GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代 三笠書房 電子書籍 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 本の分類というのはつくづく難しいものだと思う。どこの書店でも本書はビジネス書のコーナーに置いてある。でも、そこに留めるにはあまりに惜しい一冊だ。
    『GIVE & TAKE』という題名からすると、何かドライな、ビジネスライクな印象を与えるけれど、さにあらず。それどころか、人間の良さを引き出して人間らしく生きていくために、周囲の人間とどう関係を築いていくかを考える際の、有効な思考法のひとつと言っていい内容だ。
    Kindleで読んだが、紙の本で買い直した。

  • 利他的な人も結局利己的なのでは?

    本書は、三種の人間として「利己的なテイカー」・「ギバー(2種)」・「中庸のマッチャー」について、具体例を交えながら述べられている。
    そして、成功する人間は、利他的なギバー>テイカー>マッチャー>自己犠牲的なギバーの順であるとしている。
    同じギバーでも二種類ある。

    これらについて自分なりに考えてみた。
    利他的なギバーは、長期的なギブが出来る人である。
    自己犠牲的なギバーは、短期的なギブをする人である。
    どちらも与える人に代わりはないが、与える事が出来る機会に差がある。
    他人に何かを与えることを真に考えたとき、自己犠牲ではいつか限界が来る。
    一方、利他的なギバーは、他人に与え続ける為に、与える事が出来る状況を維持し広げていく。
    この状況の維持拡大が、ギバー自身の財産を増やし、結果として本書のタイトルにもある成功に繋がるのだろう。

    ただ、ここで疑問がある。
    この利他的なギブする為の維持拡大は、利己的な行為なのではないか。
    なぜなら、ギブするという行為そのものが、ギバーのギブしたいという意思・欲望から生まれた自分勝手なものだと思えるからだ。
    そのため、利己志向の中に、利他志向は内包されていると考える。

    本書を読んでただギバーになろうと考えるのは、自己犠牲的なギバーになる可能性も孕んでいるため、やや危険な気もする。

    本当に考えるべきなのは、利己的に利他的なギバーになることだと思う。

    利他的なギバーになるのは何のためか。
    この本を読んだのは何のためか。
    成功したいから手に取ったなら、それは利己的な欲求からだ。(少なくとも自分はそう)

    なら利己的に利他的なギバーを目指すことは矛盾しないだろう。

  • 題名から想像する内容とは違い、非常に知的な本だった!
    テイカー、ギバー、マッチャー、
    一番成功するのは、自分も他人も大事にするギバーであることを知った。
    単純に自分が何者なのか、客観的に判断してもらいたいと思った。
    テイカーだったとしても、その事実を認めるところから成長はスタートすると思う。

    優位と信望が影響力を与えるには大事だが、優位を取ろうとテイカーは頑張る。そんなテイカーにはなりたくないし、疲れると思う。
    テイカーの自分よがりな会話や、相手の気持ちが汲めない、空気が読めない、満足しているのは自分だけ、ということは自戒の意味も込めて気を付けていきたい部分だ。

    まずは、形からでも与え続けることを始めるのもよいかもしれない。

    ↓備忘メモ
    テイカーが自分を中心に考えるのに対し、ギバーは他人を中心に考え、相手が何を求めているかに注意を払う

    与えることが望ましい結果を生むかどうかは、その「与え方」にもよるのだ。

    受ける側からすれば、ギバーからサービスを受けたい

    何よりまず、成功するのに、ほかの誰かを犠牲にする必要はない

    自分にまったく利益をもたらさない人間をどうあつかうかで、その人がどんな人間かがはっきりわかる

    強いつながりは同じネットワークのなかだけで交流するので、同じ機会を共有することが多くなる。それに対し、弱いつながりは、異なるネットワークのほうに、より開かれているので、新しいきっかけを発見しやすくなる

