炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―(新潮選書) [Kindle]

著者 :
  • 新潮社
3.92
  • (2)
  • (7)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 46
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (241ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 脱炭素やカーボンゼロなど、とかく悪者にされている炭素が、いかに地球や人類のために必須なものなのかを、改めて思い知らされる
    化学の知見やバックグラウンドが無くても、歴史上の出来事や身近な事例で、わかりやすく炭素の役割が分かる

  • 炭素こそ「元素の王者」であるという序章から始まる一冊をkindleで読了。
    地表ではわずか0.08%しか存在しない一方、水分を除いた人間の体重の約半分を占めるこの元素が王者である所以は、安定かつ多様な化合物を作り出すことができるところにあると言う。そして、その炭素化合物として挙げられた物を見ていくと、王者と称される理由がよく分かる。
    デンプン、砂糖は「人類の生命を支え」、ニコチン、カフェインで「人類の心を動かし」、ニトロ、石油は「世界を動かした」。世界史上で起きた様々なことが、「王者」が作り出した化合物でクリアに説明ができてしまう。人類はこの「王者」の前にはひれ伏すしかないかの様だ。
    化学と世界史のつながりを実感させてくれる良書。

  • 東レの炭素繊維といった素材で注目度が上がってきていたので購入しました。

    感想としては、この本には高校生の時に出会いたかったです。
    読む前はダイヤモンドやフラーレン、黒鉛といった素材としての炭素の話かと思っていましたが、実は食品化学に結びついた有機化学の話であり、食品生化学を専攻していた私として非常に興味ふかく楽しく読めました。

    著者の意図通り、もっと化学は身近にありそれを知って専攻して学んでほしいというのがひしひしと伝わってきました。

  • 炭素が織りなす数多の物質をモチーフに人類と炭素の密接な関わりをわかりやすく解説した本。

    化学に対する興味を掻き立てられる。

  • 炭素はエネルギー、食糧の生産性を向上させえ、それらの分野で直面している現代社会の問題を解決するためのキー元素となっている。ないがしろには出来ず、その性質とその性質を用いた問題解決の動向には焦点を当て続けることが肝要である。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

千葉大学大学院社会科学研究院准教授。1976年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)

〈主要業績〉
『「平等」理念と政治――大正・昭和戦前期の税制改正と地域主義』(吉田書店、2014年)
「大正期の東北振興運動――東北振興会と『東北日本』主幹浅野源吾」(『国家学会雑誌』第118巻第3・4号、2005年)

「2019年 『公正から問う近代日本史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤健太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×