ITビジネスの原理 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ネットワークやITは
    「自己実現を加速するもの」
    「ひとを幸せにするもの」

    「純粋想起を取ったサイトに人は集まる」
    僕も何かを検索する時にはよく使うサイトがあります。
    ある意味それがブランドになってます。
    さらに言うと使いやすい使いにくいは置いておいてブランドからアプリに誘導されたらそのままインストールして使ってます。
    それで便利になるから僕はそれでいいんですがそれが怖い人もいてるんやろなあと思います。
    ただ人は一度便利になると戻れないのでいくらフォビアの人が大声で叫んでも閾値を超えるとサイレントマジョリティがマスになるので流れはひっくり返らないのかなと思います。
    少し前ECフォビアの人なんてそこかしこにいてましたもんね。

    「収穫逓増の法則」
    生産規模が大きくなると生産がより効率的になって、収穫は規模の増大分よりも大きくなるというものです。
    機械化とか大規模集約化とか強いところがより強くなるということです。

    「コスト」には3種類あります。
    情報そのもののコスト
    その情報を探すための探索コスト
    情報を手に入れるために必要なコスト。
    この三つを合わせたものが、価格に見合うかどうかで人はお金を払います。
    情報そのもののコスト(金額)が低くても払わないのは払う気がないのではなくて手続きにかかるコスト(手間)が高いんですよね。
    これがまさにITが解決しようとしています。
    テクノフォビアの声が聞こえないくらいサイレントマジョリティが増えてきました。
    スマホによる少額課金のプラットフォームができたのが大きいです。

    ゲームの本質
    「交換」「収集」「育成」「対戦」
    メンコもカードダスもソーシャルゲームも変わらないんですよね。
    僕らが小さい頃やってたカードダスや野球カード
    親父がやってたメンコ・ベーゴマ・ビー玉
    息子がやってるパズドラやポケモン
    みんな同じ本質で動いてるんですね

    「クラウドソーシングが可能にしたのはタスクの細分化」
    これまで1人でしてた仕事がタスク毎に細分化されてたくさんの人が自分の得意な分野で貢献するということが可能になりました。
    これを
    レイヤー(層、階層)アンバンドル(細分化)
    というそうです。
    離れたところに散在している情報を集めるのがインターネットの得意技なので今まさに細分化された価値が現実化されてるということです。

    「日本人はコミュニケーションが大好きで、それに対してお金を払うことをためらわない」
    インフォメーションコンテンツよりコミュニケーションコンテンツにお金を使うというのはよくわかります。
    個性的な方ではないですがマスクには少しこだわりがあります。
    基本的にマスク嫌いやったんでどうせつけるならええマスクつけようと。
    スマホカバーもそうですよね。
    やっぱり普段使いのモノには目が行きますから。

    「ハイコンテクスト」
    意訳するといちいち説明しなくても伝わる日本的なコミュニケーションやと思います。
    ハイコンテクストな文化というのは、同じ共通基盤、コミュニケーションの共通基盤があって成立するものです。
    僕らコアなヲタはよくわかる文脈です。
    「あれがええねん」
    「せやな」
    で伝わる文化です。
    ただここで気をつけないといけないのは違う共通基盤の人と喋るときハイコンテクストでいくとはみるということです。
    僕が本気でヲタのことしゃべるとほぼついてきてくれないと思います。
    それが母語と世界共通語の違いに現れますよね。
    世界が英語で統一されるとますますローコンテクストになっていくんやろなあと思います。

    ここまで来るとキングコング西野さんは正しい方向性を持ってるなあと思います。
    とことん付加価値を共有する形で共通基盤を広げてると思います。

  • iモードに携わった尾原和啓さんの書籍。業界や仕事の教養として、著名な人がどんな人でどんな主張してるのか〜ってのを知っとくためにこれ系の本読む部分ある。

    以下学びメモ。
    人はサンクコスト に金を払う。サンクコスト とは、回収できない費用。

    「ユーザがお金を払うかどうかは、情報の対価だけでなくて、その情報を調べる時間や支払いにかかる時間、手間、そういったトータルのコストに見合うかどうかで決まります。情報そのもののコスト、その情報を探すための探索コスト、情報を手に入れるために必要なコスト。この三つを合わせたものが、価格に見合うかどうかです。」