    価値を交換するのではなく、価値は「増やす」ことを目指す

    ギバーがネットワークを築くと、パイそのものを大きくするので、誰もが大きめのひと切れをもらえる

    テイカーは最下位だった。しょっちゅう頼み事をするくせに、めったにお返しをしないため、信頼がないのだ。

    自分の知力にだけ頼った、一見、個人の力が大きい仕事でも、成功するかどうかは自分で理解している以上にほかの人びとの協力にかかっている

    外科医は手術の腕前をもち運ぶことはできない。
    外科医は手術をサポートしてくれる特定のチームメンバーとの協力関係が必要

    人間は「他人がしてくれたこと」より、自分が「してあげたこと」に関する情報をより多く手に入れる。
    悪気がなくても、人は自分の貢献を過大評価し、他人の貢献を過小評価する

    ★テイカーが「視点のズレ」を考慮することはまずない。自分の観点からしか物事を見ようとしないので、ほかの人が自分のアイデアや意見にどんな反応を示しているか、結局気づかない。
    ものの見方を相手の視点に合わせる。だが、これを最初からできる人はそうそういない。
    他人の視点から見るといっても、たいていの人は自分のものの考え方から出ることはなく、「この場合、『私』ならどう感じるだろうか」と自問する傾向がある
    ★自分のものの見方にこだわるのではなく、他人の視点から見る能力は、協力関係で成功するギバーの得意技だ。

    教師が潜在能力の高さを「信じた」生徒がどうなるか、
    教師が生徒を「伸びしろがある」と信じたことで、その成長に大いに期待をかけたからなのだ。
    教師はブルーマーに温かく接し、意欲をそそる宿題を出し、授業ではよく当て、より多くアドバイスをしてやった。

    ある分野の専門的技術を習得するには、コツコツとした練習が延べ一万時間は必要なことが明らかになった。
    しかし、そもそもこれほど長い時間、練習する気にさせるものとはいったい何だろうか。
    ピアニストと親が最初のピアノ教師について語ると、決まって「思いやりのある、親切で、寛容な先生」だったと回想する。
    ギバーである教師によって音楽への関心に火がついたのである。

    「この投資を成功させることができれば、私が正しかったことを、自分自身にも他人にも認めさせることができるに違いない」。
    テイカーはエゴが脅かされることに敏感なため、ギバーよりも立場固定に陥りやすいようだ。

    ★人に影響を与えるための二つの基本的なアプローチは、優位と信望であることがわかっている。
    優位を確立すれば、人から有力で権威があると思われるので、影響をおよぼすことができる。
    また信望を集めれば、人から尊敬、賞賛されるので、やはり影響力は大きい。

    ★優位を確立するために、テイカーは強気なコミュニケーションをする。力説し、声を張り上げて権利を主張し、確信をもって自分をアピールし、実績を強調し、信念とプライドをかけて売り込む。
    両腕を広げ、眉を上げ、威圧的なポーズをとって、必要とあらば、怒りや脅しも織り交ぜながら、力を誇示する。テイカーは言葉によるよらないに関係なく、強力なメッセージを送って、会話を自分の思う方向にもっていこうとする

    自分より優位にある誰かに出くわせば、とたんにテイカーは影響力を失うだろう。

    それに対して、信望はゼロサムではない。尊敬と賞賛はいくらでも与えることができるからだ。
    信望には、無限に続く価値がある
    信望とは、どのようにすれば集められるのか。
    テイカーの強気なコミュニケーション法の対極にあるのが、「ゆるいコミュニケーション法」である。
    ゆるいコミュニケーションをする人は、強引な話し方はせず、不明な点があれば明らかにし、人のアドバイスを喜んで受け入れる。
    弱点を隠さず、弱さをさらけ出し、拒絶や障害や 躊躇 をうまく利用して、会話を進めていく。

    ★弱みを見せても効果があるのは、周囲の人びとに有能だと認められている場合にかぎる こと
    達人が「あー、しまった! コーヒーをスーツにこぼしちゃったよ」という声が入っていたのだ。
    平均的な志願者がヘマをしたときには、好感度はさらに下がったのに、達人がヘマをすると、好感度がいっそう上がった のである。

