組織戦略の考え方 ――企業経営の健全性のために (ちくま新書) [Kindle]
- 筑摩書房 (2014年1月17日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (194ページ)
感想・レビュー・書評
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内容は分かりやすく、納得感あり。ただし、論理展開が一本調子で、深みがないと感じた。(雑誌のコラムをベースになったもののようなので、しょうがないか)
つまり『会社員あるある』的な域を出ない、といった印象。
Kindleで寝る前にちょくちょく読んでいたので、頭に定着していない感あり。少し時間がたったら古本でも手に入れて、再読したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
現代の組織にも通ずる理論を展開。
参考文献とともに、教科書として学べる内容となっている。
じっくり時間をかけて読み解く手法も有効そう。 -
組織の基本は官僚制。オペレーションの質を高め解決可能な課題を拡大。例外はエスカレーションして解決案を策定する
●感想
2003年出版の本だが、全く色あせない。面白い。人、会社組織のメカニズムはさほど変わっていない。組織戦略についてのメッセージはどれも示唆に富む。
組織の基本は官僚制であると喝破してくれていて心地よい。「組織」の本質的なメリットをシンプルに記述している。その部分だけでも、読む価値がある。
・組織を作るメリットは、まさに繰り返し出現する問題を効率的に、信頼性高く解決できるようになること
・組織の中でオペレーションを定め、各人が自分に割り振られた役柄をそれぞれこなす
・その繰り返しによって、多くの専門性の高い問題を解決することができる
●本書を読みながら気になった記述・コト
◆組織設計の基本は官僚性である
>>各人が自分で判断できる問題をほとんど自動的にミスなく解決し、判断に迷う問題を即座に上司の判断に委ねる、といった一連の作業を至極当たり前のように遂行する組織のことである。基本的な判断のルールをしっかり守る人々が、何階層かのヒエラルキーで結びつけられた組織、すなわち、官僚制組織である
>>もし官僚制機構がしっかりしていなければ、その分だけ不正確な情報に基づいて組織が行動しなければならなくなったり、部下のミスから発生した問題の処理に上司の時間が無駄に費やされたりする。その結果、より創造的な仕事をするべきスタッフや、より戦略的な仕事をするはずの経営管理者までミスの処理に走らされたりする
>>効率的で信頼性の高いアウトプットを生みだす組織の基本モデルは今でもやはり官僚制組織
>>官僚制組織設計の初めの1歩は何か。それは簡単に言ってしまえばプログラムとヒエラルキーである
>>組織を作るメリットは、まさに繰り返し出現する問題を解決する手順やルールがあらかじめ決められていて、各人が自分に割り振られた役柄をそれぞれきちんとこなせば、大量の複雑な仕事を驚くほど効率的に、しかも信頼性高く遂行できるというところにある
>>まず仕事の多くをプログラム化し、そのプログラムで対応できない例外をヒエラルキーによってその都度上司たちが考えて処理する。これが組織設計の基本中の基本である。より複雑な先進的組織は、すべてこの基本から出発し、この基本の上に様々な要素を付加していった結果として生まれるのである。官僚制の基本モデルよりも複雑な組織は様々存在するが、官僚制の基本モデルを書いた組織など組織として存続し得ない
◆組織デザインは万能薬ではない
・創造的なことをやるチームを作ることを提案しただけで、満足してはいけない
・問題を解決するのは組織構造ではなく、人である
○マトリクス組織は何も解決しない
>>「葛藤に強いタフなミドル」というヒトに支えられて初めてマトリクス組織が機能する、というのは奇妙である。なぜこれほど大切なことをボスたちではなく、ミドルが悩まなければならないのだろうか
