危険なプロット(初回限定版)筒スリーブケース仕様 [DVD]

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監督 : フランソワ・オゾン 
出演 : ファブリス・ルキーニ  クリスティン・スコット・トーマス  エマニュエル・セニエ  エルンスト・ウンハウワー 
  • 東宝 (2014年4月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104083968

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危険なプロット(初回限定版)筒スリーブケース仕様 [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • DANS LA MAISON
    2012年 フランス
    監督:フランソワ・オゾン
    出演:ファブリス・ルキーニ/エルンスト・ウンハウワー/クリスティン・スコット・トーマス/エマニュエル・セニエ
    http://www.dangerousplot.com/

    一見ハリウッドB級サスペンス風の邦題のせいで、あやうくフランソワ・オゾン監督作品と気づかずスルーするとこでした(苦笑)。しかし邦題センスはさておき、内容のほうは結構オゾン作品の王道だった印象。

    かつて作家を目指したこともあるけれど挫折した高校教師のおじさんが、才能あふれる男子生徒クロードの作文に惹かれて個人的に彼に文学の指導を始めるも、彼の「作文」は、クラスメイトの凡庸な男子ラファエルの家庭に入り込んで、家族の様子を覗き見するような悪趣味なもの。そのシニカルさを批判しながらも、続きが読みたい欲求に抗えない教師とその妻。そして観察され続けるラファエルくん一家。最初のうちは文学の師匠とその弟子のようだった教師と生徒の関係は、だんだん共犯者めいてくる。

    現実とクロードの創作とが入り混じって、どこまでが本当に起こったことなのか、教師と一緒に観客も翻弄されるわけですが、「作文」の内容は次第に、「起こったことを描写する」だけではなく、作者クロードが自分の望む方向へとストーリーを展開するべく「現実に介入する」ように変容していきます。結局、彼は小説を書きたかったわけではなく、誰かの生活に介入し、それが自分の思い通りにどうとでも変えられることを楽しんでいるかのような。もちろん彼の意のままにならない事態も起こるのだけれど、それすらも結局彼自身の人生ではなく、小説の中の登場人物に起こった不幸、として捉えることで、彼自身は傷つくことを回避している気がする。

    ラストシーンは、まるで書割を見ているかのようで、舞台演劇のように登場人物たちが家の外に出て行かないオゾンの初期の代表作「焼け石に水」や「8人の女たち」を思い出しました。「スイミングプール」や「エンジェル」もそうだったけれど、オゾン作品で作家が主人公のことが多いのは、いっそ芝居や小説よりも滑稽な現実の虚構性のようなものを表現したいからかもしれません。

    ところで特筆すべきは、生徒クロード役のエルンスト・ウンハウワーの美少年っぷり!!個人的にはかなりの目の保養でした。もちろん外見だけでなく、不幸な家庭に育って屈折した少年の繊細な心理をきっちり表現していて演技も素晴らしい。ガス・ヴァン・サントといい、フランソワ・オゾンといい、ゲイの監督はさすがに美少年を探してくるのが上手いですね。

  •  作文添削をしていた冴えない高校教師ジェルマンはクロードという生徒の作文に心を奪われる。ジェルマンは彼に小説の書き方を指導することにするのだが…

     派手な展開で見せる、という映画ではないですが面白かったです!

     話の展開としてはクロードが持ってくる作文をジェルマンが批評していくというもの。毎回クロードの作文は「続く」で終わり、そこまでの感想をジェルマンが言っていくわけですが、
    自分が小説好きだからかどうかはわかりませんが、クロードの書いてくる小説に自分もジェルマンと一緒に突っ込んだり、「そっちの方向にいっちゃうのか~」と思ったり、
    そんな風に楽しんで見ることができました。

     そうしているうちに、小説の出来事が本当に実際にあったことなのか、それともクロードの創作なのか分からなくなってきます。
    そして、ジェルマン自身クロードの小説が気になるあまり思わぬ行動をとってしまうことに…。

     小説の続きが気になるジェルマンの行動はそこまで入れ込まなくても、と思う反面、アニメやマンガの続きが気になったり、長い小説を続きが気になるあまり深夜まで一気に読んでいる自分としては、
    他人事とは思えないところもちょっとありました。案外映画好きより小説好きの方が感情移入できる映画かもしれないですね。

