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感想・レビュー・書評
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名前は知っているけれど読んだことがない、世界を変えたことも知らなかった本が紹介されています。
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宗教、戦争、環境、経済。それぞれの分野で読むべき10冊が凝縮してまとめてある。経済には疎い自分でも、日本の政権政策がどんな理論からなされたのかもうなずける。カトリックとプロテスタントの流れも理解できた。どの著書も歴史を刻み、現代に影響を及ぼしている。もっと深く知りたくなる内容ばかり。
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聞いたことはあるけれども読んだことがない、内容は知らないという本がたくさんあるのは、誰もがそうだと思います。特に、学校でそういう本があることだけは習ったとか、そう言えばテレビでそんな本があることを聞いたとか、でも内容まではわからないというのが、ある意味ほとんどではないでしょうか。
そんな反省も込めて、この本のタイトルを見たとき、読んでみようかという気になりました。さて、どんな10冊が選ばれているのでしょうか。
アンネの日記
聖書
コーラン
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
資本論
イスラーム原理主義の「道しるべ」
沈黙の春
種の起源
雇用、利子および貨幣の一般理論
資本主義と自由
お恥ずかしながら、そもそも私は、聞いたこともない本がいくつかありました。それに、最初が「アンネの日記」というのも正直驚きでした。例えば、「聖書」が最初であればわかる気がするのですが。
この10冊を本当に読もうとすれば、相当時間と労力を要すると思いますが、そこはさすが池上彰さんですので、私にもよくわかるように、実に平易に解説してくれます。まるで、娯楽番組でも観ているかのように、あっという間に読み終えることができました。
読み終わった感想としては、やはり、日本人が思う以上に、世界は宗教の影響を受けているということです。宗教という背景を知らなければ、日本は、様々な国々とうまく付き合うことができないと感じました。また、私たちが生きていく上で大切にしなければならない真理や、解決しなければならない課題は、すでに大昔から指摘されているということにも驚きました。指摘されているにもかかわらず、人間がそれらを軽視、あるいは無視をしてしまっているという現実。特に、「沈黙の春」で指摘されている環境の問題については、私たちは目をそらすことはできません。まして、原発など、問題外だと私は思うのですが…。
この手の本は、入り口としては最高ですが、私としては、できれば原典に当たりたいと、そういう気持ちはもっています。でも、この10冊以外にも、名前しか知らない有名な本はいっぱいありますので、時間がいくらあっても足りませんね。 -
10冊の中で読んでいたのは4冊だった。
この人の、ややこしいことをすっきり伝える技術はすごいものがあるな。「資本論」みたいに読みにくくて有名な本についても(引用は回りくどくて何度読んでもわからない)、大枠を噛み砕いて教えてくれる。原書を読んでいる4冊の紹介から察するに、難しい部分を避けているわけじゃない。料理の仕方なんだな。
資本論は避けてきたけど、池上彰の解説本があるみたいだから読んでみようかな。コーランはやっぱり読まないとだめかな。 -
選定された10冊、全て私は読んだ事はないのですが、
本書を一読しただけで“読んだ気”になります。
解説が上手すぎる上に池上さん独自の解釈も
非常に面白く、分かった気になって終わってしまいます。
池上さんは本書を入口にもっと深く探求して欲しい、
と思っていらっしゃると感じます。
ところが本書でさらっと表面を舐めて終わり、
と言う状態がもったいないと思いつつ、
それ以上の行動を起こす気になれません。
他の入門書は池上さんの説明ほど面白くなく、
さりとて難解な著作にチャレンジするのは億劫、
という気持ちが自分の中で勝るのだと思います。
内容自体は抜群に面白く、☆5つですが、
上記のモヤモヤ感が抜けず、☆4つとしました。 -
『アンネの日記』『聖書』『コーラン(クルアーン)』...平易な言葉で解説がなされている。難しいことを易しい文章で書くーこれは深く勉強しているからこそ為せる技だろう。またそれぞれの本は一見因果関係がないように見えるが,実は繋がっておりそのつなげ方が実に巧い。内容はもとより池上さんの文章はその書き方が勉強になる。
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Audibleにて。
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世界的に有名で、その著書により世界に大きな影響を与えた10冊の本を池上氏がチョイスして解説。
本の概要と与えた影響を簡潔に解説している。
アンネの日記、聖書、コーランなど、聞いたことはあるがほとんどの人がきちんとは読んだことのないだろう本が集められていて、核心部分が学べるため、ためになる。
教養を得られる(気になれる)本。 -
池上彰さんは社会情勢の複雑性を紐解くキュレーター。さすがに20年代に入ってお年を召されたなぁと思うところはあるが、彼の本が「入り口」として最適であることに変わりはない。
本書でピックアップされた10冊はどれも現代社会の主流派コンセプトの礎ばかり。
特に1冊目は良いチョイスと思った。アンネと同じ境遇を耐えて生き延びたヴィクトール・フランクの「夜と霧」でなく、ナチスを説いたハンナ・アーレントの「全体主義の起源」でもなく、「アンネの日記」であるのが良い。誰もが涙した「悲劇の少女」だったからこそ、多数派の共感を結集させてあらゆる「反ユダヤ思想」を「ナチス」色に染め上げることに成功したと言って良い。「ユダヤ陰謀論」も「反ユダヤ主義」も、今やナチス同様に「悪」にくくられる差別思想なのだ(土地を追われたパレスチナ人や資本主義で搾取される側の人たちが大勢居るにも関わらず、ユダヤ側をまとめて批判することはご法度とみなされる)。
この他、経済(資本主義)に関する書籍が多いのも特徴的だった。「プロテスタンティズムの倫理と資本」「資本論」「沈黙の春(資本主義の結果もたらされた環境問題の指摘なのでこれも入れる)」「雇用、利子および貨幣の一般理論」「資本主義と自由」が紹介されていた。最近では資本主義の自由競争の文脈でもイノベーションでも「進化論」が語られる(詳しくは「進化思考」の感想に書いた https://booklog.jp/users/kuwataka/archives/1/4909934006 )ので6/10は経済関連書と言えるかもしれない。 -
■ 学んだこと
・特定の社会集団をまとめるには、共通のイデオロギーが必要だが、中でも「宗教」の持つ力は強力無比
・イエス、ムハンマド、アンネ、いずれも基本的には平和思想の持ち主
・したがって、宗教は怪しいものでも、危険なものでも無く、人の有るべき姿勢や考え方を説く道徳的な存在と思う
(個人的理解)
・一方で「宗教」には「寛容性」に欠けるようなところがあり、故に原理主義、過激派、テロ、宗教戦争のような悲しい現実につながることがある
・また、信心深さは、ある側面、自由意志を制限し、ひたすら労働や資本の増強に人々を駆り立てるという、意外な展開を見せることもある
・宗教と経済や環境の意外なつながりに驚く
■ レビュー
・歴史を動かすほどの重要な10冊が、かなり要領よくコンパクトに紹介されていて、時間がないが教養を高めたい人に向いている
・短いとは言っても、重要なポイントは押さえてあり、たしかに知識は広がる感じがする
・お手軽に勉強した気になってしまい、すぐに記憶が薄れてしまったので、ここを入り口に、さらに自分で紹介されている本を読むのが望ましいかと思う