性愛を実現するような相手ばかり選んでしまう。そして、お互いを大切にし、尊重しあえるような健康的な愛情関係には馴染めず、かえって不自然に感じてしまう。それは自分に対して健康的な自己像を持つことができなくなっているためで


    黄色のハイライト | 位置: 2,143
    被害者のなかには活発な性生活を送り、正常なオーガズムを感じることができる女性も多くいるが、その後になって後ろめたい気がしたり、 うつ 状態になることはまれでは


    黄色のハイライト | 位置: 2,148
    その結果、表面的な快楽を得たことに対する〝自己処罰本能〟が働く。自殺したいなどと考えるのは、そのあらわれで


    黄色のハイライト | 位置: 2,160
    もうひとつよくあるのが、慢性的な頭痛である。こういう頭痛は、押さえ込まれた怒りと不安感が肉体的にあらわれたというだけでなく、自己処罰の一種なので


    黄色のハイライト | 位置: 2,188
    一方、親の方はほとんどといっていいくらい、例外なく「事実の否定」をかたくなに続け、自己防衛をやめようとし


    黄色のハイライト | 位置: 2,208
    このように自己を規定する意識を心のなかに固定させてしまうと、しだいに自滅的な性格を作り上げていく。  そういう人間から不幸を減らすには、そのような意識を変える以外に


    黄色のハイライト | 位置: 2,211
    だがそのためには、まず「無意識のうちに抱いてしまう感情」、「自分の送っている人生」、「自分が信じていること」などのどれほどが、自分が育った「家族というシステム」によって作り上げられてきたのかを知る必要が

    Note:罪のありかをしらないと、罪を赦すことができない、ということか。

    黄色のハイライト | 位置: 2,214
    あたたかくて愛情にあふれ、建設的な心をはぐくんでくれる親を持った子供が「毒になる親」になるということはない。つまり「毒になる親」というのは、その親もまた「毒になる親」だったのである。かくして、そこには「毒になる家系」とでもいえるものが出来上がってしまって


    黄色のハイライト | 位置: 2,218
    そういうわけだから、もしあなたの親が「毒になる親」だったとしても、その問題は彼らがはじめて作り出したものではないということを忘れてはならない。その前からずっと続いてきたネガティブな感情、ネガティブな家のルール、ネガティブな家族内部の人間関係、ネガティブな考え方などが何世代にもわたって伝わり、つぎつぎに積み上げられてきた結果なのである。この流れは、だれかがどこかで意識的に止めないかぎり途切れることが


    黄色のハイライト | 位置: 2,242
    「毒になる親」は、自分の考えが間違っていることを示す事実には必ず抵抗する。そして自分の考えを変えるのではなく、自分の考えに合うように周囲の事実をねじ曲げて解釈しようと


    黄色のハイライト | 位置: 2,253
    だが後者の、言葉には出さないで表現された親の考えは、子供は自分でも知らないうちに受けとめてしまっていることが多く、たとえそれが間違ったものであっても、はっきり意識せずに身についてしまっているので、気がついていないものを拒否するのは困難で

    Note:示唆したり誘導したり、感情で子供を動かしたりすることについて

    黄色のハイライト | 位置: 2,257
    例えば、父親が母親を扱うやり方(あるいはその逆)や、両親が子供を扱うやり方は、無言のうちになんらかのメッセージを子供に伝えてくる。子供が親の行動から学ぶことのなかでも、こういうことは重要な位置を占めるので

    Note:言語化されないインプットのそのたの例。

    黄色のハイライト | 位置: 2,273
    彼の親は、すべての「毒になる親」と同様、「自分たちの望む通りにしなければ罪悪感を与え、愛情は与えてやらない」という人たちだった。これこそ、子供に対するコントロールを再び自分の手中に取り戻そうとするための手法なのである。彼はこのことを正しく理解できたおかげで、無実の罪悪感から解放されることができたのだっ


    黄色のハイライト | 位置: 2,284
    だが言葉に出して語られることのないルールは、目に見えない操り人形師のように子供を背後からあやつり、子供が盲目的に従うことを要求


