レッド (山本直樹) コミック 全8巻完結セット (KC DX)

著者 :
  • 講談社
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  • 70年安保の敗北から先鋭化していく二派の左翼集団が、多くの事件ののち合流。山岳ベース事件が発生するまでが描かれる。
    著者の特長的な描線は、ストーリーの事実性をより裏付ける説得力を持つ。個性的(キャラクター的)に描かれない事で、逆に各登場人物の人間性が浮き彫りになるという逆説。
    また印象的なのは、ある特定の登場人物にだけナンバリングがされている事だ。このナンバリングは、その人物が後姿であろうと、手だけ描かれていようと、影であっても離れない。唯一ナンバリングが消える時は、その人物が死亡する時である。
    本シリーズは連合赤軍の残酷な内ゲバが描かれるが、まだ序章に過ぎないとわかる。なぜならば、ナンバリングされている登場人物が、まだまだどっさり残っているからだ。

著者プロフィール

カルフォルニア大学サンタバーバラ校助教授 
専攻=映画理論・日本映画
Dialectics without Synthesis: Realism and Japanese Film Theory in a Global Frame, University of California Press, 2020, “Eye of the Machine: Itagaki Takao and Debates on New Realism in 1920s Japan,” Framework 56, no. 2 (Fall 2015).

「2019年 『転形期のメディオロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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