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感想・レビュー・書評
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読了後知ったけど、これ実存主義が根底にある小説だったんだ。。
ただ単純に繰り返される主人公ムルソオの毎日は、例え母が死んでも、結婚を決めても、他人を殺しても、波風が立つことはない。
ただ虚無的な毎日が相変わらず続いていくだけ。
全ての出来事が彼と直に触れ合っているのに、まるで彼はそれをスクリーン越しに観ている観客かのように淡々と反応する。
でも最後に、死刑という運命が彼を選び、さらに彼が死刑という運命を選んだ状況において
狂気と歓喜と全ての感情が入り乱れるなかで彼の中から溢れ出てきた言葉は、
彼に”死刑”を与える根源となった「太陽」「社会」「現存在」全てに対するムルソオの確固たる信念だったんだと思う。
幾度となく「よくわからなかった」と連呼するムルソオに苛つく自分を感じながらも、最後の最後でムルソオが最も拒絶していた「事実に対する安心のための意味付けの行為」に自分が”馴れ”ていたことに気づかされた。そして自分がその意味付けの行為に従わないムルソオを批判している大衆の一人になっていたことにも。
あ、ノーベル文学賞ですか。。
なるほど、そうだったんですね。わかります。。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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