    黄色のハイライト | 位置: 2,285
    それらは意識の上にも上がっていない隠されたルールであり、「父親よりも偉くなるな」、「母親をさしおいて幸せになるな」、「親の望む通りの人生を送れ」、「いつまでも親を必要としていろ」、「私を見捨てるな」などがそれで


    黄色のハイライト | 位置: 2,287
    このような「無言のルール」は、子供が大人になっても人生にべったりとまつわりついて離れようとしない。この状態を変えるための第一歩は、まずこの事実を認めること


    黄色のハイライト | 位置: 2,315
    人生に害毒を及ぼす親のルールを捨て去るには、普段は自覚することのない無意識の世界にスポットライトを当て、暗がりから引きずり出すことが必要で


    黄色のハイライト | 位置: 2,316
    自分はどんなルールに縛られているかをはっきりと見きわめる以外に、自分の人生を自由意思で選択できるようになる道は


    黄色のハイライト | 位置: 2,319
    健康な家と「毒になる家」の最大の違いは、家族のメンバー一人ひとりにどれほど個人的な考えや感情を表現する自由があるかという点で


    黄色のハイライト | 位置: 2,322
    だが、「毒になる親」のいる不健康な家庭では、メンバーの一人ひとりが自分を表現することを認めず、子供は親の考えに従い、親の要求を実行しなくてはならない。だが、そういうことをしていると、個人間の境界がぼやけ、何が自分の本当の意思なのかがわからなくなってくる。こうして家族のメンバー同士は不健康な形で密着し、親も子供もどこまでが自分でどこから先が子供(親)なのかがわからない。そしてそのように密着することでお互いを窒息させ合っているので


    黄色のハイライト | 位置: 2,334
    こうなると、もはや子供の感情、行動、決定などは、本人のものではなくなってしまい、「家」の従属物となってしまうのである(三章を参照の


    黄色のハイライト | 位置: 2,415
    第二部は、不幸にしてそのような親を持った人間がいかにしてその悪影響から身を守り、自滅的な行動パターンを建設的なものに変えて、自分の人生を自分のものとして生きていくにはどうしたらよいかについて具体的な方法を示そうとするもので


    黄色のハイライト | 位置: 2,455
    そういうわけで、私はその後、長い年月をかけて「許す」という概念について綿密に研究してきた。そして次第に、「許さないといけないから許す」という考えは、傷ついた心の回復には助けにならないばかりか、むしろ妨げになっているのではないかと思うようになっ


    黄色のハイライト | 位置: 2,474
    さらに被害者の観察を続けた結果、私はそのような「罪の免除」は「事実の否定」(一章参照)の一形態に過ぎないと確信し


    黄色のハイライト | 位置: 2,483
    自分の身に起きたことの〝責任〟は、自分にあるかだれか他の人にあるかのどちらかでしか


    黄色のハイライト | 位置: 2,485
    そこで、親を「許した」と言っている人たちは、無理して親の責任を免除した結果、自分がその責任を負うことに


    黄色のハイライト | 位置: 2,486
    そして自責の念や自己嫌悪に陥り、または押さえ込まれた怒りが原因で心身にさまざまな障害を引き起こしているので


    黄色のハイライト | 位置: 2,510
    そこで私は、抑うつ症を治すためにしばらくの間だけ「許す」ことは忘れて、内面に潜んでいるかもしれない「怒り」を感じ取ってみる練習から始めてみたらどうかと勧めた。だが彼女はその提案に強く抵抗し、「許す」ことの大切さを深く信じていること、そして治るために「怒る」必要はないと主張し


    黄色のハイライト | 位置: 2,527
    誤解がないようにつけ加えておきたいが、私はけっして「親を許すな」と言っているのではない。本当に許すことができるのなら、それはかまわない。だがそれは、「心の大掃除」という長い道のりを経て、すべての整理がついたうえで、最後の結論としてそうなるのでなくてはならないということなので


