ウォルト・ディズニーの約束 [Blu-ray]

  • 13人登録
  • 4.00評価
    • (2)
    • (3)
    • (2)
    • (0)
    • (0)
  • 3レビュー
  • Amazon.co.jp ・映画

ウォルト・ディズニーの約束 [Blu-ray]の感想・レビュー・書評

  • 当直明けに、気持ちよく観られるエンターテイメントが観たいと思って観ました。

     

    「メリー・ポピンズ」製作秘話、としては、正直ずるくて、完成した映画を死ぬまで嫌っていたという原作者は多分あの世で怒っているでしょう…。でも、実話ベースで作られたフィクションとしてはすごくよくできていて、役者さんたちの演技もドンピシャでした。特に主人公である原作者をただの嫌な女(っていうかクソババア)にしなかったエマ・トンプソンと、魅力的なんだけど問題を抱えた父親を演じたコリン・ファレルがよかった。

     

    幸い身近に依存症の人はいないのだけれど、医療者として関わったことはあって(でもアルコールにせよ薬物にせよ、依存症自体の治療をする立場にはなく、専門施設の受診を勧めることしかできない)、どんなに恐ろしくて難しい病気か少しは知っているだけに、子供時代パートがやけにリアルで悲しかった。

    ずっと一緒にいるよ、という父親、私が来たからもう大丈夫よ、という伯母。子供を安心させようとした約束が、守れないことで却って子供を傷つけてしまう。だから、主人公は「メリー・ポピンズを映画にするって娘と約束したんだ!」と嬉しそうに語るディズニーを信用しないし、でも「メリー・ポピンズ」を観ている観客は、最終的に出来た映画でメリー・ポピンズは「守れない約束はしない」とはっきり言うことを知っている。うまいなあ。

    ちなみに、「メリー・ポピンズ」は観ていることを前提にしている映画です。引用の仕方が本当にうまくて、最初と最後にメリー・ポピンズの訪れを予感するバートのセリフ(歌)がナレーションで入るのもよかった。チムチムチェリーがもともと何となく物悲しい、ノスタルジックな曲調ですしね。

     

    実際には原作者は映画が気に入らなかった訳だし、現実にはあんな風に憑き物が落ちるみたいに不完全な父親を愛した(今も愛している)不完全な自分を受け入れて許したりできないとは思うんです。ディズニーが嫌いな人はディズニーのこういうところが嫌いなのかもしれません。でも、映画を観るときくらい、こんな風に人は自分を許して人生をもう一度愛することができる、って夢をみさせてもらってもバチは当たらないかなと思います。ディズニーはきれいで人を傷つけない夢を見させることに関しては、本当に上手で、全ての映画がこんな風だったら物足りないけど、こういう映画が観たいときもあります。

  • “許し”の映画ですな。
    邦画タイトルの方が客は呼べるかもしれないけど、
    原題“Saving Mr. Banks”の方が観終わったあと、
    心に沁みるタイトルです。
    なんかぼろぼろ泣けました。

    メリー・ポピンズの原作者の両親はオーストラリアの田舎に引越し、
    大草原の小さな家みたいな周りに何もない処で暮らしますが、
    夢想家の父と内向的な母は世間の荒波に翻弄されます。
    居酒屋でクダ巻いてるおばちゃん、おじちゃんたちみたいに
    愚痴を言える隣人がいればあんなに追い込まれなかったんじゃないかな。
    空想の世界へ誘ってくれる父親は、彼女にとってとても良い父親です。
    でも現実世界と折り合わず、何度も仕事を変えた挙句、最も合わない銀行家になり、
    当然上手く行かず、酒に溺れて自滅します。
    内向的で優しい母親は頑張りましたが限界を超えてしまいます。
    父が病に伏せ母が限界を超えたとき、家政婦として父方の叔母が父を助けに来ます。
    彼女こそメリー・ポピンズのモデルであり、
    メリー・ポピンズは原作者の家族の物語だったのです。

    だから原作者はメリー・ポピンズを愉快で楽しいディズニー映画にしたくなかったし、
    商業映画にすることを20年間拒んだのです。

    果たしてウォルト・ディズニーは如何にして映画化権を原作者の彼女に認めさせたのでしょうか。

    貧しく平和でない同じような境遇で育ったウォルト・ディズニーと彼女は
    なにが違ったかといえば、許しだと思うのです。
    自分を許せたかどうかです。
    ウォルト・ディズニーが、彼女に
    「過去に支配されるのはやめましょう。ご自分を許しなさい。父上も許してくれます。」
    彼女は全部背負い込んじゃう性格なんですね。父親の不遇も背負い込んじゃった。
    それで長年苦しんで苦しんで人を寄せ付けずまた苦しんで・・・。
    なんか、判るわぁ・・・。
    だから自分を許していいんだよ、といわれるとぼろぼろ泣いてしまいました。
    泣けました。

    彼女は滞在先のホテルのラウンジで談笑する人達を見ながらいつも一人で部屋に戻ります。
    映画完成試写会でも、記者に囲まれるウォルトを横目にやはりひとりで佇む彼女。
    そんな彼女にそっと寄り添いエスコートした者がいます。ミッキーでした。
    私もディズニーランドで一人寂しく佇んでいたとき、後ろから肩を叩かれ、振り向くと、
    笑顔の、ていうか笑顔しかないけど、ミニーが居て、思わず涙がこぼれそうになり
    必至に作り笑いでごまかしたことを思い出します。
    やっぱ人のための笑顔ってか思いやりって大事ですね。

    自分を許し、環境を許し、自分を信じ、夢を実現し、周囲の笑顔を産むウォルト・ディズニー。
    尊敬するよ。
    そんなウォルト・ディズニーの周りに集まり、夢のある物語を紡ぐ、
    笑顔を絶やさない素晴らしい仲間達。ちょっとディズニー映画の登場人物っぽいし、
    スポーツクラブで笑顔を絶やさない気持ち悪いインストラクターにも似てるけど、
    やっぱ相手を受け入れる笑顔って大事だなと思いました。
    苦しさを知ってるからこそ笑顔を絶やさないってことですね。

    彼女を毎日送り迎えするドライバーがいるのですけど、
    ある晴れた日に彼は「晴れはいい」と言い、彼女は「雨の方がいい」と反論します。
    後日、彼の子供に障害があり、晴れた日は子供が外で遊べるから好きだみたいな話をします。
    彼女は帰国する別れ際、アインシュタインとか天才の名の書いたメモを彼に渡します。
    彼が「これは何ですか?」と尋ねると、
    「彼らはみな障害を持っています。あなたのお子さんの可能性は無限大です。」
    と言って颯爽と立ち去ります。
    それまで偏屈な彼女に温かく接し続けたドライバーも素敵ですが、
    人と心の交流ができた彼... 続きを読む

  • 世界一めんどくさい原作者。
    久しぶりにちょっと涙が出た。

全3件中 1 - 3件を表示

外部サイトの商品情報・レビュー

ツイートする