- Amazon.co.jp ・音楽
- / ISBN・EAN: 4560317789075
感想・レビュー・書評
-
松岡禎丞 (三島フトシ) 羽多野渉 (桐野マコト) 吉野裕行 (夢野タロウ)
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
聴く前はキャスト云々ほとんど考えなかった。原作は好きだが、永井三郎のギャグテイストはビジュアルによる見るインパクトが強いから(顎の梅干しわとか)それを音声で伝えられる訳がないから、物語としてどう聴くか、に掛かってくる作品になるのと、リアル高校生の声など、幾ら声優さんが演じようと正確には声優さんのスキルで記号として「高校生に聞こえる声」でしかないからだ。原作を読んだ時、BLでは無論あるがその中でも「さらば青春の光」を描いた思春期漫画でもあるな、と強く思ったので、読者にとって三島も桐野も夢野も、かつての自分の姿であるからこんなにも切ないのだ、と思った。それを音声化するのに、声優の演技よりも過ぎ去りし日の物語感を出してくれてれば誰でもいいや、くらいな気持ちがあった。三島は声の質として難しいだろうな、と思ったが、松岡くんの三島…違和感まったく無しだ。女装が好きだが女になりたい訳ではないフトシだから、女々しくやられるとキツいぞ、と言う危惧は一蹴されるわー。松岡くんが…とてもいい。しょうがないじゃん!!の泣き叫びが物凄いよかった…。フトシの可愛さが出てる。あざとく可愛い声を出す、と言う感じしないし…私が松岡くんの声をあんまり聴いたことがない、と言うのが功を奏しているのもあるが。わちゃがオネエになる一歩手前のぎりぎりのところで桐野やってるよなぁ…女声を出す、と言うのではなく、桐野のままで「アタシ」って言ってる感じがいいなぁ。わちゃ、何気にすげぇわ。原作読んでるから言えることだが、もう家族の在り様が彼らの未来を暗示しているよね。桐野は本当の自分を捨てて不幸だった母親の為に幸福な家族を自分の身を犠牲にして体現したわけだが、それで後悔はなかったとしても、どこまでも母の息子として生きる事を選んだのが桐野自身とは言え、自分の父や母と自分を切り離して自立すると言うのは大事なことだよ、って今さら私も実感してるよ。家族、つまり父親や母親によってもしかしたら制限されてしまった本当の自分があるんじゃないか、と言うお話でもあると思う、ズメルズ。桐野は自分の母親にしてもらいたかった役目を三島に対してやってるように見えて、物凄く切ないよ…多分、何度も聴くうちに良さが積み重なる、そう言う作品だと思う。
-
BLCDを聴いたというよりひとつの青春ドラマを聴いた感覚。原作の世界観がそのまま音声化されているので、紙の世界に息が吹きかけられたようなリアルさ、そのうち同キャストでアニメ化してほしいとさえ思ってしまう傑作。エロシーンはほとんど無いのでBLCD初体験の方にも是非是非聴いて頂きたい。
キャストは聴いてみると今や他の誰かでは考えられないほどピッタリ。松岡くんは初聴きでしたがちょっと鼻にかかった可愛い声で三島の美しく儚い外見と合っているし、夢野のイジメっ子声は言わずもがな「やーいやーい」とか「ぶぁ〜か!」があんなに面白可愛く聴こえるのは吉野さんならでは。桐野はパンドラの箱が開いてアタシになってから本領発揮。羽多野さんは意外と声が太いので、あの桐野のイケメン男子から発生されるオネエ声というのをよく表現していて本当上手い。そして柳田先生の遊佐さんは爽やかな外見に潜む陰湿な憂いがあって本当に素晴らしい!イケメン声だけれどもどこか悪人めいた陰のある声を出させたら右に出る者はいないのでは。
他にも大好きなキャラクター、江戸川先生や太郎パパなど原作そのまんまで100%満足出来ました。これからそれぞれのキャラクター達が個々の悩みと向き合う事になるので、サイドBではそこをどう演じてくれるのか楽しみで仕方ない。