    黄色のハイライト | 位置: 2,530
    ひどい思いをさせられた人間は、「怒り」という感情を抑さえておかずに外に出す 必要が


    黄色のハイライト | 位置: 2,533
    人は簡単に「許して忘れなさい」と言うかもしれないが、それは「そんなことは何も起きなかったというフリをしていなさい」と言っているのと同じで


    黄色のハイライト | 位置: 2,540
    もし問題の親がすでに死亡していて、責任を取ることができない場合は、被害者は怒りを抱いている自分を許すことによって、心身の健康に大きな影響を与えていた親の心理的支配から自己を解放し、傷ついた心を癒すことができる(詳しくは十三章を参照の


    黄色のハイライト | 位置: 2,544
    私は長年にわたって多くの被害者をカウンセリングし、観察してきたが、「毒になる親」の支配から自己を解放した者は、必ずしも親を許さなくても心の健康と平和を取り戻すことができている。そのような解放は、自分が内面に抱える「激しい怒り」と「深い悲しみ」という二つの感情と正直に取り組み、苦しみの原因となったことの責任を本来負わなければならない人間、すなわち害毒を与えた親の両肩に返すことができて、はじめて可能となっているので


    黄色のハイライト | 位置: 2,592
    多くの「毒になる親」に共通していることは、彼らは自分の不幸や不快な思いを他人のせいにするということで


    黄色のハイライト | 位置: 2,595
    だが、ここが大事なところだ。人間の感情が他人の言動から影響を受けるのは事実だが、大人であるなら、だれかに傷つけられた時に自分を癒すのは自分の責任である。それは親であろうと同じこと


    黄色のハイライト | 位置: 2,691
    このように、自分の感情のわき起こるもとになっているものが何なのかを知ることは、感情をコントロールできるようになるための重要な第一歩で


    黄色のハイライト | 位置: 2,748
    「本当の自分でいる」ということは、人の気持ちを踏みにじったり、自分の行動が人に及ぼす影響を無視することではない。だが、それは同時に、他人が自分の気持ちを踏みにじって勝手なことをするのを許すことでも


    黄色のハイライト | 位置: 2,756
    大切なのは、なんとなく押し切られて、本当はいやなのにそうなってしまったというのではなく、自分の自由意思で選択してそうなったということである。それはつまり、自分に誠実であるということ


    黄色のハイライト | 位置: 2,761
    そのような態度でずっと生きてきた人は、大人になってから子供時代を振り返ってみると、自分が本当にやりたいことをしたという思い出がほとんどなく、そのために長い間に心の奥にたまった怒りと、心から充実した気分になったことがないという事実が、しだいに抑うつ症やかんし


    黄色のハイライト | 位置: 2,765
    この「反射的で自動的な反応」は、相手が恋人であろうが上司や友人であろうがだれに対しても起きるが、たいてい最も激しく起きるのは親に対してで

    Note:この、反射的で自動的な反応、ということにまず気づくことが重要。

    黄色のハイライト | 位置: 2,774
    相手に対して感情が自動的に反応してしまうのを許しているということは、自分に対するコントロールを失っているということであり、言葉を変えれば、自分の感情は相手しだいでどうにでもなってしまうということになる。それはつまり、自分の感情をコントロールする力を相手に与えてしまっているということ


    黄色のハイライト | 位置: 2,778
    「反応」するのと「対応」するのでは、言葉は似ているが大きな違いがある。「反応」が自動的で反射的であるのに対し、「対応」している時、あなたは感情がわき起こっていると同時に〝考えて〟


    黄色のハイライト | 位置: 2,797
    ほとんどの人は、人と衝突すると、自分を防衛するためについ相手に対して攻撃的になってしまう。そうしなければ相手はそれにつけ込んでますます攻め込んでくるだろうと考えるからである。だが事実はその反対だ。冷静さを失わないまま、譲らないところは譲らないという態度こそ強さを保持できるので


    黄色のハイライト | 位置: 2,835
    人に対して自分をはっきりさせることができないのは、自分の弱さのためだと考える人は多い。けれども、「自分にはできない」と思っているのは、実際には「できない」のではなく、「しないでいること」を選択しているので