    売上トップの医薬品営業マンの条件は、ギバーであること だったのだ。

    こうした言葉は、それを聞いている相手にある明確なメッセージを伝える。つまり、話し手には自信も権威もないのだ、と。

    控えめに話さないほうがいい立場が一つだけある。それは、リーダーシップを担っている場合 だ。

    テイカーやマッチャーは、人にものを聞くことにしり込みする。テイカーから見れば、人に何かを聞くことは、自分が答えをすべてわかっているわけではないと認めたことになってしまう。自分がか弱く、依存的で、無能に見えるのではないかと恐れているのだ。

    ★ギバーがアドバイスを求めるのは、純粋に他人から学びたいと思っているからだ
    人にアドバイスを求めると、相手への信頼や、その洞察力や専門知識に敬意をもっていることを示せる。

    誰かにアドバイスをすると、テイカーは自分が偉くなったような気になるし、ギバーは人の役に立てたような気になる。

    ★受賞者は自己の利益追求のスコアも高かったのである。大きな成功を収めたギバーたちは、身の上話のなかで、対照グループの二倍、権力や業績の追求について触れていたのだ。
    影響力を手に入れ、認められ、意欲的な成果を達成することに関連した目標が、受賞者のほうがおよそ二〇パーセントも多かったのである。
    ★成功しているギバーは普通の人たちより他者重視であるだけでなく、利己的でもあるということだ。

    ビル・ゲイツが世界経済フォーラムで、「人間には二つの大きな力──利己心、他人を思いやる心──がある」と主張しているように、人はこの二つをかけ合わせて原動力にするとき、もっとも成功できるのだ。

    愛想のよさの少なくとも三分の一、ひょっとすると半分以上は遺伝によるものだという。 愛想がいいか悪いかは、生まれついての資質もある ようだ。

    ★私たちには、愛想のいい人はギバーで、無愛想な人はテイカーだという固定観念がある。

    他者志向のギバーは信用することを基本としながらも、その行動や評判からテイカーだとわかると、ギブ・アンド・テイクのやり方を使い分ける。

    ★メンバーをギバーにするグループとは、いったいどんなグループなのだろうか。

    ギバーとして行動します」と宣誓させれば、思いやりを大切にするようになり、実際に人の役に立つ、誠実な人間になるだろうと思うのだ。  しかし多くの心理学の研究から、この推論は逆効果であることがわかっている。

    つまり、 最初に人びとの行動を変えれば、信念もあとからついてくる

  • これは名著。ギバーの疑問に解答をくれるなぁ

  • ただのお人好しと、成功する「ギバー」の違いが書かれている。
    ギバーを装ったテイカーの見分け方も教えてくれる。
    私は常にギバーでいたいな。

  • 途中で挫折してしまった。。。

    私が社会人として働き始めた時にもう一度チャレンジしてみたいと思う。身近に人をギバー、テイカー、マッチャーに分類できる環境がない。身近な人で例えながら読めたら、よりこの本を理解できると思う。

    営業の面では、「売る」ことを考えるのではなく「相手を知る」ことを優先させるべきなのだと思った。

    親切は相手にも自分自身にも良いことなので、積極的に親切な行動をとろうと思った。

  • 福音だ。この本によって社会がもっと良くなるだろう。

  • 世の中、声の大きい人や怖い人が
    幅を利かせているように思えてた時
    たまたま出会ったこの本。

    宗教や哲学による慰めではなく、
    科学的に「いい人」の生き方について
    アドバイスがほしくて読んでみた。

    ・与える人(ギバー)
    ・奪う人(テイカー)
    ・損得のバランスをとる人(マッチャー)
    3つに分けて解説している。

    長期的にみた時にギバーが得するようだ。
    ただ、ギバー全員が成功するかというと違う。
    ギバーでいることは、お人好しとして
    搾取される可能性も多分に秘めている。
    その分かれ目は『自己犠牲』。
    自分を差し置いてまで他人に与え続ける場合、
    奪われるだけの残念な「いい人」となる。

