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感想・レビュー・書評
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エンディングが3つあるというのと、私の好物である疎外されたふたりの逃避行っぽいのとで、今度はこれを読んでみました。中心となるのは女の子ふたりだけど、お兄ちゃんとか千晴とか、年齢の近い男の子と性的ではない信頼関係でつながってるところが素敵だなと思った。そして、よくある「絶望的な逃走」と微妙に違って、このふたりの逃避行は見通しはけっして明るくないのにどこか希望が漂っているのが良かった。あとがきもじんとくる。
このところ私は「少女」づいていて、
WOWOWで『星の子』、『はちどり』を観賞、
新聞連載で川上未映子さんの『黄色い家』を毎日楽しみに読み、
並行して桜庭さんの少女ものを2冊続けて読んだわけで、どれも13~14歳くらいの少女の日々の戦いと痛みがみごとに描かれている。おのずと自分の子ども時代にも思いを馳せ、そうだった、私も戦い、傷ついていた、忘れててごめん、と手を合わせる。
本書の終盤で「つまらない大人にはなりたくない」という台詞が出てくるのだけど、ラノベもYAもなかったあの頃、(『砂糖菓子』の感想にも書いたように)わたしは日々の戦いを佐野元春の歌に支えられて戦っていたことを、改めて思う。結局つまらない大人になってしまってすまないけども、生き延びた少女のことは肯定したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世の中に大人っているのかなあ
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税金で買った本という漫画で知った本だったのですが、夢中で読んでしまいました。
個人的には1番最初のエンディングが好きでしたが、どれも味わい深く好きなエンディングでした。