組織戦略の考え方 ――企業経営の健全性のために (ちくま新書) [Kindle]

著者 :
  • 筑摩書房
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感想・レビュー・書評

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  • 内容は分かりやすく、納得感あり。ただし、論理展開が一本調子で、深みがないと感じた。(雑誌のコラムをベースになったもののようなので、しょうがないか)
    つまり『会社員あるある』的な域を出ない、といった印象。
    Kindleで寝る前にちょくちょく読んでいたので、頭に定着していない感あり。少し時間がたったら古本でも手に入れて、再読したい。

  • 目的:知人に腹落ち感がすごい組織戦略本だと勧められ
    ポイント:良くも悪くも組織は人で動く。
    感想:ボトルネックの話はTheGoalの引用。TheGoalは読むべき本だなー。
    ・組織構造は一長一短であり、本質的には誰を配置するか、人の問題だというのはそのとおり。腹落ち感強め。じゃあ人はどう採用・育成すればいいのかは気になるところ。
    ・フリーライダーの話は納得できる労組の話とかあるものの、必ずしもフリーライドする人ばかりになるわけじゃないので極端な意見だと思う。視点はそのとおり。実際フリーライドが増えたら組織はきついな。フリーライダーが増えない組織づくりは超重要。評価の仕組みか。
    ・落とし所ばかり探す組織も役に立たない。変革を恐れずチャレンジできる組織を作りたい。
    ・厄介者の扱い難しい。厄介者が持つ権力。それに従いがちな優等生ってのは分かる。これは組織を疲弊させる。
    ・官僚制組織、ボトルネック、キツネの権力、厄介者。どれもそれほどキャッチーじゃないのに、事例が現場感とマッチしており、ビビットに映像をイメージできる。こういう表現は学びたい
    ・キツネの権力を考えると、縦長の組織は権力を醸成しかねない危険性をはらむ。予算要求なんかそれの最たるもの。これをデジタル技術とか使って意思決定やら社内調整のラグを現場同士又は現場と責任者同士でスムーズかつスピーディーに解決できる仕組みがあるといい。

  • 日本企業の組織について考えるキッカケ・ネタになると思う。
    実際に組織を運営するにあたっては、この本で学んだエッセンスも取り入れていきたい。


    ▼組織設計の基本中の基本
    ・基本的な作業をルールに基づいて処理し、例外を上司が判断。

    ▼ボトルネック(優秀な人間の時間は有限)
    ・優秀な人間の限られた時間をムダにしない。
    ・周囲の人間でできることは周囲の人間に負担させる。
    ・優秀な人間を思い切って雑事から解放してあげる勇気が上司には必要。

    ▼意思決定の生産工程
    ① 問題の認識→② 情報の収集→③ 情報の分析→④ 選択肢の生成→⑤ 選択→⑥ 組織内正当化プロセス→⑦ 命令・決定の伝達
    ・日本企業で不足しているのは、⑤選択を行なえる人。要するに「決める」ことのできる人が不足している。

    ▼マズローの欲求階層
    ① 生理的欲求
    ② 安全・安定性欲求
    ③ 所属・愛情欲求
    ④ 承認・尊厳欲求
    ⑤ 自己実現欲求
    ・企業組織を運営する上で一番重要なのは「承認・尊厳欲求」(自己実現欲求ではない)。
    ・仕事を通じた有能感を獲得させるためには、「勝ち戦」を経験させる。「勝ち戦」を部下に経験させられるか否かは、上司のたてる戦略の巧拙に依存する。

    ▼多様な貢献に対しては言葉でたたえる
    ・「縁の下の力持ち」はコトバでたたえるだけでも良い。給料は増やせなくても、本当に感謝していると、誠意ある真実のコトバで感謝し、承認することには意味がある。
    ・多様な貢献(「新しいアイデアを出して会社に貢献する人」「複雑なシステムをミスなく運営することで会社に貢献する人」「若手を育成するのに長けている人」「腐りそうな中高年層にカツを入れるのがうまい人」)、すべての仕事にカネや地位で報いることはできなくても、それぞれの仕事をきちんと評価して、貢献したと承認する作業は組織運営の根幹。
    ・真剣な評価のまなざしと、「頑張ったね」という誠意あるコトバのやりとりが重要。

    ▼決断不足
    ・簡単な意思決定ならできるが、重い決断はできないという人が多い。
    ・簡単な意思決定なら、誰かが何かを決めたとしても、社内の不平不満が湧いて出てくることはあまりないが、決断は、批判する人と称賛する人に社員がまっ二つに分かれることもある。
    ・企業が存続するために必要な決断は、残念ながらすべての従業員にとって心地よいものばかりではない。
    ・社員の総意を反映した「落としどころ」という答えしか出せず、決断ができない経営者・管理者は不要。

    ▼基本ルールは守る。細則や派生ルールは場合によっては業績優先で破る判断力が必要。
    ・組織活動を調整するための基本ルールを守ることは本当に大切だが、その後作られた細則や派生ルールを守ることはそれほど重要ではない。それを守ったからといって、必ずしも企業業績が高まるわけではない。
    ・ある種のルールは命がけで守るべきだが、ある種のルールは時と場合によっては破るという判断力が必要。

  • 自身が所属してるのに詳しく知らない。
    なんか、ときには生き物とか言われたりもする組織についての本。
    体型、腐る要因、対処法など詳しく知ることができた。
    新たに知ることはあまりないがより深く知れる。
    人事じゃなくても読むべき。

著者プロフィール

早稲田大学教授

「2023年 『わかりやすいマーケティング戦略〔第3版〕<2色>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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