特捜部Q-Pからのメッセージ(下) [Kindle]

  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • 変装の達人、数知れない変名、危機に瀕しても感情を表に出さないポーカーフェイス、偽造パスポート、隠れ家、そして意外なことにボーリングした名手。理不尽な教えを強要する新興宗教牧師の父親への強い恨みが、身代金誘拐殺人を繰り返す無敵のサイコパスを生んでしまった。「神の名を語れば、他の誰よりも自分が上でいられると思っているやつらはみな地獄へ堕ちろ」。「彼の人生がこうなったのは、両親のせいだ。両親と継父のせいだ。だが、彼はすでに何度も復讐した。両親とまったく同類の人々を襲ったのだ。かなりの数だ。後悔することなどあるだろうか?」。

    派手なカーチェイスあり、犯人を必死に追跡するカールらと犯人の息詰まる展開あり。第3弾もなかなかパワフルな作品だった。

  • 評価は高いようだけど、自分的にはそこそこ面白かったぐらいかなあ。
    このシリーズは、地道に失敗を重ねる捜査チームがこつこつと追いつめて、最後にぶわっと盛り上がるスタイルだと思うので、前半と後半の熱量がかなり違う。ポケミスから文庫になって上下巻になってるので、上を読み切るのが辛いかなと思ってしまう。。今回、いろいろ忙しかったせいもあるけど、上を読むのに8日、下は1日かかるって、食指の動き方やバランスの問題かもと思ってしまう。
    まあ、Qメンバーにとって重要な情報が示されているので必読の巻であるには間違いない。

  • 結構長いストーリーですが、ドキドキが止まらない展開で、おすすめです。宗教が絡むので日本人には納得感が少ないけれど、、それを差し引いても面白いです!

  • 下巻はハラハラドキドキ過ぎて、一気に読んでしまった。
    やはりこのシリーズはマークとアサドとの信頼し合っているようで全く相入れない何とも言えない関係が楽しすぎる。緊迫した場面でのちょっとした笑いがまたツボです。
    なんとも気の遠くなるような作業から、よくぞ犯人を見つけるまで辿りついた!と、警察の執念をら感じる作品でした。

  • 読了後、「あぁ、面白かった」と唸ってしまいました。
    本書はデンマークで書かれた「特捜部Q」シリーズの3作目。ミステリーなので詳細は書けませんが、本作が一番面白かったです。

    特捜部Qとは、未解決の重大事件を扱うデンマーク警察の特別班。リーダーは公務でもプライベートでも問題を抱えるカール警部補。
    「公園にいるとカ ールは孤独感に襲われた 。家に帰ればひとりではないことはわかっているが 、同居人たちはカ ールの本当の家族ではなかった 。趣味はないし 、スポ ーツもしない 。知らない人間と余暇を過ごすのは好きではないし 、酒場で気晴らしに飲みたい気分でもない 」。
    部下はシリア系のイスラム教徒と謎の私生活を送る女性。この3人の奇妙なチームワークが、このシリーズの魅力となっています。

    長い間、忘れられていた瓶で海辺に流れついた「助けて」のメッセージ。イタズラとして処理されそうになった、このメッセージの背後には怖ろしい犯罪が隠されていました。
    3人の執拗な捜査により犯罪の輪郭がわかってくる前半から、大団円まで、上下巻750ページはダレることなく、楽しませてくれます。

    おススメの★★★★★。もちろん、第1作目の「檻の中の女」から読むのがマストです。

  • オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:Pからのメッセージ・下巻』を今朝から聞き始める。

    ラーケルとイサベルは「彼」のアジトを突き止め、「彼」の服などを身代金の代わりにバッグに詰め込み、追い詰めてるのは「彼」だけじゃないことを「彼」にわからせようという作戦に出た。が、列車からバッグを外に投げる(それは黒澤映画「天国と地獄」を思わせる)役のヨシュアが、あろうことか、バッグを投げたあとに心臓発作であの世に旅立ってしまう。ラーケルとイサベルはバッグを受け取った「彼」のベンツに迫るが、逆にベンツの体当たりを受けて車が横転、重症を負ってしまう。「彼」はとどめを刺すためにベンツを降りたが、パトカーのサイレンが近づいてきたことを知り、手をくださずにその場を去る。