    黄色のハイライト | 位置: 2,843
    できない」と言うのではなく「しないと選択する」と言えるようになった時(もちろん言い訳ではなく)、未来へ通じるドアが開か


    黄色のハイライト | 位置: 2,856
    毒になる親」は子供の感情を支配することに慣れており、子供は大人になっても自動的かつ反射的に反応することが条件反射のようになって


    黄色のハイライト | 位置: 2,887
    なぜなら、子供時代に起きた出来事の責任がだれにあるのかという事実について 正直に 認識することができない限り、その人の心が本当に晴れることは一生ないからである。そして、その状態が続く限り、羞恥と自己嫌悪が消えることはなく、その人は永久に自分を罰し続けることになってしまうので


    黄色のハイライト | 位置: 2,905
    くり返すが、子供時代に親によってもたらされたつらくて悲しい出来事について、子供だったあなたには責任がない。あなたはそのことをはっきりと認識し、もしまだ自分に責任があるように感じているなら、責任は負わなければならない人間が負うべきものであることを心の底から理解しなければなら


    黄色のハイライト | 位置: 2,939
    義務を果たさない親によって結果的に子供が苦しめられているのであれば、そこに悪意があったかなかったかを論じるのは的がはずれている。親としての義務を果たさなかった親は、したこととしなかったことの両方の面で責任を負わねばなら


    黄色のハイライト | 位置: 2,941
    一方、暴力を振るう親に折檻されるなどして子供時代に痛めつけられた人間も、大人になってから親の責任をなかなか指摘することができないことが多い。そういう子供は、自分の家は〝いい家〟であるという虚像を信じたいがために、「悪いのは親ではなく自分なのだ」という意識をなかなかぬぐい去ることができないということを思い出してほしい。この意識は、親から暴力で虐待された子供が大人になってから示す事実上ほぼすべての自滅的な行動パターンの根底に横たわって


    黄色のハイライト | 位置: 2,957
    そういう子供は小さなころからみじめな思いに慣らされているので、子供のころに自分の家では普通と違うことが起きていたことについてぼんやりとした記憶しかないことも多い。だがほとんどの場合、内面に抱えている怒りに気づいていないだけなので


    黄色のハイライト | 位置: 2,970
    感情というのは正しいとか間違っているとかいうものではなく、ただそういうものがそこに存在しているという事実があるだけなのである。それはあなたの一部分であり、あなたが人間であることの証拠なの


    黄色のハイライト | 位置: 2,974
    また、怒りは何かが変わらなくてはならないことを常に意味して


    黄色のハイライト | 位置: 2,982
    スポーツや運動など、身体的活動をする。体をよく動かすことで筋肉をほぐすと、心にたまった怒りもほぐれてくる。スポーツクラブに通うのでも、テニスでもジョギングでも自転車でもなんでもよい。それができなければ部屋の大掃除でもディスコに踊りに行くのでもよい。活発な身体的活動はエンドルフィンという脳内麻酔物質の分泌を増加させ、これが心の安定に寄与するので


    黄色のハイライト | 位置: 2,985
    怒っている時には、そのことをはっきりと自分に対して認めたほうがよい。そのほうがエネルギーが増し、建設的になれる。その反対に、怒りを心の奥に抑えつけているとエネルギーは渋滞して低下してしまい、何もやる気が起きなく


    黄色のハイライト | 位置: 3,002
    怒りを心の奥にため込んだ女性が、自分に代わって怒りを表現して行動してくれる男性に惹かれることがよくあるのはそのためだ。代理を使って自分の怒りを放出し、うっぷんを晴らすわけである。だが残念なことに、そういう男性はすぐ腹を立てやすく、女性をコントロールしたがったり虐待するタイプが多いので


    黄色のハイライト | 位置: 3,023
    毒になる親」に育てられた人間は、ほぼ毎日のようにこれらの「喪失」を体験しているのだが、その事実を無視したり、心の奥深くに押し込んだりしているので