     それとクロード役の少年の美青年ぷりもよかったです。やっぱり外国人には外国人にしかない色気があるなあ、としみじみ思いました。

  • とても詩的・文学的で、フランス語の響きがきれい。
    どの「家」でも入り込むすきがある、というセリフがしみいる。

  • やばいちょう面白かった!!!!!
    現実と虚構を行ったり来たりで頭使うけどどこからが創作でどこが脚色で事実はどれだみたいなのを考えて観てるのほんっっっと面白かった!
    人が人に惹かれるさま、それに抗えないさま、なるべくしてなっていく物事 素晴らしい…もっかい観たい
    クロードが最初からジェルマンだけが欲しくてやってたことなら全部スッキリするし壮大なかまってちゃんだけどそう見るとハピエン以外の何物でもない、ああオチが良かった…!!
    いや全部良かった 久し振りに非の打ち所がない映画

    一度も我に帰らず観終えられる映画の充足感よ これが欲しかったのー

    お互い愛の対象を見誤ってて勘違いしててだんだん歪んでいくけど、お互い欲しいものが手に入ってハッピーエンドだよね…どこからが誰の筋書きなのか、とか考えるとほんと楽しい。笑

    「いい結末は、読み手を驚かせつつ、他の結末はありえないこと」
    アーーすてきだ

  • 個人的にこの邦題は好きじゃないな。陳腐なミステリーみたいで。
    内容は教師と生徒というか読み手と書き手の繊細な駆け引きという感じなので、謎めいた原題の方がしっくりくる気がする。
    創作にはミューズの存在が必要な場合があるけれど、クロードにとってのミューズはラファではなく『王』である読み手。では書けなくなったジェルマンのミューズはクロードなのか。
    読書も映画鑑賞も作り手と受け取り手の共犯で成り立つ。作り手は受け取り手の望むものを提供しているのだからこの物語の結末はジェルマンが望んでいたものなのだろう。

    起きていることはさほど派手なことではないので退屈する人もいるだろう。でもフランソワ・オゾンにしては難解な内容ではないので観やすいと思う。

  • 「教師と生徒の個人授業は、いつしか息詰まる心理戦に変わる」


     『スイミング・プール』『しあわせの雨傘』などのフランソワ・オゾンが、フアン・マヨルガの戯曲を原作にして放つサスペンスドラマ。類まれな文才を秘めていた生徒と彼に物語の書き方を指導する国語教師が、思わぬ事態を引き起こしていくさまを見つめていく。『屋根裏部屋のマリアたち』などのファブリス・ルキーニ、『サラの鍵』などのクリスティン・スコット・トーマスなど、実力派が出演。ユーモアを絡めながら日常に存在する狂気や人間が抱える闇を浮き上がらせる、オゾン監督の卓越した演出手腕に引き込まれる。



     かつて作家を志したものの、今は高校の国語教師として働くジェルマン(ファブリス・ルキーニ)は、生徒たちの凡庸な作文にうんざりしながら添削する日々を過ごしていた。ところが新学期を迎えたある日、1人の生徒が書いた作文に心を奪われる。それは、数学が苦手なクラスメイトに勉強を教えるため、彼の家を訪れた週末の様子を記したものだった。その生徒の名はクロード(エルンスト・ウンハウワー)。ジェルマンは表現力豊かなその内容を高く評価するが、妻ジャンヌ(クリスティン・スコット・トーマス)は、友人のラファ(バスティアン・ウゲット)とその家族に対する皮肉たっぷりの尊大さや倫理を無視した内容を批判。
     翌日、ジェルマンは内容が不適切で第三者が読んだら問題になるとクロードに忠告するが、返って来たのは“先生以外に誰も読まなければ問題ない。作文を学びたい”という答えだった。彼の才能を伸ばしたいと考えたジェルマンは、個人指導を提案。ジェルマンの指導を受けたクロードは、才能に磨きをかけ、ラファの家を訪れては次々と“新作”を書き続けてゆく。それを日々、待ちわびるようになるジェルマン。
     ところがある日、クロードが“もう書けないかもしれない”と言い出す。成績の上がらないラファを心配した両親が、家庭教師を雇うことを考えているというのだ。そうなれば、もうラファの家に通うことはできない。“次のテストでラファに良い点を取らせ、成果を出さないと。”暗に数学の試験問題を要求するクロードに戸惑いながらも、ジェルマンは試験問題を渡してしまう。その結果、ラファは好成績を収め、クロードは執筆を再開。
     だが、その内容は次第にエスカレート。ラファの母親(エマニュエル・セニエ)とのただならぬ関係を匂わせるまでになってゆく。さすがに危機感を覚えたジェルマンは止めようとするが、クロードは“あなたが書けと言ったんだ。もう止められない”と言い放つ……。