    また今はSNSの時代。
    テイカーの浅い下心や虚栄心は見抜かれがち。
    ギバーは、個の利益ではなく、
    相手や全体の利益をみることができる。
    親切を受けた人たちが味方につき
    ゆくゆくは成功していくようだ。
    ギバー的な生き方は、今こそ
    求められる生き方なのかもしれない。

    実践的な学びとしては、
    ギバーが気をつけるべきは
    ・信用しすぎること
    ・相手に共感しすぎること
    ・臆病になりすぎること
    利用してくるテイカーを
    見抜く必要がある。

    またギバーは遠慮がちなため
    自身の利益の主張が難しい。
    その場合、代理人の立場として
    伝える方法が有効だという。

    ひとつ興味深かった実験がある。
    お金を自分がもらうか、
    グループに与えるか選択するもの。
    グループに与える方が
    全体としては得になる。
    グループにギバーが1人いるだけで
    回を重ねるごとに
    他のメンバーも与える気持ちになり
    全体としての利益を大きくしたという。

    自分を大切にしつつ利他的であることは
    遠回りかもしれないが
    確実にみんなで幸福へ近づく方法
    なのかもしれない。

  • Udemyコース「人生100年時代 経営者・リーダーが不機嫌では困ります『あなたがご機嫌でいるためのルーティン/構築法とセルフコーチング』」より
    https://www.udemy.com/course/100-year-life-gokigen-hacks-selfcoaching/

    半分くらい読んで、後は流し読みした。
    ギバー:人に惜しみなく与える人
    テイカー:真っ先に自分の利益を優先させる人
    マッチャー:損得のバランスを考える人

    要はギバーになって成功しようっていう自己啓発本ですね。
    テイカーやマッチャーだとだめ。

    自分は意地が悪いのでギバーで搾取されて終わった人の話が読みたかった。PART6に、「成功するギバー、燃え尽きるギバー」っていう、自己利益への関心高低・他者利益への関心高低の2x2マトリクスが出てきます。
    ・自己利益への関心高、かつ、他者利益への関心高=>他社志向の成功するギバー
    ・自己利益への関心低、かつ、他者利益への関心高=>自己犠牲的なギバー
    だそうです。前者とマッチャーの違いは何?ちゃんと読んでないから分からないけど、結構紙一重な気がしました。

  • 非常に興味深い一冊に出会いましたので、紹介させていただきます。

    要するに、
    「情けは人の為ならず」という話なのですが、
    個人的な経験や思い付きで書かれた自己啓発書や生き方論ではなく、
    本書は、史上最年少で終身教授になった組織心理学の研究者が行動科学の理論と実証研究に裏打ちされた人間の本性を暴き出しています。

    この議論の根底にある人間の行動類型の三種類は、
    ・「ギバー(与える人)」・・・相手のことを考え、真っ先に相手に与える。目的としてテイクがあるわけではない。見返りなど関係なしにまず相手に与える。

    ・「テイカー(受け取る人・奪う人)」・・・与える場合でも、目的はあくまでもテイクにあり、自分の利益を中心としてその手段としてギブする。

    ・「マッチャー(バランスをとる人)」・・・「人間関係の損得はお互いに五分五分であるべきだ」と考える。いつも頭の中にバランスシートを持っている。

    です。


    さて、この中で、一番成功した人と、一番成功できなかった人は誰だと思いますか?


    一番成功した人はギバーで、
    一番成功しなかったのもギバーだったというのです。


    つまり、ギバーの仕事のパフォーマンスは二極化するというわけです。

    「ギバーこそ成功する」ことは確かなのですが、それはある条件のものとで成り立つというわけです。

    「与える人が成功する」というロジックは、現象として起きるまでに、非常に時間がかかります。
    人に与えたことは後々かえってきますが、ギブのあとのギブンが起こるのはずっと先の話です。
    しかも、いつ返ってくるのか、果たして返ってくるのかこないのかはわかりません。
    しかし、ギバーはそこにそういう「取引」を持ち込みはしません。
    要するに、時間に鷹揚な人でないとギバーにはなれないのです。

