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- / ISBN・EAN: 4988111245854
感想・レビュー・書評
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カナダ・モントリオール。国語教師をしながら小説を書いているロランス(メルヴィル・プポー)は、30歳の誕生日を迎え、交際相手のフレッド(スザンヌ・クレマン)にある告白をする。
それは、自分の身体の性に違和感を持っており女性になりたいと思っているということだった。
この告白にショックを受けたフレッドは、これまでに二人が築いてきたものが偽りであるかのように思えてしまい、ロランスを非難する。
しかしかけがえのない存在であるロランスを失うのを恐れ、フレッドはロランスの良き理解者となることを決意。
ロランスに女性の立場からメイクなどについてアドバイスするが、モントリオールの田舎町では偏見を持たれ、ロランスは教師の職を失職しフレッドはノイローゼになり周りの無神経な好奇の目線や暴力など彼らに対する風当たりは強かった。
ロランスとフレッドは、離れてしまう。傷心のロランスを救ったのは、歌手のグループ「ファイブ・ローゼズ」だった。
念願叶い詩集を発表して性適合手術を受けたロランスだが、まだ心は幸せを求めてさまよっていた。
グザヴィエ・ドランが、性同一性障害の男性とパンクな女性の恋を通して、世間が認めた「普通」からはみ出した人間が生きることの難しさと社会の不寛容さそして垣根を越えて生きることの尊さを描いた傑作ラブストーリー映画。
自分の心が心と違う体にいることの苦しみ、世間の「普通」から外れることへの怖さ、世間の「普通」の垣根を越えて真実な自分であることの喜びがリアルに描かれていて、性同一性障害のことを良く知らない人でも共感しやすく、既存の価値観に違和感を持ち不安な人やはみ出していることに恐れを持っている人を励ましてくれるグザヴィエ・ドランの強いメッセージ性のある傑作映画です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
トランスジェンダー(MtF)であるロランスと、その恋人であるフレッドの愛の物語。ロランスは、大学で文学を教えている「男性」で、彼女であるフレッドと愛し合っているが、ロランスはある日、実は自分の性別に違和感があるトランスジェンダーであることを告白する。
ロランスは自身は女性として生きるのが自然なことであると感じるが、同時に女性に愛情を感じる人物である。だから、恋人であるフレッドとの関係は維持したいが、しかしフレッドは「男であるロランス」が好きである。この両者のズレはどうしても埋まらない。
カミングアウトの後、ロランスが女装して生活するようになっても、決してフレッドの愛は消えず、一緒に生活するが、しかしある出来事から離れて暮らすようになり…
磁石のS極同士がくっつき得ないように、どうしてもお互いの求めるものが一致しない、強いジレンマを抱えたカップルの葛藤を描いている。
性的マイノリティーの要素が主軸になっており、そうした人々への差別が背景のように横たわっている話ではあるが、しかしそうした当事者以外に対しても広く伝わる「愛の物語」としての普遍性がある。
二人は一体どうしたらいいのか、ということは最後までわからないが、しかしこういう愛というのは存在しうるだろう、とは思った。
ちなみに音楽やカットの雰囲気がめちゃカッコ良い、というのは特筆すべき点。 -
グザヴィエ・ドラン監督作。
あるトランス・ジェンダーとその恋人の10年間を描いた映画。
なんとなく『あのころエッフェル塔の下で』を思い出した。ドラン印はかっこ良すぎてナルっぽくみえる時あるなあ。
まあ、あんだけ才能があって美形ならしょうがないけど。
完璧だもの。
恋人の葛藤がリアルに感じた。 -
グザヴィエ・ドラン監督が90年代のカナダを舞台に、心と体の性の不一致に苦しむ男性とその事実を打ち明けられた恋人の10年におよぶ愛の道行きを見つめたヒューマン・ラブストーリー。
第65回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品され、クィアパーム賞およびある視点部門最優秀女優賞(スザンヌ・クレマン)
グザヴィエ・ドラン interview
http://www.webdice.jp/dice/detail/3969/ -
観たよーハツドラ!ハツドラ!(笑)
落ち着いてるけど、情熱的。
荒いけど繊細。
雰囲気が凄く良くできてる。
才能を感じるね(^-^)/
現代の「男と女」的に
映像と音楽がたまらん(^-^)/ -
愛し合っていた男女の片方が見た目は変わらないのに精神的に同性だと告白されたら?それでも愛していると言われたら、果たして彼を愛し続けることが出来るだろうか。性癖の壁を超えた恋愛についてここまで真正面に向き合えるのはドラン作品ならでは。物語はリアルで決して甘くない。罵倒しあって傷ついてそれでも求め合う。それでも不思議と暗さが無いのは斬新でカラフルな映像と音楽、自由さに溢れているから。10年に渡る二人の性同一障害という葛藤を描いた作品。2時間半に及ぶ長丁場だが長さは全く感じない。束の間の逃避行のシーンの美しさよ。そしてあの場面をラストシーンに持ってくるドランの手腕に感嘆しかない。泣ける!マミーと並ぶ間違いなくドランの最高傑作。
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性同一性障害とか性転換とか、そういった主題を超越した愛は存在しうるのかを映画によって思考した映画。ある意味挑戦的な作品ではあったけれど、「意味」にあふれすぎていて饒舌な感じがした。けれども、長いにもかかわらず飽きずに見られた。
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君はロランス!