    黄色のハイライト | 位置: 3,030
    「強い怒り」と同じで、「深い悲しみ」も十分に感じ取って十分に嘆き切った後でないと心が回復を始めることはでき


    黄色のハイライト | 位置: 3,032
    嘆き悲しむ」ことを避けていると、「深い悲しみ」はいつまでもなくなることは


    黄色のハイライト | 位置: 3,050
    自己憐憫とは、自分を哀れむあまり何もできなくなっている状態のことである。自分を哀れんでいる人は、心のどこかで、だれかがなんとかしてくれないだろうかと感じている。それは自分の責任を逃れようとしていることでもあり、勇気のない状態である。だが、「深く嘆き悲しむ」というのは、「自分を哀れんでいる」のとはまったく違う。それは、前進できなくなっている状態から脱出するためのプロセスであり、自分を癒し、抱えている問題に対して現実的な対応を可能にするための行為で


    黄色のハイライト | 位置: 3,070
    大きな悲しみもいつかは消える時が来る。それまでには時間がかかるが、それは漠然とした長さではない。かかる時間は、自分が失ったものについての事実を寄せ集め、現実を受け入れるまでの長さで


    黄色のハイライト | 位置: 3,108
    ここでもう一度、この〝対決〟の目的についてはっきりさせておこう。その目的は、つぎのようなこと ではない。 ■親に復讐するため ■親を罰するため ■親をけなすため ■自分の怒りをぶちまけるため ■親から何かを引き出すため その真の目的はつぎのようなことだ。 ■親と正面から向き合い、はっきりと話をすること ■そのことへの恐怖心を、これを最初で最後のこととして勇気を出して乗り越えること ■親に真実を語ること ■親と今後どのような形の関係を維持することが可能かを判断する


    黄色のハイライト | 位置: 3,126
    だが大切なことは、この〝対決〟は彼らのためではなく 自分のために 行うものだということである。親のネガティブな反応ははじめからわかっていることだ。成功か失敗かを決めるのは親の反応がどうだったかではなく、自分にどれほどの勇気がありどのような態度を取れたかということなので


    黄色のハイライト | 位置: 3,135
    もしこの方法を取らなければ、残る道はその恐れとともに残りの人生を生き続けることしかない。そして、自分自身のために建設的な行動を起こすことを避け続けていれば、無力感や自分に対する不十分感は永久になくならず、自尊心は傷ついたまま

    Note:著者が親との対決を勧める理由。それともうひとつ、これをさけると次の世代に毒を渡してしまう、とのこと。あるいは配偶者がその犠牲になる。

    黄色のハイライト | 位置: 3,180
    手紙などあまり書いたことがないという人も多いだろうが、この方法は対面して話をするのとほぼ同じくらいの効果がある。どちらの親に対する手紙も、まず、「この手紙にこれから書くことは、いままであなたに一度も言ったことのないことです」という書き出しで始め、主な内容にはつぎの四点を必ず含めるようにする。 1.あなたが私にしたこと 2.その時の私の気持ち 3.そのことが私の人生に与えた影響 4.現在のあなたに望む


    黄色のハイライト | 位置: 3,185
    この四点が、どのようなタイプの「毒になる親」との〝対決〟でも必要な核心部分であり、あなたが言わんとすることはほぼすべてこれに集約される。これを常に念頭に置いていれば、話が混乱したり散漫になるのを防ぐことが


    黄色のハイライト | 位置: 3,220
    だれもが想像する通り、ほとんどの親はあなたが話を始めるやいなや、ただちに言い返してくるだろ


    黄色のハイライト | 位置: 3,223
    おそらく彼らは、あなたの言葉を悪質な個人攻撃と受けとめ、家族に対する裏切り行為だと考えるだろう。要するに、彼らの反応は、これまであなたに対して取ってきた態度と少しも変わるところはないだろうということだ。  例えば、「親としての能力のない親」はいっそう哀れを誘うように振る舞い、ただおろおろするだけかもしれない。「アルコール中毒の親」はさらに怒りや憎しみを込めて自分がアル中である事実を激しく否定するかもしれないし、もしアルコールを断つ治療を受けているところなら、それを理由にあなたの話をかわそうとするかもしれない。「コントロールしたがる親」はさらに独善的な態度を強めて、あなたに罪悪感を感じさせようとするかもしれない。「言葉で傷つける親」は間違いなく激高し、あなたをののしりだすだろう。これらの反応はすべて、親子の間の力のバランスを現状のまま維持し、あなたを従属的な立場に置いておこうとする反射的な反応なのである。もしそれより少しでも まし な反応が得られたら、それは予想外の収穫と考えなくてはなら