    テイカーやマッチャーは自分が誰かにしてあげたことを損得勘定に置き換えて、仔細漏らさずに自分の「記録ノート」につけています。
    対して、ギバーは「記憶ノート」に言いもいでを残すことを大事にしています。
    ギバーは記録よりも記憶を重んじます。

    ギバーにとって恩恵とは、「思いがけず来るもの」であり、事前に期待したり損得勘定するものではないのです。


    では、どうしたら、ギバーになれるのでしょうか。

    悔い改めたり、これからは様々な必要なことをしなきゃいけない、のでしょうか。
    要するに「がんばれ」という話なのでしょうか。


    これに対して、著者は、「がんばるな」と言います。

    というのも、ギバーであることは、人間の本性です。
    人間は自然とあるべきギバーに戻っていくというのです。


    「他者に利益を渡す=自己の利益がなくなる」
    と思いがちなので、
    「ギバーにならねば」と思っていてもなかなか行動できない。

    ですが、著者は言います。

    「他者に利益をもたらすためには、『自己犠牲』は必要ない」と。


    成功するギバーは、「自己犠牲」ではなく、「他者志向性」を持っているといいます。
    他者志向性とは、たとえば、チームで仕事をするときに、自分の取り分を心配するのではなく、みんなの幸せのために高い成果を出すことに目的を設定することです。

    ポイントは、自分がその仕事をせずにはいられないという「意義」です。

    「自分にとって意義のあることをする」
    「自分が楽しめることをする」

    この条件が満たされれば、ギバーは他人だけでなく、自分にも「与える」ことが出来ます。

    ギブはもはや犠牲ではありません。
    真のギバーは、他者のみならず、意義に向かって仕事をする自分自身を助けているのです。


    本書の例で挙げられている話。
    ・「弱いつながり」の大切さ、休眠状態の繋がりがより多くの新しい情報をもたらすこと、
    グループに一貫したギバーがいると、他のメンバーはより与えるようになること。ギバーは与えることを「当たり前」にし、グループ全体の利益を大きくしたこと。

    ・成功するかは、自分で理解している以上に、他の人々の協力にかかっていること。

    ・成功したギバーは、自分だけでなく、グループ全体が得をするようにパイを大きくする。

    ・結婚式の贈り物を受け取る側は、独自の贈り物よりも、欲しいものリストの贈り物をはるかにうれしいと思う。

    ・人が才能を伸ばすきっかけになるのが「やる気」。
    ギバーは才能を見抜き、それを伸ばすことに長けているだけでなく、予想が外れた時も自分の立場にこだわることなく、前に進んでいける。

    ・吃音という弱みを隠さず、さらけ出し、拒絶や障害を利用して、人に力を振るうことなく、人を助けることに関心を示すことで辛抱が集まった弁護士。
    (条件は、弱みを見せても効果があるのは、周囲の人々に有能と認めらrてえいる場合に限る。達人がへまをすると好感度が上がる。)

    ・トップ営業マンは、「ゆるいコミュニケーション」を取る。
    相手がどんなことに関心があるのか考える。
    質問をし、その答えにじっくり耳を傾けることで、顧客に自分の関心事を大切に思ってくれていると感じさせる。

    顧客「あなたは本当に話が上手ですね」
    営業マン「私はほとんど何も話していません」

    人はそもそも自分のことを話すのが大好き。
    人は話せば話すほど一層グループについて知ったと思う。

    交渉上手は、「質問」することを当たり前にやっている。
    かなりの時間を費やして、「相手側の視点」を理解しようとしている。
    自分が欲しいものを相手に要求するのではなう、顧客が何を欲しがっているのかを聞き出す。

