異邦人 [Kindle]

制作 : 中村光夫 
  • グーテンベルク21
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感想・レビュー・書評

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  • 読了後知ったけど、これ実存主義が根底にある小説だったんだ。。

    ただ単純に繰り返される主人公ムルソオの毎日は、例え母が死んでも、結婚を決めても、他人を殺しても、波風が立つことはない。
    ただ虚無的な毎日が相変わらず続いていくだけ。

    全ての出来事が彼と直に触れ合っているのに、まるで彼はそれをスクリーン越しに観ている観客かのように淡々と反応する。

    でも最後に、死刑という運命が彼を選び、さらに彼が死刑という運命を選んだ状況において

    狂気と歓喜と全ての感情が入り乱れるなかで彼の中から溢れ出てきた言葉は、

    彼に”死刑”を与える根源となった「太陽」「社会」「現存在」全てに対するムルソオの確固たる信念だったんだと思う。

    幾度となく「よくわからなかった」と連呼するムルソオに苛つく自分を感じながらも、最後の最後でムルソオが最も拒絶していた「事実に対する安心のための意味付けの行為」に自分が”馴れ”ていたことに気づかされた。そして自分がその意味付けの行為に従わないムルソオを批判している大衆の一人になっていたことにも。


    あ、ノーベル文学賞ですか。。
    なるほど、そうだったんですね。わかります。。

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著者プロフィール

Albert Camus.
1913年11月7日 - 1960年1月4日。
邦訳に
『バンド・デシネ 異邦人』(ジャック・フェランデズ作・絵、
青柳 悦子訳、2018年、彩流社)、
『最初の人間 新潮文庫』(大久保敏彦 訳、新潮社、2012年)、
『転落 追放と王国 新潮文庫』(大久保敏彦・窪田啓作 訳、
新潮社、2003 年)、
『異邦人 まんが学術文庫』(須賀原洋行 共著、
講談社、2019年)、『異邦人 新潮文庫』(窪田啓作訳、
新潮社、2014年)、『異邦人THE STRANGER
(金原瑞人MY FAVORITES) 』(金原瑞人 編、青灯社、
2012年)、『シーシュポスの神話 新潮文庫』(清水徹 訳、
新潮社、2006年)、『カリギュラ  アルベール・カミュ (1)
ハヤカワ演劇文庫 18』(岩切正一郎 訳、早川書房、2008年)、
『カリギュラ・誤解 新潮文庫』(渡辺守章・鬼頭哲人 訳、
新潮社、1971年)、『ペスト 新潮文庫』(宮崎嶺雄 訳、
新潮社、1969年)、『幸福な死 新潮文庫』(高畠正明 訳、
新潮社 2004年)、『太陽の讃歌 カミュの手帖1 新潮文庫』
(高畠正明 訳、新潮社、1979年』、『反抗の論理 カミュの手帖2
 新潮文庫』(高畠正明 訳、新潮社、1979年)、
『革命か反抗か カミュ=サルトル論争 新潮文庫』
(佐藤朔 訳、新潮社、1989年)ほか多数。



「2019年 『バンド・デシネ 最初の人間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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