夢違 (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 恩田陸さんの本でマイベストです。
    夢を記録して見ることができる、そこから始まるミステリーです。
    集団意識などちょっとわかりづらいところもありますが、テンポもよく、引き込まれて読みました。

  •  いやあ、面白かった。ジャンルを強いて言えば、SF系モダンホラーと言っていいでしょうか。
     子供達の課題図書を探すためという口実からせっせと氏の作品を読んでいましたが、今回は背筋がぞくぞくする、ちょっと怖めの作品でした。
     夢をテーマにしたモダンホラーですが、SF要素あり、恋愛要素あり、探偵的要素もあり、それでもやっぱり背筋がぞっとするテイストでした。

     作品の魅力は、やはり『夢』をテーマにしたことでしょうか。
     意識的には見ることができない、コントロールができないものである夢に、呪術的な意味や性格分析的な意味合いを持たせることは深層心理学とかではあるようですが、一般的な感覚でいうと夢分析はありそうでまだない、未確立の分野だと思います。

     夢という自己の産物と現実との境界が薄くなった時、夢ははたして自分の産物かあるいは外からやってくるのか、あるいは集団的意識が雰囲気と同じように『夢』を同時に見るのか等、夢を通じての意識や集団とのつながり、現実と非現実の境界などについても上手に描かれています。

     また発展的な話題として、夢を通じて人をコントロールする可能性、夢というプライバシーをどう守るか。夢と現実、ひいては自己と外との境界はどこか(そもそもそんな境界はあるのか)等のトピックも読中ふと頭をよぎりました。

    ・・・

     結末は恩田氏らしい、爽やかで後味の良い終わり方でした。
     野暮な教訓や意味を考えず、単純にエンターテイメントとして楽しみたい作品だと思います。ただ、読後はちょっと寝るのが怖くなります笑 って昨日も爆睡しましたが。

  • TVドラマ「悪夢ちゃん」の原案小説らしいけど,全然違う感じ。ドラマは観てないんだけどね。最後がなんだかスッキリしない。

  • 北川景子さん主演映画「悪夢ちゃん」の原案になった作品です

  • 相変わらず話の真ん中がおもしろすぎる。そのせいで、しばらくすると「あの話ってどう終わったんだっけ?」ってなるのもいつものこと。もはや様式美。特に誰にも感情移入しなかったので、ふむふむと読んだ。

  • 技術の進歩により、人の夢は可視化できるようになった。人々は「夢札」に自分の夢を映像として記録する。夢の分析を職業とする浩章のもとへ、また夢札が持ち込まれた。とある小学校で起きた不可解な事件。浩章はその夢に、亡くなったはずの女性の影を見つける…。

    恩田陸の真骨頂だと思った。「目に見えないもの」の恐ろしさをこれでもかと煽ってくるかんじ。物語が動き出してからはずっとぞくぞくしていたが、そのくせ読むのを止められなかった。いろいろな意味で恐ろしい。結末はどうなるのだろう、と漠然と思っていたけれど、恩田陸にしてはきちんと回収してくれたと思う。ただ、途中の描写が凄すぎて、素直すぎる結末に拍子抜けしたというのも正直なところ。SFともミステリーともつかない、彼女のこのジャンルがとても好きだ。

  • 再読。恩田さんのこういうちょっとだけ違った世界の舞台設定は好みです。その中で謎を追いかけていき、謎が解けたような解けないままのような結末になってますが、終章で「ごめんなさい、待った?」「いいや、ちっとも」っていうごくごく平凡なセリフで再会するところは、そのセリフにいろんな意味を含んで、なんだか「よかったね」という気持ちになりました。

  • 2014/3/25 Amazonの角川書店ビッグセールで購入。
    714円を340円で。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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