トーマの心臓 Lost heart for Thoma (MF文庫ダ・ヴィンチ) [Kindle]

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著者 : 森博嗣
制作 : 萩尾 望都  萩尾 望都 
  • KADOKAWA / メディアファクトリー (2014年2月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (186ページ)

トーマの心臓 Lost heart for Thoma (MF文庫ダ・ヴィンチ)の感想・レビュー・書評

  • ノベライズ版から読んだ。王道の原点的要素もあり、しっかりとした文学にもなっていて読みやすくおもしろかった。具体的なビジュアルを伴わずに読めたのが楽しかったし、それでも迷わない程度に人物の作り込みがきちんとされていた。人物視点だからか、迷い悩む描写が少し多く感じられて、表現自体にしつこい感じはしないけれどその時間自体が長いなという印象。切り出し方、切り取り方はとても好き。オスカーとユーリとエーリクが揃って部屋で話すシーンをもっと読みたかった。

  • 「トーマの心臓」の存在を知ったのはおそらく大塚英志の評論の中での出典からだと思う。そのときはBLモノのハシリみたいな紹介だったか、非常にうろ覚えだがタイトルにインパクトがあったのか、なんとなく記憶に留めていた。

    萩尾望都の作品といえば、「マージナル」がぼくの中では一番印象に残っている。原作漫画を読んだわけではないが、NHK-FMのラジオドラマのサントラを細野晴臣が担当していたことが記憶のマーキングとなったのだ。音楽素材としての「マージナル」を通して萩尾望都に辿り着いた逆引きパターンである。その他では、菅野美穂の初主演ドラマでもある「イグアナの娘」ぐらいだろう。昭和24年頃生まれの竹宮惠子や大島弓子などとともに「花の24年組」と呼ばれ少女漫画ブームを巻き起こしたが、ぼくが読んだ少女漫画と言えば、いがらしゆみこの「キャンディ・キャンディ」と庄司陽子の「生徒諸君」と限定的であったため、花の24年組は引っかからなかったようだ。そしてその後のアニメブームによって再認識することになる。「地球へ・・・」とか「綿の国星」とかね。

    そんな萩尾望都の「トーマの心臓」をミステリー作家の森博嗣がノベライズしたものをブックオフで不意に見つけてしまったものだから、原作漫画未読のまま興味津々で読んでしまったわけだ。

    ぼくはずっとこの「トーマの心臓」というタイトルの心臓の意味が気になっていた。ミステリー作家の森博嗣だけにぼくは以下のようなことを読みふけりながら想像していた。

    事故か自殺で死んだことになっているトーマは、実はトーマそっくりのエーリクと双子の兄弟で、お互いその事実を知らないまま、エーリクが心臓疾患で心臓移植が必要な状態になり、トーマはなんらかの事情でエーリクに自身の心臓を捧げ命を絶ったのだろう、と。

    まあこれがまったくの妄想であったことは、森博嗣のノベライズを読むだけでも容易に理解できるが、では「トーマの心臓」の心臓とはなんだったのか、という疑問は森博嗣のノベライズだけでは理解することはできなかった。それよりも、舞台をなぜあえて日本にしたのか、ということの方が気になったが、それはここでは深く追求するまい。

    そうして、原作漫画の「トーマの心臓」をブックオフで探す間、とりあえず大塚英志の評論を再度読んでみようと思ったので探してみた。すると、「人身御供論」という評論に「トーマの心臓」をテーマにした章があったので再読することにした。



    ここで、大塚英志は心臓の意味を冒頭で言い当てている。

    萩尾望都『トーマの心臓』は例外的なケースに属するという点で注目すべき作品だ。この作者が〈供犠〉という主題に自覚的であることを確認するには、題名に含まれた「心臓」というキーワードの存在を指摘するだけでこと足りよう(人身御供はその心臓をえぐられ神に捧げられることで供犠たりうるのだから)。この作品のタイトルはこの物語の主題あるいは読みほどかれる方向を作者自身が暗示しているといえる。

    大塚英志によれば「トーマの心臓」における心臓とは供犠として差し出されるものであり、それはユーリの成熟の代償であったとしている。つまり、ユーリが成熟する物語のために御供死としてのトーマが必要だったわけである。トーマの死によってユーリの成熟の物語は発動し、その象徴としてタイトルに心臓が冠されたと考えるのが妥当なようだ。



    そうして、ようやくブックオフで文庫版の漫画「トーマの心臓」を108円で購入し、小さなコマをチマチマ読んだわけだ。しかしながら、少女漫画に慣れないぼくは非常に時間がかかった。さらには文庫版の小さなコマ割りにあまり得意ではないぼくはさらなる遅読を強いられることになったのだ。

    原作漫画は、ヨーロッパの全寮制男子校を舞台にトーマという少年の死から始まる愛の物語だった。少年の恋愛... 続きを読む

  • いいね。透明感がたまらない。原作が読みたくなった。

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