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- / ISBN・EAN: 4988104850461
感想・レビュー・書評
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不肖「私」かつてアニメのテレビ放送などは観るに値せずと歯牙にも掛けない扱いをしていた事を告白せざるを得ない。そもそもアニメが夜7時台のゴールデン枠から外れて数十年、(「エヴァ」「エウレカ」は例外)「私」の関心は映画のアニメ作品にしか向いていなかった。
本作が放映された2010年。いったい何を観ていたのか?「私」は、世の流行に遅れること数年、やっと有料放送の洗礼を受けていた。日本映画の名作駄作の数々をせっせと録画し視聴し録画し視聴するだけで深夜の帳(とばり)は消費され、洋画の名作、アニメの名作まで間口を広げることも出来ずにいた。ましてや、12年前同時間帯、深夜12時45分という悪人しか跋扈しない空間で、このような名作が生まれていたなどとはコレを観るまで想像だにしていなかった。「進撃の巨人」が作成されたのはその2年後だったか。「私」はその数年後にYouTubeにて初めて、深夜枠アニメの進化に気がつくことになるのである。
閑話休題。「四畳半神話体系」は、監督 - 湯浅政明
、シリーズ構成 - 上田誠、脚本 - 上田誠、湯浅政明、キャラクター原案 - 中村佑介、キャラクターデザイン・総作画監督 - 伊東伸高、音楽-大島ミチルというかつてない贅沢と無謀さと革新と伝統を持って製作された。原作の大枠はその儘に、四章仕立てを11話にするために大幅に構成を入れ替え、原作を換骨奪胎し新エピソードを入れた。演劇畑の上田誠が深夜の京都からふね屋喫茶店で脚本を捻り出し、湯浅政明がアニメの映像使い回し技術を、永遠に続くパラレルワールドの世界として作業効率良く奇跡的に使い回した。京都の実写もうまく嵌め込み、主人公の声優役の浅沼晋太郎が、原作ではわからなかった早口台詞を正にそれしか無いだろう表現で体現した。
要は面白かった。
その内実を表現する能力を「私」は持たない。要は観るしかないのではあるが、その内実の一端はこのレビューの一つ手前の南氏のそれが見事に再現している。ここまで読ん来てそれは無いだろうと、非難したければするが良い。
【特報】
2022年4月より『四畳半タイムマシンブルース』の公開を記念して『ノイタミナ』枠で再放送を行う予定。また、Blu-rayとDVDに特典映像として収録されていた未放送エピソードが12話として初放送される。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最初はどんな話か読めなかったのですが、後半の急展開や構図・色や演出がめ一杯凝っていました。