  • ITビジネスの最重要ルール、それは何か?
    見込み客を「0コストで集めること」である。



    誰かが創り、誰かの問題を解決する。
    誰かが創り、誰かを楽しませる。
    創った誰か自身も同時にHappyになる。
    お金も動けば、気持ちも満ちる。

    ITはこの流れのブレーキ要因を排除する。
    サプライチェーンをゼロにして
    「嬉しい」「楽しい」「ありがとう」が
    ダイレクトに見えるようにみんなを近づける。
    蛇口を握る人を排除すことで、情報とお金の流れをスムーズにする。

    ただし、これがうまくいくのは「そこに人が集まれば」である。



    数が機会を生む。
    プラットフォームは自己拡大再生産する。
    プラットフォームの強さは参加者の数である。

    よって、見込み客を「0コストで集める」ことは
    そのままプラットフォームを作ることに等しい。



    潜在的需給が満たされておらず、リソースの稼働率が100%ではない。
    そんなとき、「IT化(空気化)」+「0コスト集客」すれば
    プラットフォームが生み出せる。
    それを事業という枠組みで運用すればITビジネスとなる。

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  • 非エンジニア向けの読み物としては良書でしょう。
    プラットフォーマーがいかに強者であり、人々の行動を変え、多くの既存ビジネスを追いやったか、中学生でもわかるくらい平易な言葉で説明している。

    エンジニア目線で大きな収穫があったとは正直言えないが、ビジネスで成功する人、出世する人って自分を強く見せようとせず、誰でもわかる言葉で、小さな気付きを相手に与えることができるのだろう、と感じれた点はプラス。

  • 原理というと堅苦しい感じがしますが、インターネット黎明期からの歴史が何故そうなってきたかを含め、非常にわかりやすい言葉で整理されています。
    同時代を駆け抜けた身としては、モノゴトの捉え方が非常に参考になりました。また、デジタルネイティブの人は、歴史を知るという意味でも良書だと思います。

  • 今年一番良かった本かもしれない

  • 日本人は説明下手と言うが、そもそも細かな表現の違い など、「身内」でのコミュニケーションを行う文化であった。
    多民族国家でわからないことを前提にコミュニケーションをするアメリカなどと異なる文化なのである。
    ある程度お互いに『前提』がある場合、いちいち説明をすることはしない。
    インターネットはアメリカなどに合わせて作られているが、この文化にあわせたインターネットの使い方があため、そこに開発の余地がある。
    という部分は大変面白かった。

    日本は『柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺』をいちから細かく説明しないでわかりあうことをコミュニケーションとして楽しむ文化であった。けれど前提がない人と接するようになるとコミュニケーションの形は変わるざる得ない。と『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か』という書籍でリアルのコミュニケーションが変わる世界の説明をしておりました。
    本書ではインターネット上のコミュニケーションとうい点からそこに勝機がある、と。
    この書籍が発行されたのは5年前。進化の激しいIT業界でどうなったのか、現在と比較して読むと興味深かったです。

  • ビジネス 安いと感じているところから仕入れて、高く感じているところへ売る
    典型的な例が大航海時代にスペインやポルトガルが行っていた香辛料貿易

    利益を得るためには場所による価値の違い、を正しく認識する
    商品と売買の場所、3つを結びつけることがキー

    インターネットの特徴 空間的、時間的な制約なしに世界が結ばれる

    ヨーロッパの人たちは、インドではいくらでも香辛料がとれることを知らなかった

    今、そのモデルが通用しにくくなっている
    コンサルティングは最たるもの

    しかし リクルートがやっているのは世界中に点在する情報を一つに集めること
    ユーザ自身が取引の対象

    リクルートはユーザを安く仕入れて高く売っている
    グーグルは検索したユーザをカフェに打っている

    多くの企業が大変と思っていることをグーグルに任せている

    TAC (Traffic Acquisition cost)・・・ユーザを獲得するために払っているコスト
    出来るだけ0に近づけたい

    Googleのページランク理論:あるキーワードについて、それを重要としているページからリンクされているページは重要である

    グーグルアドセンス ウェブページのコンテンツに合わせて関連する広告が自動的に配信・表示される
    ウェブページの運営者がこのアドセンスを利用するとそのページの内容が解析されて、関連する広告が表示される