    ギバーは、相手にものを訪ね、その人と良く知りあうことで、信頼関係を築き上げ、ニーズを知ろうとする。

    ・「ちなみに、あなたは次の選挙で投票に行く予定ですか?」
    と聞いただけで、投票する確率を41パーセント上げることができる。


    ・スラム街の学校を救うために現場に入ったがバーンアウトした新人教師
    →ところが、さらに与えるようになると拾う症状が消えていき気力が回復した。

    「意味のない仕事」に誰もが燃え尽きる。

    ギバーが燃え尽きるのは、与えすぎたことよりも、与えたことでもたらされた影響を前向きに認めてもらえないことが原因。
    ギバーは与えたことに時間とエネルギーを注ぎ込みすぎるせいで燃え尽きるのではない。
    困っている人をうまく助けてやれない時に燃え尽きる。

    状況が変わることで、気力は回復する。


    燃え尽き症候群を回避するためには、
    他人のことだけでなく自分自身のことも思いやりながら、他者志向的に与えること。
    そして、きちんと計画して与える。

    ボランティアも百時間を超えると幸福度は下がる。
    このラインを限度に設定しておくことで、大きなパワーが得られ、疲労感が少なくなる。

    義務感からするのではなく、楽しく有意義だからする。

    自己犠牲のギバーは支援を受けることに居心地の悪さを感じ、精神的にも肉体的にもダメージが大きい
    一方、他者志向のギバーは、自分自身を幸せにすることの大切さ理解しているので、燃え尽きそうになると、周囲のサポートを受ける。
    周囲のサポートこそ、燃え尽きの強力な防止になっていることが研究からわかっている。

    他者志向ギバーは他人を助けるのが楽しいので、自分から進んでそうするが、いざという時は助けを求めることを厭わない。
    マッチャーやテイカーよりも、燃え尽きる割合が低い。

    気力は筋肉のように鍛えることができる。

    人に何かをしてあげることは生きがいをもたらし、自分自身の問題から目をそらさせ、人から評価されていると感じる。
    それによる幸福感が、人をより頑張らせ、やりがいのある目標を立てさせ、より効果的に働こうをする気になる。


    ・では、
    「世の中にはやっぱり善人を食い物にするテイカーって一定の割合でいますよね。そういう時はどうすればいいんですか」
    ということですが、
    テイカーと付き合う時にはマッチャーになればいい、というのが本書の提案です。

    戦略的に、「寛大なしっぺ返し」をして、三回に二回は張り合うが、一介は協力的な態度で応じるということができる、というわけです。
    つまり、自衛のために、マッチャーになり、三回に一回はギバーになって、テイカーに名誉挽回のチャンスを与えるというわけです。

    成功するギバーの多くは、人はみな善人だという信念から出発しますが、
    同時に、周囲の状況を注意深く観察して、潜在的なテイカーを割り出しています。
    必要とあらば、〈ハトのように素直に、ヘビのように賢く〉テイカーの感情を思いやるのではなく、その思考を分析し、無条件に与える代わりに、より計算されたアプローチ、すなわち寛大なしっぺ返しで対応するというのです。

    ・人が節電に成功したのは、
    「みんながしている」「ご近所と一緒に省エネしよう」が一番効果的。
    人は類似した他者に最も影響を受ける。

    ・教育現場で、「助け合いの輪」という課題・・・各学生がクラスメイトに願い事を一つだし、残りの学生が自分の知識や情報やコネをつかってそれを叶える手助けをすると、利己的と思われていた学生たちが進んで手助けをした。
    上級管理職のお金と時間は、900万円~2500万円、67時間節約できた。

    上手くいっているように見せなければならないプレッシャーで心を開けない
    →誰もが願い事を言うので恥ずかしいと思う理由がなくなる。
    共感の雰囲気が満ち溢れるようになる。

    「助け合いの輪」はテイカーをギバーとして振る舞わせる状況をつくりだした。

    カギは、与えることを人目にさらすこと。

    ・「私は親切な人です」宣言は逆効果。

    最初に人々の行動を変えれば、信念も後からついてくる。




    「人はもともと善良である」ことを実証した、ブレグマンの『HUMANKIND』に通じる話でもあったかと思います。

    職場やコミュニティにおいて、もし私たちのうち一人が「他者志向的なギバー」になれば、全体が変わりえることは大いにあり得ますし、長期的に見てそれが自己にとっても健康的なことかもしれません。
    (いま、職場でそのような存在になろうとしていますが、ワクワクしますね。)

