歴史をつかむ技法(新潮新書) [Kindle]

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  • 前半は、歴史学という学問の捉え方を、様々な専門家の見方を客観的に比較したり、なぜ多くの説があるのか、歴史研究者は何をしているのか?などが分かりやすく解説している。

    なぜ鎌倉幕府の成立が、1192年ではない説があるのかなど、客観的な立場からの見解が分かりやすかった。

    後半は、日本の歴史について俯瞰的に全体像がわかる内容。

    時代小説と歴史小説、歴史小説家と歴史学者の違いなどが興味深く、納得できた。歴史小説家がだんだん詳しくなって、史実に近づくというのも面白かった。

    知らなかったことも多かった…orz
    ・歴史学者の中では「安土・桃山時代」ではなく「織豊時代」というということ。
    ・足利尊氏の「あの」絵が違うらしいというのは聞いた事があったが、聖徳太子も違うらしいのは知らなかった(お札にまでなったのに…)

    未来を予測する、時代を読む、完全には難しい事かもしれないが、過去の歴史を紐解き「歴史をつかむ」ことで、その糸口になるかもしれない。

  • 歴史とは科学である、というのが著者の山本先生の主張。なるほどと思う。自然科学と同様に法則性を見出す、ということではなく、仮説を、証拠でもって検証していくというアプローチのことだ。どうも歴史観ありきで、科学と同様のこうしたアプローチを自分も忘れてるなあと反省した次第。

著者プロフィール

1957年、岡山県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。文学博士。東京大学史料編纂所教授などを勤めた。1992年『江戸お留守居役の日記』で第40回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。著書は『寛永時代』(吉川弘文館)、『日本史の一級史料』(光文社新書)、『歴史をつかむ技法』(新潮新書)、『流れをつかむ日本の歴史』『武士の人事』(角川新書)など多数。NHK Eテレ「知恵泉」を始め、テレビやラジオにも数多く出演した。2020年逝去。

「2022年 『角川まんが学習シリーズ 日本の歴史 全16巻+別巻4冊定番セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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