    黄色のハイライト | 位置: 3,234
    もしあなたが、親の怒りや非難、脅し、あるいはあなたに罪悪感を抱かせるような言葉や態度を真正面から受けとめ、動じずにいることができたなら、あなたはいままでに経験したことのない自信に満ちた自分を体験できるだろ


    黄色のハイライト | 位置: 3,242
    予想される親のネガティブな反応に対しては、つぎのような言葉を練習しておく。 ■あなたはもちろんそういう見方をするでしょうが、 ■私のことをそんな風にののしったりわめいたりしても、何も解決しませんよ。 ■そういう決めつけは受け入れられません。 ■あなたがそのようなことを言うということ自体、こういう話し合いが必要だという証拠です。 ■私に対してそんな言い方をするのはよくないことです。 ■私の話を最後まで聞くと同意したでしょう。 ■あなたがもう少し冷静な時に、もう一度やりなおしましょ


    黄色のハイライト | 位置: 3,264
    [あなたの対応]:「そうやって私のせいにするのは勝手だけど、そんなことをしても、私が子供の時にあなたがしたことの責任を逃れられるわけではないのです


    黄色のハイライト | 位置: 3,286
    [あなたの対応]:「私のためにしてくれたことには感謝している。だが、そういうことがあったからといって、あなたが私に暴力を振るったこと(あるいは、いつもひどい言葉で傷つけたこと、私を踏みにじって侮辱したこと、過干渉とコントロールで私を苦しめたこと、アルコール中毒であること、等々)を埋め合わせることにはならないん


    黄色のハイライト | 位置: 3,458
    最も多くの人たちが選んだ方法は、その後は話をするにしても本当の気持ちを伝えることはもうせず、当たり障りのない表面だけの関係とし、親と会う場合も状況を限定するというものだった。おそらくこれは最も現実的で、実際に効果がある方法かもしれない。それは、親との接触は断たないが、自分の「心の健康」を犠牲にしない範囲の接触に限定する、ということで


    黄色のハイライト | 位置: 3,500
    以上の三つの道──親とよりよい関係を作り出すために話し合うことができるのか、それとも表面的な関係だけに限定していくのか、完全に断ち切るのか──のどれを選ぶかは、自分の健康と正気を守るためにはどうする必要があり、どこまでが可能か、ということによって決まってくるだろ


    黄色のハイライト | 位置: 3,658
    こういう人が自分でも気づかずに押し殺してきた怒りを解き放ったら、それこそ火山の噴火のようになる。そうなった時には、そのすさまじさに本人も圧倒されてしまうだろう。また、強い怒りを心の奥に押さえ込み、意識の外に押しやっている人は、頭痛や抑うつ症などの心身の障害となってあらわれている場合も


    黄色のハイライト | 位置: 3,661
    一方、もうひとつのタイプは、怒りを押さえ込んでいるのではなく、いつもあふれるにまかせていて自分がコントロールできなくなっている人たちである。そういう人は、まわり中の人間に対してものすごい剣幕で食ってかかったりするが、本当に腹を立てている相手すなわち自分の親に対してはそれができ


    黄色のハイライト | 位置: 3,676
    「怒り」と「悲しみ」を心のなかから出し切ったら、最後は「自己の解放」である。ネガティブな感情が無駄に浪費しているエネルギーの方向を変え、人生を再構築して自己像を立て直すために使うようにすることを学ぶ。この段階に来るまでには、それまで示していた症状の多くは大幅に減少しているか、コントロール可能になっているはずで


    黄色のハイライト | 位置: 3,686
    手紙は毎週一回家で書き、グループ・セラピーの場に持ち寄りみなの前で朗読する。この手紙は実際に親に宛てて出す必要は

