小説家という職業 (集英社新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 工学部出身の数少ない作家として
    活躍している森博嗣さん。
     
    過去に押井守監督でアニメ映画化された
    『スカイ・クローラ』や『すべてがFになる』等の
    作品で知られる作家さんです。
     
    エッセイを書くと、かなり辛口な人で
    この本はそんな辛口の森博嗣さんが
    作家という職業について、
    辛辣に綴ったものです。
     
    まず森さんが言うには、作家になる為には
    とにかく書く、人を観察する、
    打者の評価を気にしない
    ということが大事だということです。
     
    下手な文章力養成なんかするよりも
    とにかく書け、と。
     
    書いて新人賞に応募するなり、
    とにかく行動しろ、と言っています。
     
    次に小説家としての心構えについても語っています。
     
    小説というのは世の中でメジャーな存在ではない、
    読む人なんて限られている、ということを
    分かっておく必要がある、と。
     
    テレビは世の中のほとんどの人が見るけれども
    小説なんて見る人は稀だと、そういうことを
    理解したうえで小説を書くことが大事だと。
     
    そして常に新しさを求め、
    これが売れると信念を持つことが
    大事だと説いています。
     
    そして、今後は電子書籍の台頭で
    ますます本は売れなくなる。
     
    なので、小説を書くのだったら
    読者にどうしても手元に置いておきたい
    と思ってもらうことが大事。
     
    その為にはそこかしこに謎を散りばめる、
    とか、ニーズを新たに作るといった
    ことを意識することが大事だと
    本書で述べています。
     
    こういった書籍の未来もきちんと
    見据えている作家である森博嗣さん。
     
    これからも目の離せない作家さんの1人です。

  • 小遣い稼ぎに小説を書いたという異色の作家だけに観点が普通の作家とは異なる。
    小説を読むなとあるが、まるっきりの素人でなく、漫画の同人誌ではばりばりやっていて奥さんはイラストレーターならば創作についてはセミプロだったと知った。
    大学の研究者としてもそれなりに活躍し、やりたくないという小説でも売れっ子となり、才能のある人は違うと感服した。
    このエッセイも参考とするところも多いが、鵜呑みにするものではないだろう。

  • 独特な考えの方で、面白い。
    自由が大事だね。
    とにかく書くこと、本当そう。

  • モチベーションが湧く。

  • 学生の頃に読んでいた森博嗣を久々に読みたくなってKindleで購入。ドライに淡々と客観的に職業としての小説家をについて書かれている本。
    市場戦略を意識した視点が興味深かった。他業界ではとても当たり前のことなんだろうけど出版業界では斬新な視点なんだろうなと。
    読みやすくさらっと読めて満足。

  • 「創作」をするにあたっての基本的なことを教えてくれた気がする。才能がない、小説家になりたかったわけではない、と豪語する作者だけに、小説への熱意ではなく、あくまでビジネスとして、創作し続けていくにあたっての姿勢を紹介してくれたと思う。

  • 全く正反対の人間。参考になるわ。

  • 2016/2/23 Amazon日替わりセールで¥788を¥299にてDL購入。
    2017/6/23〜6/28

    森博嗣さんの作家として自己分析及び出版業界に対する的確な指摘が書かれたエッセイ。同じ理系の研究系の人間としては首肯出来る箇所多数。でも決定的な違いは、やはり私には書けない(本書によれば書けないことはない、とのことだが)、いや売れる本は書けない、ということだろう。森さんが人気作家になった理由の一端が分かったような気がする(あくまで気がするだけだが)。

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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