日本近代史 (ちくま新書) [Kindle]

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著者 : 坂野潤治
  • 筑摩書房 (2014年1月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (317ページ)

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日本近代史 (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

  • 「安政の大獄」前夜(1857年)から、太平洋戦争前夜(1937年)までの約80年を著者独自の視点から6期に分離し、各期に詳細な史実を記載した日本近代通史。

    80年というと歴史の中にあっては短い期間にも思えるが、尊王攘夷から明治維新、大正デモクラシー、ファシズム台頭まで、政治史的には激動といってよい時代を切り取っているために、非常に濃密な一冊になっている。全体的に、詳述すぎて全体の流れを押さえにくい印象があるが、近現代史にある程度通暁した読者を想定してのことだろう。

    従来の歴史解釈や、一般に流布している解釈(西郷隆盛や原敬の評価など)に対して独自の解釈を開陳している箇所も多く、うまくいっているところも、いないところもあるが、その不完全さが逆に近代史研究の面白さを伝える。「現在」の影響を少なからず受けるのも近代史の特徴で、本書の場合は2009年民主党政権発足時の影響か、政権与党と官僚の癒着の起源を議会設立当初に求める指摘がユニーク。

  • 2015/5/27読了。
    幕末から太平洋戦争直前までの政治史。政治によって歴史が織りなされるメカニズム、政治が自身のメカニズムによって崩壊に至るメカニズムがよく分かる。政治勢力が多様化し対立が細分化されると「政治の液状化」と「エリートの質の低下」が起こって大きな国難に立ち向かえなくなるというのは、なるほどと思った。このメカニズム、確かに今も生きている。
    以下は私感。そういう局面で独裁型のファシズムになるか空気型のファシズムになるかは国民性によるのだろう。さしずめ日本は昔も今も後者型だ。今の日本の最高権力者は天皇でも総理大臣でもなく有権者であり消費者である一般民衆だと思うのだが、果たしてそこに液状化と質の低下は起こっていないか。空気型ファシズムの芽はないか。
    「今」がこの先数十年を含めた歴史の流れの中でどのような位置にあるのかを考えたいときには、とても参考になる本だと思った。未来を見通すために歴史に学ぶことが有効だと教えてくれる本である。

  • 新書版にしては、量、内容ともに充実した日本近代政治史。

    1850年の公武合体から1940年の大政翼賛会までを「改革」「革命」「建設」「運用」「再編」「危機」「崩壊」の6段階に分けて、それぞれの時代の相互関係を分析している。
    乱暴に要約してしまい恐縮だが、どの段階にも中心となる人物あるいはグループがいて、彼らが消滅してしまったときに「崩壊」の時代に突入してしまったというのが本書の結論。例えば、日本の近代史上唯一成功した革命である「明治維新」には、推進者として西郷隆盛がいた。昭和に入り、国家指導者が脆弱化して機能しなくなったとき、政治界は四分五裂の状態となり、1937年の盧溝橋事件を発端に、泥沼の日中戦争に突入する。
    そして、筆者は3月11日に始まる国難は日中戦争の始まった1937年に近く見えるとし、四分五裂した小物指導者の下では、復旧も復興も望み薄であると断言する。
    国難が始まり3年半。安倍首相が指導者と評価されるのか、あるいは四分五裂したままで終わるのかは、歴史が判断するだろうが、個人的には現在の日中関係に不安を感じている。

    非常に読み応えのある本である。キンドルで購入し、主に乗り物の中で読んだが、できれば書店で買って赤鉛筆を使いながら読みたい本。
    電子書籍は暗いところでも読めて便利ではあるが、本の匂いも懐かしい。

  • 事象と事象がどう繋がっているのか、その"ありよう"を中心に描き出してまとめるというのは大変な作業だったと思う。「何年にこんなできごとがありました」を覚えるクイズみたいな学習では決してわからない歴史の畝りがここにはありました。
    ※ただしその裏返しで、「何年にこんなこと…」というのが見えにくいのは仕方ない。年表を用意して併読すると良いかも。

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