    Note:解放の手段としての手紙書き。

    黄色のハイライト | 位置: 3,705
    自分の内部に住んでいる〝傷ついた子供〟に宛てる手紙は、いろいろな意味で書くのが難しいかもしれないが、非常に重要である。これは「自分の親になる」という練習から


    黄色のハイライト | 位置: 3,707
    「自分の親になる」とは、自分の心のなかに深く入っていき、いまだに内部に抱えている〝傷ついた子供〟に対して愛情を注いで言い分を聞いてあげることのできる〝親〟になるということで


    黄色のハイライト | 位置: 3,715
    この手紙を書くことにより、被害者はその切り捨てられた〝子供〟を抱きしめ、もう一度自己と合体させるように指導される。そして愛情あふれる自分の親となって、その可哀相な子供が一度も与えられることがなかったあたたかいサポートを与えるので


    黄色のハイライト | 位置: 3,734
    なかにはユーモアあふれる話を書いたり、書きながら子供のようにふざける心を取り戻す人もいるが、一方で、何も書けないとか、ばかばかしくてできないと言って抵抗する人も多い。だが、そういう人も最後には必ず熱中するようになり、この童話書きは心を癒す感動的な作業と


    黄色のハイライト | 位置: 3,750
    この順に一回書いたら、またはじめからくり返してこの順に書く。何回かくり返すことにより、この手紙書きは心の健康を回復するための強力な手段となるばかりでなく、回復の程度を示すバロメーターともなる。はじめの二、三週間に書いたものと、三、四か月後に書いたものを比べてみると、大きく違ってきていることがわかるであろ

    Note:加害者である親、他の親、被害当時の自分、第三者にみせるハッピーエンドにつながる寓話的自分ストーリー、恋人や配偶者、自分の子供への自分史の伝達、という順番でてがみをかく。

    黄色のハイライト | 位置: 3,799
    「手紙書き」を何度もくり返し、「ロール・プレイ」およびその他の方法による練習を終え、親と〝対決〟し、その結果、親とのその後の関係を(絶縁も含み)どういうものにするかが決断できた時、自分の内部には「強さ」と「心身の健康」がはっきりと増加するのを感じていることだろう。そしてその時には、「ものの考え方」、「ものの感じ方」、「行動の仕方」に変化が訪れ、それらが合成されて自分の個性のなかに統一されていくのがわかるだろう。それは、プログラムからの〝卒業〟の時が来たことを意味


    黄色のハイライト | 位置: 3,838
    そこで彼女は、セラピーを続ける一方で育児教室に参加した。自分の親はあまりにも「親の義務を果たさない親」だったので、いい親というのはどう行動するものなのかよくわからなかったからで

    Note:負の連鎖をたちきるアイデア。

    黄色のハイライト | 位置: 3,854
    くり返される輪廻というのは、その存在に気がつかなければ断ち切ることはでき


    黄色のハイライト | 位置: 3,905
    子供に謝ることのできない人というのは、愛情が欠けている人間で


    黄色のハイライト | 位置: 3,906
    そういう人は、そんなことをしたら面目を失うとか、軟弱さの証拠だとか、親の威厳がなくなると恐れている。だが事実を言うなら、子供というのは謝った親を見下すようなことはしないばかりか、かえってそういう親を以前にも増して尊敬できるようになるもので


    黄色のハイライト | 位置: 3,942
    そういう親を持ったほとんどの人は、自分の親が子供を理解し受け入れることのできる、愛情のある親になってくれるようにと、それこそあらゆる犠牲を払ってもがいている。そうして〝もがく〟ことで本人はエネルギーを使い果たし、日々の生活は混乱と苦痛に満ちたものとなっているのに、その〝もがき〟はまったく報われることはない。  そんな〝もがき〟は、いまこそもうやめるべきだ。〝ゲーム〟に勝つための唯一の道は、その〝ゲーム〟をしないことなので