    では、課題として、現実に戦争が起こり、互いが互いをテイカーとみなすことが常態化している国際関係においてこの理論はどのような条件で発動するのかということなどあげられるかと思います。
    やはり、「侵略に対して、侵略はしない。かといって丸腰でもない。護るためにマッチャーとして振る舞う。それ以外は、大いにギバーになる。」ことが賢いやり方なのでしょうか。

  • 具体例が豊富で途中疲れる部分もあったが、全体的に面白く読んだ。楠木さんの関わる本はアタリが多い。

    他人からの評判が重大な資産価値を持つことは直感的に理解していたけど、ここまで体系立てて研究している人がいるとは。世界はなんとも広いのだ。

    唯一自分に生まれ持った才能があるとしたら、この辺の対人スキルだと思う。社会に出る前に広く深く勉強して練り上げておきたい。

  • ・ギバー…他人中心。
    テイカー…自分中心。
    マッチャー…損得のバランスを考える。
    ・テイカーは自分が優れていると考える。他人に頼りすぎるとライバルに潰されてしまうと考えるので、頼らない。
    ギバーは頼り合いが強さの源であり、多くの人々のスキルをより大きな利益の為に活用する手段と考える。
    ・ギバーは全ての人を助ける
    テイカーは脅威とみなして助けない
    マッチャーは能力を示せば助ける
    ・テイカーは自分のプライドを守るために損切りできない。
    ギバーは他人、会社第一なので、失敗を認め、柔軟。
    ・影響力を与えるのは、優位と信望。
    テイカーは優位、ゼロサムゲーム。
    ギバーは信望、ゼロサムゲームでない。
    ・1番成功するのも失敗する(燃えつきる)のもギバー。
    違いは、成功するギバーは他者利益だけでなく、自分の利益も見失わない。
    自己利益と他者利益は両立する。
    ・燃えつきるのは、与えることでもたらされた影響を前向きに認めていないことが原因。自分とって意義のあるあることをする、自分が楽しめることをする、と考えることが大事。
    ・テイカーと付き合うときはマッチャーになればいい。
    ・与えるという行為は、困っている相手を自己意識に同化し、相手の中に自分を見出す。実際には自分自身を助けている。

  • 【印象に残った話】
    ・世の中にはギバー、テイカー、マッチャーの3種類の人間がいる
    ・経済的に1番成功するのはギバーだが、1番失敗するのもギバーである
    ・成功するギバーは、ただ献身的に相手に与えるのではなく、自分にとってのメリットを考えながら、相手に応じて与える割合を変えられる人だ
    【アクションプラン】
    ・身の回りの仲間を3種類に分類する
    ・テイカーからはなるべく距離を取る

  • ギバーがもたらす成功の秘訣と、ギバーだからこそ利用される危険も説いている。
    ギバーであり続けるため、燃え尽きないためにはギバーの弱みの部分も理解しておくことが大切だと感じた。

    ・ギバーが燃え尽きるのは、与え過ぎたことよりも、与えたことでもたらされた影響を前向きに認めてもらえていないことが原因
    ・ギバーは与えることに時間とエネルギーを注ぎ込みすぎるせいで燃え尽きるのではない。困っている人をうまく助けられないときに、燃え尽きるのである
    ・ギバーは頼り合う事が弱さだとは考えない。頼り合うことは強さの源であり、多くの人々のスキルをより大きな利益のために活用する手段と考えている

  • 人は大きく3つに分けられる。人に与えることに優先するギバー、人から受け取ることを優先するテイカー、そして受け取りと与えのバランスを重視するマッチャーである。この本では、これからの時代はギバーが成功すると主張する。ただしテイカーの食い物にされなければだが。

    インターネットの発達によって、人々の評判は瞬時に共有され、経歴として残るようになった。ギバーは他人からの評判が良いため、ポジティブな評価が積み重なり、ネットワークは広がっていく。そのため多くの仲間を獲得し、成功するのだという。

