アジア新聞屋台村 (集英社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • エイジアン人は近代の国家が生まれる以前の集合的無意識のようなものと、繋がっているように思う。綺麗というよりは美しい生き方。

  • 高野秀行さんの自伝的小説。エイジアンという東京の新聞社が舞台の物語です。登場人物が、高野さんを含めてみんな個性的でチャーミング!この本を読むと、無難に失敗なく、安定した生活を求めている自分は間違っているのではないかと感じてしまいます。夢と勇気と希望をくれる一冊です。

  • ある日著者の元にエイリアンからの著作依頼が来る。そんな突飛な始まり方をする新聞社での勤務記録。
    実際はエイジアン=アジア人を対象とする新聞なのだけれど、この会社は異星並に常識から遠く隔たっていた。
    編集長もいない、編集会議もない、給料もいつ払われるかわからない、なのに発行している新聞のいくつかのシェアは100%といった摩訶不思議な状況。
    日本で昇進したくて、ならば会社を起こせば即社長になれると考えた台湾出身の女性・劉さんに見込まれ、台湾やインドネシア、タイといったアジア人を対象にした新聞の編集顧問になることに。
    あまりの適当さに、著者は戸惑ったり苛立ったりしつつも、なぜか最後には上手くいっている共同作業の魅力に取り憑かれていく。
    安定を好まず、国際電話会社や外国人への住居斡旋業など、手堅く行えばそれだけで一定の収益は確約されるのに、劉社長はそういうものをあっさり捨てる。
    それを部下が内緒で引き継いでいたり、常識とは何なのだろうと思わせられるも、こうした混沌の中に青春あり、淡い恋愛がありで、気付けば夢中になって読んでいた。
    最後に著者が、この新聞社によって成長させられたことを語り大団円に。
    いいお話だった。しかも実話。

  • ついつい何回も読んじゃう。ちゃんとしてない高野さんが、ちゃんとしてしまうほどのカオスな多国籍新聞が舞台。ちゃんとすればするほど普通になって面白くなくなることに気付く高野さん。そこに編集経験者が入社し、ドンドンまともになっていくが、ある事件がキッカケで、新聞社がピンチに。ピンチを救ったのいい加減だけど、生活力があって、ちょっとずる賢いアジアンの方達。日本人の長所と短所が身につまされる

  • 2019/9/27 Amazonよりkindle日替わりセールにて199円でDL購入。
    2022/3/7〜3/16

    高野さんが関わったアジア各国の新聞を発行する会社のお話。いやあ、面白い。各国人の特徴がよく現れている感じがして、それとの対比での日本人の”異常さ”が際立っているのが面白かった。

  • 「日本人同士は同質性のなかにわざわざ差異を探すのが得意だが、外国人同士は異質性のなかに共通性を探していく。」

    自分のために生きる。
    それがいつのまにか他人のために生きている。
    著書は気づいた。

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著者プロフィール

1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションのほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。

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