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:Pからのメッセージ・下巻』の続き。

    あれほど用意周到で何事も計算づくで実行する緻密な「彼」が、身代金の受け渡しを毎回同じ手口、同じ場所でやっていたということにやや違和感が残る。それがあったから、カールたちは、ポウル・ホルトの事件と、ラーケルとイサベルの自動車事故とを結びつけることができたわけだけど。

    ユアサとローサが同一人物だと気づかなかったのは、カールとアサドだけなんじゃなかろうかというくらい鈍い二人が、こと事件に関してだけは妙に勘を働かせるというのは、どこか無理があるんじゃなかろうか。

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:Pからのメッセージ・下巻』の続き。

    「彼」が持っていたボーリング玉のキーホルダーから近隣のボーリング場に片っ端から電話をかけ、「彼」の偽名の1つであるラース・サーアンスンの利用記録が2か所から出てきた。さらに、彼の偽名のうちラース、ビアウア、ミゲル、フレディの4人は同じボーリングチームのメンバーだという。ビンゴ! カールはついに「彼」にあと一歩のところまで迫り、大会のために集まったチーム全員に事情聴取を開始する。

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:Pからのメッセージ・下巻』の続き。

    カールが鈍すぎるために、「彼」を取り違えて逃げられ、「彼」の妻を危うく死なせるところで、さらに「彼」が別荘にいる気配はいくつもあったのにもかかわらず、素手でボート小屋に向かい、出てきたところを「彼」に襲われる。考えてみれば、犯人に近づくヒントを見つけたのは、いつだってアサドであり、ローセであり、ユアサであり、元鑑識の男であり、あるいは病床のハーディであって、カールではなかったのだ。イライラの原因は全部カールのせい。はあ、なんてやつを主人公に選んでくれたんだ、著者は(苦笑)。

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:Pからのメッセージ・下巻』が今朝でおしまい。

    「彼」の名はチャップリン。妹イーヴァとともに宗教2世の宿痾を背負って育ち、妹とは真逆の人生を送ることになった。

  • カール、犯人に「お前は15年くらう」と言ってたが
    誘拐、身代金、殺人を20も30もしておいて、15年?
    仮釈放なしの終身刑ってのはないのか?

    列車から身代金を投げさせる、ってのは
    黒澤明監督の「天国と地獄」

  • ラーケルの覚醒と暴走による追跡劇はなかなか良い

  • 怒涛の展開だった。子供たちはっ?!と、なんだか必死に読んでしまった。面白かったけれど、読み終えてから見るタイトルが切ない。Qはいいチームだと思う。有能で面倒で謎のある二人の部下を抱えるカールが、なんだかちょっと気の毒なような気がしないでもないような気がしだした。

  • 新興宗教が色々問題になってしまうのは今に始まったことでは無いのでしょうが、親を選べない子供がその影響下に育ってしまい社会に適応できなくなってしまうのはおそろしいことですね。日本でも元首相襲撃事件も起きているし、今の問題として広がっていくのかと思うと本当に恐ろしい。
    犯人の行動が理知的過ぎるところが少し引っかかる。もっと狂気的な感じになるのではないか?そういう話を描かせたらキングが最高ですね。久々キングも読みたくなってきた。

  • 数年前に誘拐された子どもが助けを求めるレターが入ったボトルが特捜部Qのもとに。
    誘拐犯は今も誘拐を連続して続けていた。
    なぜ被害者家族はみな黙っているのか?
    レターから犯人を追い詰める。

  •  面白かった。

     信仰って、人を救いもするけど、歪ませもする。“神”の名を使ったところで物事が持つ二面性からは逃れられない。所詮人間が作った価値観だものね。

     事件は今回も陰惨で後味も悪いけど、カール目線で語られる部分のユーモアで気持ちが救われる。
     カール自身が大変な目に遭ってて、今も問題があるのに、そこが重々しく描かれていないところもいい。アサドやローサもそれぞれ謎があるし、ハーディの状況も苦しいけど、あんまり気詰まりにならなくて済むのがこのシリーズの一番好きなところ。
     カールの女性観が、巷に溢れる「〇〇な女は嫌われる」とか「愛され△△女子」そのまんまな感じなのも笑える。

  • 面白かった、と思うのに、そこに「すごく」が何故かつけられない。
    アサドやユアサの謎がもわりと残っているせいなのか、捜査の進行にやきもきしたからか、カールとハーディの記憶の祖語のせいなのか……

    宗教の恐ろしさは排他的なことだ。
    狭まった心には一方向しか光が射さず、他の場所はつめたく硬くなる。

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