異国トーキョー漂流記 (集英社文庫) [Kindle]

著者 :
  • 集英社
4.08
  • (14)
  • (28)
  • (10)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 190
感想 : 21
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (209ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 辺境ライターの著者が綴った「東京を旅して出会った変な外国人の話」。著者が東京で知り合った8人のユニークな外国人の風変わりな物語。東京に居ながらの異国トーキョー体験。

    登場するのはフランス人、コンゴ人、ザイール人、スペイン人、ペルー人、中国人、イラク人、スーダン人。自由奔放で逞しい外国人の生き方が刺激的。普通でない人々に惹かれてしまう著者の感性もユニーク。日本の普通の家庭に育って、安定や安らぎ志向とは対極の著者の感性、どうやって育まれたのかな。

    「語学の天才まで一億年」と結構内容が重なる(もちろん視点は異なる)。なので併せて読みたい書だった。

  • 高野秀行さん初読み。東京にいる高野さんが知り合った外国人に関するエッセイ。
    高野さん自身のことをよく知らないまま読み始めたのだが、本当にアクティブで行動力に溢れた方。最初の章に出てきた八王子のフランス人とは電車内で高野さんから話しかけて知り合いになったとのこと。高野さんが大学生の80年代後半〜2000年初頭頃の話だが、なかなか直接知り合う機会のない在京外国人の来日のきっかけや日本での生活等々が垣間見ることができ、面白かった。諸外国では外国人受け入れを完全に再開している国もある中、日本はまだ入国制限があるが、早く日本に関心のある外国人が以前のように自由に来られるようになれば良いなぁと思う。

  • 久しぶりに高野本。本書の舞台は探検先ではなくて東京。へんぴな探検先の言葉を少しでも身につけようと、東京で出会った外国人たちとの出来事を綴った一冊。
    リンガラ語という超マイナーな言語を学ぶために探しだしたコンゴ人、視覚障害者で広島カープ・マニアのザイール人などなど、自分と全く共通点のない人たちと正面から向き合うのが高野流。ダイバーシティとかインクルージョンの退屈な研修を受ける時間があったら、高野本を読んだ方がよっぽどためになる。

  • 東京に来た外国人の目を通してみると途端に見慣れた東京から異郷の地トーキョーになる。なるほど確かに違う人が疑問に思った場所とかを改めてみると、突然違うものに見えたりすることありますよね。外国の方々の視点だとそれ以上に不思議が一杯でしょう。
    高野さんの本は本当に面白くて外れ無しです。コンプリートを目指すか!!

  • これはね、ほんと良いですよ。特に最後の話は涙が止まらなかった。

  • 旅の達人(著者)が東京にやってくる外国人達と
    繰り広げる、トーキョー彷徨える旅話。

    著者である、高野さんが秘境の旅に出た時の体験が
    この本には詰まっていて、愛情も感じる。

  • 笑った!文句なく面白い!。
    特に卒業できたまでの話がいい。
    ちょっと悲しくもあるが、心温まる(ほんとか?)全編。
    是非ともオススメする一作。

    ※ワセダ3畳読んでからの方が、話はわかりやすい。

  • 高野さんの本はホントに面白い。
    今回の舞台はトーキョーだけど、スケールが違うなぁ~と思います。
    交友関係も行動力も考え方もやっぱり突き抜けてる。
    平凡な人生を歩んでいる身としては、羨ましくもあり、自分はマネできないと思いつつもある。

  • 謎の怪獣を海外へ探しに行くなど、いろんな意味で海外へ行く機会の多い著者が、東京で出会った外国人との日本・海外についての話。
    外国の方はあたりまえだけれど、日本人とは違う考え方の人が多く、いろいろな発見やおどろきがあった。
    日本に来られた外国の方も、けっこう日本語が喋れない状態で来てたり(もちろん、喋れる方もいる)、出会いなどに助けられたりで、なんとかなるもんだなぁという驚き。
    自分は海外に出たことはまだない。なにか遠くに行くのは怖いように思っていたけれど、じつは、海外とはけっこう近い存在なんじゃないかと感じさせられる。

  • 海外の辺鄙を漂流しては、生死にかかわる大事件ですら、ユーモアで消化してしまうお笑い冒険家、高野氏が今回選んだ土地は地元の東京だった。

    世界各地を訪れるため、語学学習を欠かさない著者。ときにはとんでもなくマイナーな言語を学ぶ必要もある。その言語を話す外国人を探す途中で、様々な外国人と知り合い、時には親身な相談も受け、住居の3畳アパートに招待するときもある。

    そして、彼ら外国人と一緒に歩き、その感想や質問を聴いているだけで、東京は著者の知らない異文化の土地になり、ネタの宝庫である「トーキョー」になる。また、外国人から見れば著者こそが変な外国人であり、ネタの宝庫だ。果たして、トーキョーを漂流しているのは著者なのか、連れの外国人なのか。異文化が複雑に混ざったトーキョーは著者が冒険する海外の辺鄙と同じくらい未知で、面白い場所なのだ。

全21件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションのほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。

高野秀行の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
エラ・フランシス...
高野 秀行
三浦 しをん
村田 沙耶香
恩田 陸
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×