    黄色のハイライト | 位置: 3,993
    「毒になる親」に育てられた子供は、愛情とは何なのか、人を愛したり愛されたりするとい

  • 特に無し

  • 面白い。
    毒親の説明とその対処の仕方が書いてある。

    毒親に限らず、世間というのは毒を持ったに人間であふれている。学校の同級生、職場の上司等から受けた影響にも応用できる。毒親を持った人の理解にもつながるし、自分を見つめなおすツールとなる良書。

  • 【要約】
    ・毒親に育てられた子供は、その子供時代のトラウマから人生に破綻をきたす。しかしその原因に気づかないことが多い。
    著者は著名なカウンセラーで、毒親に育てられた患者を何人も診てきた。その経験談から、具体例をいくつも取り上げ、どうすれば子供自身が幸せな人生を取り戻せるのか、ステップバイステップで書かれている。
    悲しいことに、毒親に育てられた子供は、将来知らず知らずのうちに毒親になってしまうケースが多い。
    読んでいて本当に悲しい、やるせない気分になった。

    【メンタルマップ】
    ・毒親にならないためには
    ・毒親に育てられた子供はどうすれば立ち直れるのか知りたい
    ⇒親と"対決"すること。この場合の対決とは、過去に自分にしたことについて、自分はとても不快に思っているし、今でもその状況が続いているのであれば、すぐにそれをやめてほしいと伝える。
    もし状況が改善されないのであれば、最終手段として親と縁を切るという方法まである。

    【重要な点】
    ・意外な原因
    自分の身に起きている問題や悩みと「親」との因果関係について気づいている人はほとんどいない。これはよくある心理的な盲点なのである。なぜかといえば、ほとんどの人は、自分の人生を左右している問題の最も大きな要因が親であると考えることには抵抗を感じるからである。  一方、カウンセラー(心理セラピスト)の取る手法のほうは、かつては被治療者の幼児期からの体験を分析することに多くの比重が置かれていたが、最近の傾向としては〝いま現在〟のことのみに注目し、過去の出来事には触れないまま現在の行動パターンや心理機能を改善することに力点が置かれている。

    ・毒親の定義
    ところが世の中には、子供に対するネガティブな行動パターンが 執拗に継続 し、それが子供の人生を支配するようになってしまう親がたくさんいる。子供に害悪を及ぼす親とは、そういう親のこと。

    ・毒親に育てられるとどうなるか
    残酷な言葉で傷つけられていたにせよ、過保護にされていたにせよ、後ろめたい気持ちにさせられてばかりいたにせよ、いずれもほとんどの場合、その子供は成長してから驚くほど似たような症状を示す。どういう症状かといえば、「一人の人間として存在していることへの自信が傷つけられており、自己破壊的な傾向を示す」ということである。そして、彼らはほとんど全員といっていいくらい、いずれも自分に価値を見いだすことが困難で、人から本当に愛される自信がなく、そして何をしても自分は不十分であるように感じているのである。

    ・親が親らしく~しなかったことの罪
    子供が親から受けるダメージが、親が何かひどいことを した ことによってではなく、何かを しなかった ことによって与えられた場合、その子供が大人になってから自分の人生に起きる問題と親との関連性を見抜くことは非常に難しくなる。また、そういう親を持った子供は、もともと自分の抱える問題と親との関連性を否定する傾向が特に強いので、その作業をいっそう難しくする。

    【読後のアクションプラン】
    ・絶対に親が親としての役割を放棄することはしてはいけない。
    ・親として子供の需要を満たし、感情的になった時は、一歩引いて客観的に状況を再観察する。

  • 読みだしてから読み終えるまでかなりの時間がかかった。
    その間に自分自身も妊娠し、親との関係性も変化してきた。

    「親ガチャ」とか「毒親」とか色々親との関係性はある。
    私は愛されて育ったが、それゆえに親との関係性が共依存になりがちで
    親離れが自分の中でできてなかったように思う。


    様々な虐待を受けた方も、そうでない方も一度読んでみてほしい。
    親も自分もそれぞれに人生が、生き方があるのだから。

  • 目的 毒親について理解を深める

    メモ 親からかけた言葉はこどもの無意識に刷り込まれる

    自分の行動 子供を肯定し、やりたいことを応援する、負の連鎖を自分の代で断ち切る

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