共喰い [DVD]

監督 : 青山真治 
出演 : 菅田将暉  木下美咲  篠原ゆき子  光石研  田中裕子 
  • アミューズソフトエンタテインメント
3.09
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本棚登録 : 294
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4527427657076

感想・レビュー・書評

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  • サッドヴァケイションでも思ったけど、青山真治は地域性・時代性の描き方と物語への導き方が秀逸。

  • 血の匂いがここかしこに感じる、仄暗さがハンパない作品。
    ろくでもない父ちゃん役が良かったな。

  • 父親の暴力的な性癖を軽蔑する一方で、同じ血が自分の中に流れていることを悟る少年の苦悩。
    光石研演じる円の胸糞悪さがあっぱれでした。
    幼さと鋭さを兼ね備えた菅田将暉くんにも惹きこまれました。
    見終わった後も、うなぎのようにぬめぬめした感覚が胸にじとーっと残ります。世界観が生々しく伝わる、いい映画だと思いました。

    物語が淡々と進んでいくなかで、終盤、円が千種が乱暴し、そして仁子さんに殺されていくまでの展開は、息もつかせぬ緊迫感で、画面に釘付けになりました。

    「共喰い」というタイトルは、私にはイマイチ理解できませんでした。
    父親の忌まわしい血を引く息子・風呂の排水溝から川に流れていった欲望、その川で育つうなぎ、そのうなぎを食う父親、など。共食いというより、「連鎖」のような。
    「円」という名前であったり、エンディングの「帰れソレント」へであったり、「共喰い」という言葉に繋がるような点は所々にあったのですが…原作を読めば理解できるのかな?

    ラストに天皇の話をもってきたのは、意図があってのことなのでしょうが、最後の最後に映画の本旨が不明になりました。え、そこだったの?という感じ。

  • 原作が凄く良かったが、この映画もとても良かった。

    原作を読んだ時にはよくわからなかった(と思う)共喰いという題名が何故付けられたのか、映画を見てよくわかった。

    他の共演者も文句無し上手いが、光石研の怪演が素晴らしい。

  • 原作も後々尾を引くいや~な感じで良かったのですが、映画もその感じをリアルに忠実に引き出していて良かったです。光石さん演じる円が、ホントに嫌な人間で、方言も良かったし。「・・・そ」という語尾は、私が幼少時代を過ごした地域では使わないのですが、下関の方(山口の瀬戸内西部)では、使うと聞いてたので、あんな感じか~と思ったり。昭和の最後の時代、すごくリアルですさまじく、良かったです。

  • 人間のあまりの業の深さに、見てて喪失感が伴う。

    原作はだいぶ前に読んだが映画の方が面白く見られた。

  • 暴力的な性癖を持った父と片腕のない母と暴力的な性癖を秘めた主人公の話。

    まさかあれがうなぎになるとは…。笑ってしまった。

    最後に琴子に会いに行った時は、お腹の子どもを殺しに行ったのでは?と深読みしたが、したかっただけらしい。

    ラストは小説にはない部分らしいが、蛇足な感じはしなかった。

    全体を通して女性のしたたかさ・強さを感じた。

    田舎の風景描写が秀逸。空気感が伝わってくる。

    ナレーションが邪魔をする。

  • 本を購読後、映画を見た。

    本の世界感がダイレクトに伝わってきてすごくよかった。
    また、最後の終わり方が救われる感じがよかった。

  • 難しい原作の抽象表現を青山監督独自の切り口で見事に映像化している。原作では描かれなかったオリジナル部分の演出がとりわけ秀逸。田中氏の思いを堅持しながらも目の醒めるような新機軸を打ち出している。娯楽性は高く誰でも楽しめる映画に昇華しているのがイイ。意想外の田中劇場の創出に図らずも認識の修正を迫られた。もう一度小説を読んでみたくなった。役者の中では田中裕子が突出した凄みを出していた。さすがである。存在感は際立っており全体を締め最後まで目を釘付けにさせた。

  • 母さん、なんで僕を生んだのですか?
    あの男の血をひく僕を――。

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著者プロフィール

1964年7月13日、福岡県北九州市門司に生まれる。立教大学英米文学科卒。
1996年『Helpless』で劇場映画監督デビュー。2000年『EUREKA』がカンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞とエキュメニック賞をW受賞。同作の小説版が三島由紀夫賞を受賞。2011年『東京公園』でロカルノ国際映画祭金豹賞審査員特別賞受賞。2015年度まで4年間、多摩美術大学映像演劇学科教授。2016年度、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)映画学科の学科長を1年のみ務める。2020年公開の『空に住む』が遺作となった。2022年3月21日逝去。

「2023年 『青山真治クロニクルズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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