  • 映画を見ているのに
    小説を読んでいるみたい。

    なんでかな、
    映像を見ているのに
    さらなる想像を求められているからかなぁ。

  • この話の続きが気になる。

    主人公の生徒に異常な文章力があるのは映画の特殊性があるともいえるが、実際に自分が高校の教師で生徒が別の生徒に潜り込んだレポートを巧みに書いてきたら夢中読んでしまうかも。

    はじめ小説の尊大で人を小馬鹿にした文章をみて、かつての私のようで恐ろしくなったが、それを書いた少年も題材にした少年に殴られたり学校で処分を受けたり、フリーライダーでなく物語の登場人物になれてる所がお気に入り。実際の人生もそんなもんかもしれん。

    大人になっても、寝取られると嫉妬するものなんだなぁ。

  • 美少年…!

    PV見て勢いで観たけどやっぱりオゾンうまい気がする。

    ファブリス・ルキーニの困った表情というか、ああいう大人がいいなあ。

  • オゾン作品は裏切りませんね!いやむしろ、裏切られまくって、観終わった後はいつも疑問符でいっぱいになりますが!
    フランス映画は大好きだけれど、いくつになってもフランス人のメンタリティー(いわゆるエスプリ?)は一生理解できないんじゃないか、とも思ったり。
    元がスペイン語で書かれた舞台ということもあり、登場人物が少ないです。邦題よりも原題、dans la maisonの方がしっくりきますね。含みがあるというか。
    ファブリス・ルキーニがさすがの貫禄です。どこかユーモアを感じさせつつも、哀愁や挫折感を漂わせるあたり、演技に深みを感じます。彼が情熱的に生徒の作文を指導すればするほど、過去の栄光がちらつく。それについての描写は、ほとんど皆無だというのに。想像力をかきたてる、というのは使い古された言い回しではありますが、映像で、役者さんが描かれていない人生の厚みを見せてくれると、嬉しくなります。一瞬と一生が交差する、そんな感覚。
    エステル役のエマニュエル・セニエのぼんやりとした視線や、優しく微笑んでいるのにどこか悲しげな口元、と対照的な、キャサリン・スコット・トマスの赤いフレームのメガネ、ショートカット、話すと筋の出る首元(皺ではなく)。
    エルンスト・ウンハウアー演じるクロードが書いた物語が、どこまでが現実でどこまでが虚構なのかは、永遠に謎のまま。結局、彼の結末はどこまで彼が望むものだったのか。
    エルンスト・ウンハウアーがべらぼうに美しかったです。繊細さや残酷さ、脆さや無謀さを内包しつつも、あまり目立たない生徒のひとり、を崩さない彼の立ち居振る舞いは素晴らしかった。薄い唇で笑うと、天使にも悪魔にもなれる。ルキーニの演技はもちろん素晴らしかったですが、この作品はウンハウアーによるところも大きかったのだろうなと思います。と同時に、ウンハウアーを良く活かせたオゾンとルキーニにも脱帽。
    エンディングが意味するものが何なのかは結局明かされないままですが、クロードは家族を欲しているのだろうな、というのは瞭然だと思うので、クロードは「誰を」本当に欲していたか、なのかなと。クロードに絡みとられてしまったのは、ジェルマンなのでしょうね。
    中だるみもまったくせず、とても良い映画でした!

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