>>二人のボスの間の自発的な相互作用でコンフリクトが解消されず、両者のコンフリクトを社長が強権によって解消してくれないのであれば、長期の蓄積と短期の市場適応の問題がそのままミドルに降ってくることになる
>>組織構造は、短期的に仕事の遂行を阻害し、長期的には育成される人材の質を左右する
■組織腐敗のメカニズム
・組織の腐敗傾向をもたらす二つのメカニズムに注目する。二つのメカニズムのキーワードは、「ルールの複雑怪奇化」と「成熟事業部の暇」である
・ 「宦官」たちは顧客満足とか、技術蓄積、生産工程の効率化といった企業本来の活動とは関係ないところで権力を掌握していく
・ルールが複雑怪奇化すれば、外の世界から売上と利益を稼いでくるという戦士たちが減っていき、組織は長期衰退起動に乗ることになる
・忙しいのは内向きの仕事で忙しいのであって、その内向きの仕事はヒマな秀才たちが互いに作り合っているだけなのである。成熟事業部の忙しさは、見せかけの忙しさである可能性があるのだ
■組織腐敗の診断と処方
・会社が優れた意思決定を生み出せるか否かを大いに規定しているのは、社員の間で語られる雑談の質である -
経営者に向けて書かれた本だが、一従業員としても役に立つ。
経営層と現場の橋渡し、取引先との橋渡しといった、中間にいる立場を利用して虎の威を借る狐になる人に注意が必要と感じた。
狐型の振る舞いを見せる人がいたら、近づかないほうが良さそう。どうしても絡む必要があるなら、がんばって狐を回避して直接相手と対話する機会を作ることを心掛けたい。
自戒する内容もある。
他人の仕事の荒を探してツッコミを入れるばかりの暇な人材になっていないか反省する。暇があるなら、新規事業のアイデアや抜本的な効率化の研究に時間を使った方がいい。 -
目的:知人に腹落ち感がすごい組織戦略本だと勧められ
ポイント:良くも悪くも組織は人で動く。
感想:ボトルネックの話はTheGoalの引用。TheGoalは読むべき本だなー。
・組織構造は一長一短であり、本質的には誰を配置するか、人の問題だというのはそのとおり。腹落ち感強め。じゃあ人はどう採用・育成すればいいのかは気になるところ。
・フリーライダーの話は納得できる労組の話とかあるものの、必ずしもフリーライドする人ばかりになるわけじゃないので極端な意見だと思う。視点はそのとおり。実際フリーライドが増えたら組織はきついな。フリーライダーが増えない組織づくりは超重要。評価の仕組みか。
・落とし所ばかり探す組織も役に立たない。変革を恐れずチャレンジできる組織を作りたい。
・厄介者の扱い難しい。厄介者が持つ権力。それに従いがちな優等生ってのは分かる。これは組織を疲弊させる。
・官僚制組織、ボトルネック、キツネの権力、厄介者。どれもそれほどキャッチーじゃないのに、事例が現場感とマッチしており、ビビットに映像をイメージできる。こういう表現は学びたい
・キツネの権力を考えると、縦長の組織は権力を醸成しかねない危険性をはらむ。予算要求なんかそれの最たるもの。これをデジタル技術とか使って意思決定やら社内調整のラグを現場同士又は現場と責任者同士でスムーズかつスピーディーに解決できる仕組みがあるといい。 -
■この本の紹介文
■本を読むことになったきっかけ
■本の要点
1.箇条書きにしてみる
2.因果関係の矢印→、対立関係の矢印⇔、等号=、不等号<などを書き入れる
3.図にしてみる
4.イラストを書いてみる
5.大事な部分に線を引いたり、マーカーを引いてみたりする
■感想、意見
■本の中で気になった言葉
■ひとことまとめ
■目次 -
NEC Square 「第2回 新入社員に読んで欲しい1冊」坂口孝則
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Kindle
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自身が所属してるのに詳しく知らない。
なんか、ときには生き物とか言われたりもする組織についての本。
体型、腐る要因、対処法など詳しく知ることができた。
新たに知ることはあまりないがより深く知れる。
人事じゃなくても読むべき。