    Googleは検索エンジンというユーザが働きかけるプラットフォームと、企業側が働きかけるプラットフォームの両方を持つことになった

    サンクコスト
    だらだらとゲームしていた時間もさも貴重なように思えてしまう

    これかれは端材の時間を売れるようになる→ネットによる細分化
    優秀な人のチャンスが増える

    好意の応報性

    グーグルのキーワード検索は大発明
    情報を探す単位からサイトからページに変わった→情報の粒度が値策なった

    情報を発見する技術→情報を受信する技術

    電話からiモードメール→コミュニケーションコストの低下
    →結果的に、フロー化が進む

    どうでもいい情報を苦にしない、右から左へ受け流す技術が必要

    第4章 消費されるコミュニケーション
    経済、心理、物理的コストをインターネットは低減した
    書く作業がなくなってきている

    全てオープンにすることのデメリットある 模倣など
    逆に、かくしておくことのメリットはなくなった

    どうせメリットがないのなら、かくしておかずに発信してしまう
    情報を発信することで自分が豊かに。

    バイトテロ→リスクよりも、いいねが気持ちよかった。

    コミュニケーション消費が多い 日本 ストラップなど 日本はそういうハイコンテクストなコミュニケーションが多い

    日本にとっては機微が重要で、文字よりもその機微を表現できる絵文字が人気となった

    欧米では自分の前提条件を話すが、日本人はしゃべらない。前提条件を共有しているから。説明下手、とかではない。言葉にする必要がない

    合理的で無駄のないビジネスは、いずれ代償を払うことになる→ミヒャエルエンデのモモ

    阿吽の呼吸が通じないと、コミュニケーションが起きにくいのではないか

    楽天は物語りを売っている アマゾンと異なる 

    日本でコストコがはやるのはコミュニケーションコストとして

    英語化よりも非言語化、が大事では? アイコンだけでコミュニケーションできるように ナイキ、スタバのロゴからは英語が消えた

    是枝監督 映画はまぎれもなく世界言語である。多様性を背景にしながら、その差異を軽々と越境し、みなが映画の住人としてつながれるということの豊かさ。その豊かさの前に、現住所は意味を失う

    これから起きる革命 それはギガビットインターネットとウェアラブル

  • R:なんでこの本に興味を持った?
     前書きの「ITビジネスをプラットフォームの観点でまとめる」に興味を持ったから。
     実際のIT大企業の儲ける考え方を知れるかもと感じたから。
     
    A:読んでどうだった?
     筆者が在籍した企業での具体的な話が多く、またビジネスに対する考え方も具体的なものが多かったため読んでいて面白かった。ただ今の自分のレベルではこの本から何か気づきを得て仕事に活かせるかはわからないと感じた。また時間をおいてから読み返したいと思う。

    P:心に留まったフレーズ
    ・場所による価値の違い→人による情報の差がインターネットビジネスのチャンス。
    ・人をいかに安く仕入れることができるかが重要
    ・人が集まってきて自分のしたいこと、知りたいことを表明できる空間ができれば、そこがビジネスの場となる。
    ・日本人=ハイコンテクスト

  • インターネットによって物事が細切れ化され、それを集積することが得意でありまた価値を生む。直近だとUbereatsなどがその例だろう。食事を提供することを店舗を必要とせず細切れし、それがアプリ上で集積されている。

    また、言語による発想も興味深かった。確かにハイコンテクストなものとそうでないもので、コミュニケーションの手段が違い、売れるものが違ってくる(インフォメーションかコミュニケーションか)。

    それは実態そうだろうが、インターネット上でのストックの情報などは英語が圧倒的に多いことや、中国語は多くとも1国に閉じていることから、結局は英語1強のローコンテクストな状態になると思われる。うわべのUIなどの表現方法は変わるかもしれないが、根本のロジック部が変わらないと。

    ただしあくまでもPFとしてであり、そのうえで日本的なハイコンテクストが映える可能性は、大いにあると思わせられた

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著者プロフィール

フューチャリスト。京都大学大学院で人工知能を研究。マッキンゼー・アンド・カンパニーやNTTドコモ、グーグル、リクルート、楽天など数多くの企業で新規事業立ち上げを担う。現在はシンガポール、インドネシアのバリ島が拠点。著書は『ITビジネスの原理』『ザ・プラットフォーム』『アフターデジタル』『ディープテック』など多数。

「2021年 『スケールフリーネットワーク ものづくり日本だからできるDX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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