    この本は『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』を読んで反感を持った人にこそ読んでもらいたい。あの本では錯覚資産を築くため、スタートダッシュに成功した者ほど次の成功確率が上がるとなっている。この場合、有利なのは自分の利益を最優先とするテイカーである。しかし、最終的に頂点に立ち続けるのは他者志向のギバーだ。その理由と戦略を学ぶべきだ。

  • 立ち回り方

  • この本の「ギバーだから成功する」というのは研究結果などを見ても恣意性が感じられた。「成功したらギバーになる」という仮説を棄却しきれてない。また負け組のギバーを量産してしまった本。

    現在は慈善活動に積極的で勝ち組ギバーの代表例のビル・ゲイツであっても、成功する前はハッキングしてたり、GUIをアップルからパクったり、友人からOSを安く買い叩いたものをIBMに売ったりとギバーとは思えないムーブをしている。むしろ若かりし頃のビル・ゲイツはテイカーである。また個人的な経験や様々な偉人のエピソードから想像されるに「ギバーが成功する」のではなく「衣食足りて礼節を知る」ほうが真実に近いと思える。

    情報商材や怪しいビジネスセミナーの講師、上手くいってない会社の経営陣はこぞってビジネスにおいてはギブの精神が重要だと言いがちであるのが気持ち悪い。そういって信者や社員たちから巻き上げようとしがち。この本でギバーが成功するというイメージが流布された結果、搾取される負け組ギバーを量産してしまった、きらいがある。勝ち組ギバーとは成功の結果、ギブして承認欲求を満たせるだけであり、勝ち組ギバーを目指したから成功したというのは信じられない。

  • 本書からの実践エッセンス
    ・与えることをまとめていく。(相談タイムをスケジュールに記載)
    ・効果のある人間に与える。
    (より多くの実践を行って、フィードバックを求める人から与える)


    本書においては、ギバー(与える人)、マッチャー(調整する人)、テイカー(もらうだけの人)と定義をしているが、読み進めるにあたり実施的には、
    ・ 他者志向のギバー
    ・ 自己犠牲のギバー
    ・ マッチャー
    ・ テイカー
    なり、最も成果を出すのは他社志向のギバーであったと結論づけている。

    他社志向のギバーであれば、自己犠牲で食い物にされるのではなく、自分を含めた全体利益を考えて行動ができるため、結果成果がでる。

    また、人に与えることは人間の性質として、与えた効果が見えることでより与える力が湧き、活力を上げるとしていることからも与えることは自己のパフォーマンスをあげるものとも考えられる。

    話を言い換えれば、与えることは、監訳者が示す通り「情けは人の為ならず」、「小善、大善」の話であるともとれる。

  • 読んでませんが、ギバーに対してのみギブするギバーはもうマッチャーなのでは?相手がギバーかテイカーかマッチャーかの判断も難しいし、実用性は皆無な気がする。ウィリアム・マッカスキルの効果的な利他主義宣言のほうがよっぽど良さそう。そっちも読んでないけど。

  • これは、何回か読み直したいです。

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著者プロフィール

アダム・グラント(Adam Grant)

ペンシルベニア大学ウォートン校教授。組織心理学者。1981年生まれ。同大学史上最年少の終身教授。『フォーチュン』誌の「世界でもっとも優秀な40歳以下の教授40人」、世界でもっとも重要なビジネス思想家50人(「THINKERS 50」)のうち一人に選ばれるなど、受賞歴多数。「グーグル」「ディズニー・ピクサー」「ゴールドマンサックス」「国際連合」などの一流企業や組織で、コンサルティングおよび講演活動も精力的に行なう。デビュー作『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』は31カ国語で翻訳され、全世界で大ベストセラーに。続く『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』(以上、三笠書房)も『ニューヨーク・タイムズ』紙でビジネス書の売上第1位、アマゾンUSでも第1位(企業文化)を獲得している。

「2022年 『THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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