恋の渦 [DVD]

監督 : 大根仁 
出演 : 新倉健太  若井尚子  柴田千紘  後藤ユウミ  松澤匠  上田祐揮  澤村大輔  圓谷健太  國武綾  松下貞治 
  • ポニーキャニオン
3.68
  • (22)
  • (49)
  • (29)
  • (12)
  • (2)
本棚登録 : 211
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013666061

感想・レビュー・書評

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  • 「モテキ」「バクマン。」の大根仁監督のウェーイ系DQN観察映画です。
    ウェーイ系DQNなんて自分と一番離れた異人種だし食指が伸びなかったのですが、大根監督の最新作が10月に公開されるし、放送でも話題になったので観てきました。

    すごい面白かったと同時に、嫌な感覚を植え付けてくる映画でしたね。

    まず役者陣が本物のDQNにしか見えません。
    DQN特有の間延びした喋り方ってあるじゃないですか。男はヤニでザラついた声をしてるし、女は妙に甲高い。何喋ってるかわかんないし、何に笑っているかもわかんない。冒頭のKY地獄絵図はどんなグロよりも強烈でしたw
    個人的押しDQNはトモコさんでコウジと別れるのが嫌で発狂するところは笑っちゃいましたw

    ストーリーも面白かったです。登場する9人の若者は基本的に自分のことしか考えていません。自分が思うことは相手に共感してもらえないと気が済まず、そうじゃないとキレるか拗ねる。その場その場で相手によって話題を楽しんでいるフリはしているけど、内心人のことをバカにしていて平気で二枚舌を使う。自分の中にこれといった信念がないため行動に一貫性はなく、1時間前に言ったことを全く覚えていない。

    だから観ている間は、「こいつらクズだなー」とか「ずるいなー」とか思うんだけど、観たあとハッと気づくんです。自分はこいつらと何が違うんだろうと。

    自分にも特段誇れるポリシーもないし、相手によって態度を変えたり話を合わせたりするのなんて普通だし、嫌いな相手と何となく我慢して付き合って陰口も言ったこともある。
    大体、この映画レビューだって「多様な価値観を認めます」みたいな柔和な態度を持っていても、本音を言えば観た人に共感してほしい!反論が来るとイヤだし、多分モチベも下がると思うw

    人間はそうやってコミュニケーションの場を適当にやり過ごしている。心の通い合った会話が一番だけど、大体は無意味で即席のやり取りに終始してしまう。この映画のDQNたちを観ると自分と何ら変わりないことに気づくんです。

    だからといって性根の通い合わないコミュニケーションのあり方を否定も肯定もしない。
    それは恐ろしいのか、そんなもんなのか、その中にも真の絆はあるのか、
    その答えは観た人それぞれの人生の中に隠されているのかもしれません。

  • たまたま夏目漱石を読んでいたせいか、漱石が現代に生きていたとしたらこんな小説を書いていたのではないかと思わされた。というのも、男はわかりやすいのに、女は最後まで謎めいている。

  • 人間の表と裏、男と女の真実と嘘、周りによく見られたいという欲望、あわよくばHしたいという本能。
    複雑に絡み合う男と女の9人の物語。
    単純に客観的な目線で楽しめる映画の構成になっているのだが、この映画の本質的なところは現代人が苛まれている孤独という病を映し出したものになっている。

    本当の自分を素直にさらけ出している人間なんていなくて、みんな目の前の人に対して態度をいかようにも変えていく。

    『私とは何か』にあった分人ということばがしっくりくる。人はいろんな顔を持っており、相手との関係性によって、いくつもの種類の人間へと変わっていくのである。
    そのため、違うグループが混ざり合った場面に出くわすと、不思議な空気が漂よい、なんとも居心地の悪い感覚を覚えるのである。

  • ウェーイウェーイな感じの人たちの宅飲みから始まって、なかなかついていけないテンションや会話を繰り出されるので心折れるかと思ったけど、我慢して見ていたら段々面白くなってきて最後まで観れた。みんなそれぞれリアルでなかなかのクズっぷり。クズって一言で表したらそれまでだけど、人間誰しも大なり小なりのクズ感持ち合わせてるものだわなーと思いながら見た。いろんな9人が集まってて誰のなにが最低だと思うかはホントに人それぞれだなぁと思った。人を客観的に見る勉強になる映画。

  • DQN文化に興味津々なわたしにとっては写真集のような最高な映画

  • 久々に5つ星をつけたくなる良作に遭遇。冒頭はただの飲み会をiPhoneで撮影したような映像に、駄作の予感ぷんぷんだったが、それも含めて監督の見事な演出&編集。元が舞台だということで、巧みな台詞廻しは頷けるが、それをかぶせ気味に喋らせているのがリアル。撮影期間は4日間だったらしーが、ソリッドなシチュエーションに勢いも出ている。ただ2時間の作品時間はちょっと長いし、最後のあのオチは蛇足。人為的すぎて、せっかくのリアルさを殺してしまっている。この手のバカ者群像劇って、作家の上から目線をどう封じるのかも課題。その点、卒論がらみの理屈とか、実家に帰る下りとかは秀逸だったので、そこで幕を閉じた方が良かったのでは? 少し減点して☆4.5

  • すべての女が一枚上手。なんとなく観はじめたらめっちゃ面白かった。
    もうずっとニヤニヤしてた。

  • こいつらみんなウゼーな!
    もー、どうにかして終らせて!
    と思いながらも、けっきょく最後まで見てしまった(笑)

    これが恋? 友情? ふざけんな

    全員が自分本位で
    相手のことを好きと言うのは口だけで、相手の気持ちを読めないダメな人たちの
    人間模様がスクランブルだった

    純情バカゆえで一途なトモコとタカシが同盟組むところが、なんだか微笑ましくて好きだったかも

  • 大根さんは人間の欲望を台詞や画にして描くのがとても上手い。面白かった。

著者プロフィール

1968年東京都国立市出身。演出家・映像ディレクター。 「モテキ」「湯けむりスナイパー」「週刊真木よう子」など深夜ドラマを中心に 映画、PV、舞台演出、コラム執筆、イベント主催など幅広く活動する。

「2017年 『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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